長野県北八ヶ岳(茶臼山・縞枯山)

8月26日(日)

猛暑が続く今夏、標高が低い山には暑くてとても行く気になれない。
そこで考えたのは、一気に標高2000mまで連れて行ってもらえる某バスハイキングツアーに参加。
中央自動車道諏訪IC経由、麦草峠でバスを下車する。
降りた途端、とても涼しい。

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麦草峠~茶臼山~縞枯山~ピラタスロープウェイ山頂駅まで決められた時間を各自が守って自由に歩くツアーである。

爽やかな樹林帯の中を歩くこと30分、大きな岩がごろごろする中小場に着く。

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視界が開けて、前方に茶臼山がど~んと現れる。
振り返ると先ほどバスを降りた麦草峠が小さく見えた。

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               左:茶臼山 奥:縞枯山

北八ヶ岳の特徴である「しらびそ縞枯れ減少」が現れる。
諸説あるが、諏訪地方から吹き上げる強風と土壌の乏しさが原因といわれている。

ここから茶臼山まできつい登りが続く。
ほぼ一直線の登山道が延々と続き汗が噴出す。
アキノキリンソウを見ながら標高差150mを一歩一歩稼いだ。

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茶臼山山頂は展望はなく、西へ5分ほど歩くと展望が開けた。
縞枯山南面を望むことができたが、縞枯山はそれほど魅力ある山容ではない。
南に目をやると阿弥陀岳から西に広げている御小屋尾根が美しかった。

茶臼山からは、かなり下って縞枯山へ登り返す。
30分程もくもくと登ったころ、ふと振り返えると茶臼山越しに八ヶ岳主峰が遠望できた。

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        茶臼山(2384m)は北側から見たほうが美しい

赤岳~中岳~阿弥陀岳の稜線に見惚れたが、かすんでいたからか私のカメラではこの程度しか写せない。

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展望台に到着した頃には八ヶ岳主峰はもっとかすんでいたが、それでも赤岳に想いをはせるには充分だった。

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立ち枯れた針葉樹の中を進み縞枯山山頂(2403m)を踏む。
が、展望がきかないつまらない山頂だった。
雨池峠への下山は、ごろごろ石の急降下で苦戦した。

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赤い実をつけた「はりぶき」。
(写真をクリックして大きな画面で見てください。)
針のようなとげが葉っぱ一面に出ており、下山で思わず手を掛けたらひどいことになるから要注意である。
この葉っぱを見つける度に恐ろしい想いでしげしげと眺める。
別名「嫁の座布団」といわれると聞いたが「針のむしろ」ですねぇ。

雨池峠に降りるころ、蕾のリンドウ見つけ秋を感じる。

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縞枯山荘を通過して ピラタスロープウェイ山頂駅に着くころになると観光客が多くなった。
そうなんだ、今日は夏休みの最後の日曜日。
子ども連れの家族といっしょになってロープウェイで降って行った。

たった3時間で物足りなさを感じる山行だったが、それでも初秋を感じる楽しい一日だった。

中央アルプス(千畳敷~極楽平)

8月13日(月)
今日は宝剣岳(中央アルプス)東側直下の千畳敷カールをハイキング+α。

名古屋高速道黒川~中央道小牧IC~駒ヶ根IC~菅の平駐車場までは2時間半と順調だったが、その先、しらび平ロープウェイで1時間半も待たされる。
そうなんだ、考えることはみな同じで避暑に来るのですねぇ。
それにしても、上高地か軽井沢のバスターミナルと見まがうほどの混雑ぶり。

しらび平は何にもないところだと思ったら、“日暮れの滝”という散策コースがあったので待ち時間を退屈せずにすんだ。

ロープウェイは運良く一番前にへばりつくことができた。
“日暮れの滝”の全景が眺められ、うぉ~と歓声が上がる。
それはそれは素晴らしい景色で、今日のロープウェイ代は決して高くないなと思った。

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ロープウェイを降りてから、時計の反対周りで散策する。
ハイキングすらしない母親と妹には、ちょっときつい坂だが、文句も言わずついてくる。

今日は眺望が良い。
宝剣岳頂上や稜線の登山客が目に入る。
きっと乗鞍・御岳・北ア・南アが一望なんだろうと想像する。

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          お花畑              グンナイフウロ

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千畳敷カールを一周散策後、夫と姪を誘って極楽平稜線まで上がる。
(八丁坂は混んでいるので止めた)

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            クロユリ          ヨツバシオガマ

まだ若いクロユリだったが、5~6年もすればめしべを持つ立派なクロユリになるのでしょう。

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             夫と姪はのんびり登ってくる

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         ウサギギク               ?  

