2002年11月4日〜5日 29〜31番 23km


11/4(月) 1日目(通算14日目) 29番 9`

11月3・4日の連休に、いつもの山仲間と四国の60番横峯寺がある石鎚山と剣山に登りました。折角四国まで来たのだから登山後、私だけ四国に残り歩くことにしました。週末に寒波が来るいう天気予報通り、石鎚山では雪が10センチほど積もりました。雪の中の歩き遍路は困るなと心配しましたが、高知はさわやかな秋晴れでした。
今回は28番大日寺からの続きです。近辺には宿がないので高知駅前のビジネスホテルをとりました。直接宿に入るはずでしたが、少しでも遍路道を歩きたくなり、急遽JR土佐山田駅で下車して28番から少し歩きました。
コスモス畑のはるか向こうに山々が見えます(写真)。のどかな道を歩きながら「歩き遍路のよさはこれこれ、途中下車してよかった〜」と思わずにんまり。生まれてからずっと都会暮らしの私にとって、ここ四国はもう心のふるさとなのです。

踏み切りを越えたところで早速無人お接待所があり感謝感謝でした。ほどなく29番国分寺に着き、5時になったので今日はこれで終わりです。お参りを済ませてから最寄り駅の御免まで歩き、そこからJRに乗り高知駅に出ました。 
いよいよ明日から本格的な歩きです。今回はどんな歩きができるか楽しみです。つい先ほど山から降りてきたばかりで、また四国路を歩けるなんて何て幸せなんでしょう。こんなに嬉しい理由がこの四国にはいっぱいあるのです。犬も歩けば棒に当たる・・・遍路歩けば感動に出あうなのです。


11/5(火)2日目(15日目)BHタウン駅前発 30〜31番14`

高知駅から交通機関を使って国分寺近くまで戻ってきました。昨晩のうちに時刻表で調べておいたので待ち時間がなくスムーズです。
昨日に続き29番からの道も非常にのどかです。この歩きを味わったら歩き遍路はやめられません。まさしく至福のときです。
国分川に沿った高知医大までの遍路道は、途中道路工事でわかり難かったのですが、迷うであろう私を遠くから見ていた誘導員さんが「あっちあっち」と旗で合図を送ってくれたお陰で事なきを得ました。思わずペコリと頭を下げました。
逢坂越えをしてほどなく30番善楽寺に着きました。参拝後、境内の茶店で買ったあんころもちを隣り合わせにある土佐神社の長い参道で腰をおろし食べました。とても静かな神社でした。

門前の道路工事を通り抜け、次の31番に向かって歩くときのことです。犬が走ってきたのでそちらを見れば遍路シール、車が曲がるのでそちらに目をやればその先に遍路シール、自転車の後ろに子どもを乗せようとしているお母さんに手をかそうと近づけば遍路シール。私の注意を引くように、スタッフが要所要所にいてパフォーマンスしているのではないかと思うほど、仕掛けの中を歩いている感じがしました。これがお大師様のお導きでないのなら何なのでしょう。
川をいくつか越え、さらにどんどん歩くと突然路面電車が通る道につきあたり、今までと景色が変わりました。
路面電車を横切り、交番があったので念のために道を確認すると、この遍路道は大変なので行かないほうがいいと違う道を地図で教えてくれます。でも遍路道に行きたいので、説明を聞くふりをしながら交番の詳細地図で遍路道をチェックしていました。
そこにちょうどひとりの若い遍路が向こうから歩いてきます。30番ですれ違った青年です。警察での今の話をして、それでも一緒に遍路道を行かないかと誘いました。ザックに銀マットをつけている彼は即OK。彼は昨晩土佐山田駅で野宿したといいます。21歳と聞いて驚きました。偶然にも私の二男と同い年です。さらに大学を休学して歩いている。福井の出身で大阪外大生であると話してくれました。大学と目的の違いこそあれ、NZにいる私の息子と似すぎています。他人であるけれど、とりあえず理解がある親と、その親にとりあえず感謝している息子が、ここで出会う不思議を感じるね、と話ながら竹林寺への山道をちょっと迷いながら登っていきました。今日の目的地が一緒とわかり、今回は同行に恵まれたかなと思っていた矢先に自宅から連絡が入りました。どうやら帰らなければなりません。31番竹林寺でお参りを済ませた後、そのことを彼に伝え、この先、気をつけてと言って別れました。息子のような青年と出会ってすぐにさよならするのは残念で仕方がありませんでした。
竹林寺を高知駅に向かって降ってから葛島まで歩き、先ほど横切った路面電車に乗りました。まさかこのレールに乗っかるなんて思わず横切ったのになぁ・・・。
岡山経由で名古屋に帰る切符を手配してから電車待ちしていると、どうも今日区切ったような男性遍路が現れました。おしまいですか?と話がはずみました。大阪在住でロープウェイの仕事をしているこの男性も私も、本当はずーっと歩き続けたいのですが、そうはいかないことがさらにお遍路に惹かれると話しながら途中まで一緒しました。
訳あって今回の歩きは2日目にて終了です。それでもさわやかな秋晴れの道をふるさとに帰ってきたかのような気持になってのんびり歩けましたし、様々な出会いもありました。
来春になったら、また元気に歩こうと思います。




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