
夜行列車というものに乗ってみたかったこと、桜の時期に遍路したかったこと、この願いをかなえるために1日だけ歩くことにしました。 青春18キップを使って京都からムーンライト松山で四国入りしました。松山で乗換え宇和島駅に9時半に着き、41番龍光寺に向かって歩きます。 歩くに丁度いい時期です。県道57号線の川沿いの桜並木は予想通り満開で、やはり来てよかったと思いました。 JR務田駅を左折して田んぼの中の道を歩き始めたら、早速歩き遍路をキャッチ。しかし今朝津島町から歩いてきたというこの男性はお疲れのようで、どこかで休憩されたのか41番から先は見かけなくなってしまいました。ご縁がなくて残念。 次の42番佛木寺までは2.8キロ。これほど近いのは久しぶりのことです。通学路になっている道路沿いには延々とチューリップが植えられ、42番までずっと続いていました。開花にはまだちょっと早いのが残念でしたが、遠くの山々を眺めながら歩くにいい道でした。 あっという間に道路沿いにある佛木寺に到着。このお寺では、おばあさんに連れられた3〜4歳の女の子のお参りの仕方が実にうまいので見とれてしまいました。ぎこちなさはまるでなく自然で、熱心にお参りするのです。見よう見まねで覚えたのでしょうがすごい。きっとこの子は、優しい子になるに違いないと思わせる光景でした。 次の43番明石寺までは、歯長峠を越えます。峠への登り口には「苦をとるか楽をとるか、胸先三寸の分かれ道」という遍路標識があり、私は迷わず苦をとりました。登り口に近づくと遍路が見えたのでラッキーと思ったら、車道を歩いていく遍路でがっかりしました。またご縁がありませんでした。 苦の道は、すぐにくさりの急登になりました。だから先ほどの遍路は無難な車道を選んだのでしょうか。こういうところでは歩数を数えて気を紛らわす戦法で行きます。そうしたらたった250歩の5分程大変だっただけで、後は大したことありません。登りきったところに送迎庵見送大師があり、無事に山から下りられるようにお参りしました。 途中に「あえて苦をとったのも、人の生き様」という標識があり、う〜ん、そうかと思って歩いていたら、なんと絶景。私はこういう感動が欲しくてあえて苦を選んだのです。うわ〜という感動は、楽していてはなかなか味わえないのです。 最後は道がわかりづらくなって、少し戻ったりしましたが無事下りられました。地元の人から荒れていると聞きましたが、伐採の切り株で足場が悪い程度で、そんなに荒れているように感じませんでした。 歯長橋の手前を川沿いに歩き、導引大師参拝後しばらく歩くと、「お遍路さんトイレ使ってください」という皆田小学校の児童が書いた看板がありました。今までいくつかの学校を通過してきましたが初めてで感心しました。 最終目的地43番明石寺の参道には、レンギョウなのか黄色い花がずっと植わっていてとても鮮やかでした。大きな桜の木とモクレンがある境内は、とても静かで気に入りました(写真)。 ここから桜が奇麗な裏山を越えて卯之町の町並みに出ると、高野長英の隠れ家や二宮敬作の住居跡があり、古くから学問や教育を重んじてきた町の雰囲気をあじわうことができました。
今回の遍路は一日で終了です。松山に出て今回の楽しみのひとつ道後温泉の湯につかり、さっぱりして帰ってきました。 今回卯之町まで歩いたことにより、次回の計画が上手くいきそうです。次回はゴールデンウィークに松山まで夫と歩く予定です。ひわた峠も夫がいれば安心・・・だと思います。 夜行列車の感想?う〜ん、疲れました。 |