人なつこい鳥(何ていう種類かわからない)に出会う。
こちらがじっとしていれば、向こうから結構近づいてくる。
静かな登山道は、こんな出会いがあるから嬉しい。

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30分程で極楽平に到着。(奥に見えるのは三の沢岳)
昨年9月、木曽駒~宝剣~空木~越百山を縦走したときここを通過している。

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      タカネツメクサ            チシマギキョウ

チシマギキョウはよく見ると産毛が生えている。
その奥の白い花はイワツメグサ。(花は直径2cm足らず)
稜線に咲く花に出会うとなんか嬉しくなるのは何でだろう。

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      北側・宝剣岳方面           南側・島田娘の頭

皆が待っているのでゆっくりもできず、後ろ髪ひかれながら下山する。

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赤いロープウェイ乗場を目指して下っていった。
母達と待ち合わせのホテル千畳敷でコーヒーを飲んで、4:20のロープウェイでしらび平に降りた。

下山後、露天こぶしの湯に浸かり疲れをほぐす。
帰路も渋滞もなく、駒ヶ根ICから2時間で帰ることができた。
家族で楽しい夏休みが過ごせたこと幸せを感じます。
運転を買って出てくれた夫に感謝です。               

         

幸運にも

夏山はもう行けないと諦めておりましたが、幸運にも明日、駒ヶ根ロープウェイを使って千畳敷カールまで行くことになりました。

夫の運転で、高校2年生になる姪と母親と妹を連れて行きます。
足が弱い母達は散策のあとホテル千畳敷でゆっくりしてもらい、そのすきに私は八丁坂を乗越浄土まで行きたいと企んでいます。
そうです、母達を連れて行くという大義名分のもと私もちゃっかり楽しむという訳です。
お花はまだあるらしいので母達は喜んでくれると思います。

明日も猛暑で日中の気温が35度だとしても(千畳敷の標高は2611m・・・標高100m上がると気温が0.6度下がる・・・・・)千畳敷は20度。
じゃあ、避暑に出かけてきます。

北アルプス(立山奥大日岳・浄土山・龍王岳)

8月3日(金)

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名古屋7:52発しらさぎ1号で富山入りし、立山~美女平~室堂まで電車・ケーブル・バスに乗り継ぎ、14:50素晴らしい眺望の室堂(H2450m)に立つ。

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台風5号で風は強い。が、景色は素晴らしい。
曇っているが、ど~んと目の前には別山乗越しの小屋まで見える。
その奥、剱岳の左肩も見える。
こんな眺望の良い室堂は初めてなので、いささか興奮ぎみである。

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みくりが池からの立山(雄山)~浄土山。
うわさどおり、今年は残雪が多い。
景色を堪能しながら今晩の宿である雷鳥荘まで1時間ばかり歩く。

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宿に荷物を置き、空身で地獄谷まで散策。
硫黄がこびりつく噴気孔からは盛んに火山ガスが噴出している。
みくりが池の伏流水がこの火山ガスで熱せられ温泉になる。
ごぼごぼと湧き出す様は怖いぐらいである。
2002年、剱岳から降りてきたとき以来だから5年ぶり。
やはり地獄谷という名の通り、荒涼とした不気味なところだった。

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地獄谷越しに、明日登る大日岳が見えた。
宿の展望風呂からは、もっと大日岳が素晴らしく見えた。
大日岳に登る人は、おすすめの宿である。

8月4日(土)
台風5号はなかなか北上せず停滞している模様。
昨晩の風雨は凄かった。
建物が飛ばされそうな勢いの風に何度か目を覚ました。

明日も雨という予報。
室堂から大日岳に入り称名滝に抜ける計画を変更して、奥大日岳(200名山)をピストンすることにした。

予定より遅く、7:50スタート。
雨は降っていないが、ホワイトアウトで視界2~30mのなかを歩く。
雷鳥沢テント場を目指しどんどん下り、浄土沢を渡ると、じきにお花畑に出る。

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         オオバキスミレ            ノビネチドリ

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        シナノキンバイ             ヒメイチゲ

濃霧で奥大日岳の全貌がわからず登っていたので、頂上に着いた時あっけなく感じた。(2605m10:15着)
あとから到着する他のパーティも皆、「ここですか」といった具合。
本来なら、北に剱岳がど~んと見えるはずなのだが、何も見えない。
ガッカリである。

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30分も休憩していたので体が冷えだした。
10:45下山開始。
天候悪化で小雨が降りだしたから余計に寒い。
行きに通ったお花畑を下ること1時間、3度目の雷鳥に遭遇。

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メスを追いかけ登山道をものすごい勢いで駆け上がる雷鳥の求愛だった。
残った2羽のメス雷鳥を見ていたら、求愛に失敗したらしい無様なオスが戻ってきた。
オス雷鳥は警戒することなく我々にどんどん近づいてくる。
メスに気を取られているからか人間に対して警戒心がないようだ。
神の使いとして保護されている雷鳥に至近距離2mという幸運に恵まれた。

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      コバイケイソウの群落        バイケイソウ

12:30ころから時々ザーッと降り、宿に戻る10分程前には本降りになる。
13:00に宿に戻ってからは、温泉に入り極楽山行。
16:00ころ横殴りの雨のなか到着した団体は大騒動していたので我々は幸運だった。

8月5日(日)
3日目は天気が回復した。
昨年歩いた浄土山~雄山の周回をすることにした。
初日のように山々の全貌は見えないが、時々薄日が差すので期待できる。
7:00出発。

40分ほどで浄土山への分岐に着く。
結構キツイ坂をもくもくと上がる。
室堂山の展望台に向かうと、雄姿が見えてきた。

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稜線を目で追うと薬師岳だということがわかった。
五色が原の小屋までよく見えたが直に雲で隠れる。
いつか室堂を薬師岳まで南下し折立に降りたいと思っている私は、景色を眺めながら思いにふける。

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この雪渓を渡り浄土山に入る。
ちなみにこの雪解け水は、日本一の落差を誇る称名滝の源流にあたる。
称名滝を流れ落ち、称名川は常願寺川に合流し日本海に流れ出る。

ふーふーいいながら浄土山(2831m)頂上に着くが、だらっとしたここのピークはわかりにくい。道標はどこだと探すが三角点はわからなかった。
一の越しと五色が原の分岐まで来ると雄山から別山まで見えるようになる。

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目を凝らしてみると一の越から雄山に向かって長蛇の列をなしている。
室堂からも行列状態である。
余りの混みように雄山は諦め、変わりに浄土山南に位置する龍王岳(2872m)に登ることにした。

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薬師岳への縦走路から龍王岳は少し外れているので登る人は少ないようである。龍王岳頂上からは、黒部湖の一部と針木谷がよく見られたので登って良かった。

10:30雄山を目の前にしながら一の越へ下山開始。

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    ミヤマリンドウ             ハクサンフウロ

秋の花であるミヤマリンドウが咲き始めていた。
一の越しに向かうお花畑は秋になりつつあった。

一の越山荘前には雄山から下りた者と、これから登る者で溢れていた。
富山駅前より凄い混雑ぶりである。
ちなみに、一の越は常願寺川と黒部川の分水嶺である。

我々は一の越から東一の越に向かって少し降りた。
ここまで来ると登山客は皆無で、先ほどの喧騒が嘘のような静かさである。
時間が許せば、ずっと歩いていきたい黒部湖までの道が続いていた。

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雄山を初めて東から眺める。
ハクサンイチゲが咲き乱れるお花畑からの雄山は、室堂から見る表情とまた違っており新発見だった。

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ここから、先ほど登った龍王岳の全容も見えた。
前穂のように岩尾根が延びる山だという事がわかった。
龍王岳と浄土山の間には長い雪渓が残っている。
この雪解け水は黒部湖に流れ込むようだ。

12:00室堂に戻り、12:20発美女平に向かうバスに乗り込む頃、雨がザーッと降ってきた。
あの雄山への行列は大丈夫かと心配になる。
ケーブルと電車を乗り継ぎ、14:45富山駅に着く。
食料を仕入れ15:15発の高速バスに乗り、名古屋に戻った。

お盆休みに山行予定はないので、夏山は実質これが最後だと自分に言い聞かせた。 

南アから北アに変更

8月3~7日南アルプスの荒川三山を予定していましたが、台風4号(7月14日)で被害を受けた道路が予定通り復旧せず、荒川三山を諦めることになりました。

ということで、急遽行き先を変更し、台風4号で諦めた大日岳山行にしたら、またまた台風5号です。

まったくついていませんが、とりあえず室堂へ行きます。

3日(富山経由)立山室堂で泊まり、4日大日岳に入り、5日に日本一の落差(350m)を誇る称名滝に降りてくるという予定ですが、室堂で過ごすことになるかもです。

大日岳を計画すると台風がきます。
どうなりますやら。

白山2702m

H19年7月21~22日

日本三名山のひとつである白山に出かけた。
先週に続き今週も雨か・・・と思うような天候だったのでテント泊でなく小屋泊に替えダメもとで出かけた。

朝7時出発。
北陸自動車道福井西で降り、10:45市ノ瀬に着。
ここからはマイカー規制でバスに乗って別当出合まで行く。

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登山情報通り霧が深いが幸い雨が止んだ。
別当谷にかかる吊橋を渡って砂防新道を上がる。

11:55中飯場着。
トイレと水場が完備されている。
どうやら砂防工事の小屋になっている模様だった。

さらに50分歩いて1:15別当覗に着。
別当谷を覗くようになっているのだが、大雨で危険とロープが張られていた。
ガイドブックによると、ここからの景色は素晴らしいと書かれているが、視界50mの霧である。残念ながら何も見えない。

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           ミヤマキンポウゲ

汗をかきかき、1:40甚之助避難小屋着。
ここもトイレと水場が完備されている。
本来なら登山客でごった返している時期だが悪天候で登山客はまばら。

2:08南竜分岐を南竜ケ馬場に向かうとお花畑に出た。

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今年初のクロユリに出合い、久しぶり!という挨拶をした。
小雨が降っていたが、今年も夏山に来られたことを喜んだ。

クロユリは花をつけるのに6~7年かかるそうだ。
花が咲いても若いクロユリは、めしべを持たないという。
この写真のクロユリはめしべとおしべが揃った成熟したクロユリだった。
それも2ヶつきである。かなりの成熟したものだそうだ。

2:45南竜山荘着。
南竜ケ馬場はお花の種類が非常に多い。
4:00から観察員と一緒に散策に出て花の説明を聞いた。

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コバイケイソウの中央は両性花(めしべ・おしべ)で側枝は雄花だと教わった。
なるほど、よく観察するとその通り。
今まで何度か見ていたが知らなかったので勉強になった。

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ハクサンを冠した植物の代表的な「ハクサンフウロ」 
どの山でも見られる花だが、本場のものが見られ嬉しかった。

7月22日(日)朝食を済ませ、7:00小屋発。
エコーラインを通って室堂に上がる。

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雪解けを待って咲き出すハクサンコザクラの群生は凄かった。
白色のハクサンコザクラも見た。
どこだったが忘れてしまったが、他の山で白のハクサンコザクラを見ている。

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エコーラインから南竜山荘を見る。
この霧であるから主峰の御前峰は見えないがお花の多さに満足。
眺望は花の時期でないときに来ればいいと思った。

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コバイケイソウの群落と雪渓。
あの雪渓の下、山の短い夏の季節を一気に咲こうと出番を待っている花たちがいる。
それが今年でない花たちもいるはずだ。
それでも、いつでもOKという一生懸命さが感じられるのは何故だろう。
その健気さに惹かれる。

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ピンク色はイワカガミ・白色はアオノツガザクラ・黄色はミヤマキンバイ。

8:35室堂平に着。
ザックをデポして、御前峰奥の宮に上がる。

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9:23白山主峰の御前峰2702m登頂。
雨は降っていないが濃霧で眺望はゼロであった。

ちなみにゴゼンタチバナは、この御前峰で見つけられその名がつけられたそうである。

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とにかく凄い。
このクロユリの群生を見て、私は一生分を見てしまった気がした。

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下山後もご覧の通り、御前峰は濃い霧で結局見られなかった。

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10:35室堂を下山開始。
岩が濡れているので下りは難儀した。
下りは花が素晴らしいと聞いた観光新道を選んだ。

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           ヨツバシオガマ

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一面のゼンテイカに思わず見惚れる。
今ではニッコウキスゲと呼ばれるが、禅定道に咲く花だからゼンテイカとつけられたと聞く。

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ミヤマダイモンジソウ(花が大の字になっている)

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キクバクワガタ(花は2cm程)めしべおしべが飛び出ているのが特徴。
   
11:50殿ケ池避難小屋着。

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             ササユリ

禅定道分岐からの急降下は雨でぬるぬるで本当に難儀した。
1:55別当出合に降りたときはほっとした。
2:00のバスで市ノ瀬に出て、6:30名古屋の自宅に着いた。

花目当ての白山だったが、書き出したら66種類もの花を見た。
この時期は花目当てで登山道は長蛇の列らしい。
悪天候だったがすいていたので充分お花が見られ大満足だった。
富士山・立山・白山の三名山登頂できたことも嬉しい。

  

鳩吹山(愛知県犬山市)

H19年7月16日(月)海の日

本当なら立山室堂から2泊3日の大日岳山行(小屋泊)のはずだったが、台風4号で仕方なく中止。
最終日の16日が晴天だったので、近場の鳩吹山にトレーニングに出かけた。(鈴鹿は、この時期ヤマヒルだらけなので行くに行けない。)

7:50最寄の地下鉄から名鉄電車に乗り継ぎ1時間で登山道取り付きに着く。
標高303mしかない山なので、暑い山行になることは覚悟のうえだったが、想像以上の猛烈の汗をかいた。
熱中症にならないように水の補給に心がける。

台風4号の大雨で、頂上から見る木曽川は随分濁っていた。
イヤホンでラジオを聞いていた男性が、突然大声を出すから何事かと思いきや新潟の地震だった。
山頂で皆、真剣にラジオのニュースを聞いた。
台風の大雨被害に続き地震とは気の毒である。

2004年10月の新潟県中越地震を思い出す。
あの時、私は黒部下の廊下に出かけていた。
下の廊下を黒部ダムに向かって歩いているとき、余震で対岸の岩が崩れ落ちた。
その時の恐怖を思い出し身震いがした。

滝のコースに降りたら、台風の大雨で水量がものすごかった。

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まだこの辺は驚かなかったが、最後の滝の水量は見応えがあった。

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         Img_0027 1月27日

今年1月27日のときと比べて水量の多さにしばらく見惚れた。

下山後、木曽川左岸をしばらく歩いたが、流れが速く、日本ライン下りの船頭さんは漕ぐこともなくものすごいスピードで下って行った。

2007伊勢(堀坂山~観音岳)

6月16日(土)晴れ

4月3日以来だから、なんと2ヶ月半ぶりに山に入った。
本当は上高地(長野県)の明神岳麓にある「ひょうたん池」に行きたかったのだけれど、2ヵ月半も歩いていない足にテント担いで残雪ある道は厳しいからと諦めたのだった。

そこで選んだ先は、三重県松阪市(松阪牛で有名)にある堀坂山757m~観音岳606m縦走。
堀坂山は伊勢三山のひとつで信仰の山である。

梅雨入り宣言が出されると途端に晴天が続くのだが、今年もお決まりの五月晴れになった。
気を良くし、7:11名古屋駅から松阪行きの近鉄電車に乗り込む。
8:30松阪駅で仲間の車に拾ってもらって森林公園に向かう。

9:15出発。
どくだみの白い花を見ながら雲母林道を登山口まで行くと、

         Img_0052_1                

シライトソウが涼しげに咲いている。
林道と分かれて山道に入って行く。

意外とキツイ坂を汗をかきかき30分ばかり登って稜線に出る。
2ヵ月半のブランクがキツイうえに暑い。
相当足がなまっていることを実感する。

ここから堀坂山ピークまで20ものアップダウンを繰り返す。
エゴノキが満開でたわわに白い花をつけている。

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その小さな白い花がずっと登山道を埋め尽くしていた。

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カキノハクサという珍しい花を見た。
柿の葉に似ているからこの名がついたとか。
そう、花もかき色ですね。

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コアジサイの薄紫色は何ともいえない奇麗で、ほのかに甘い香りがする。

11:11堀坂山雌岳(石室に観音様)
11:47 〃  雄岳H757(大権現の石祠)

堀坂山雄岳で昼食のため大休憩したが、この頂上には日陰がない。
暑い日差しの下で座るしかなかった。

12:35下山開始間もなく、

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智拳印を結ぶ金剛界大日如来像が鎮座している。
私の十二支守り本尊である。
オンバザラダトバン・・・と3回唱えて無事の下山をお祈りする。

大日如来像と背中あわせに、修験道の開祖役行者も祀られている。
さらに下ると、法界定印を結ぶ胎蔵界大日如来像も鎮座しており、本当に信仰の山であることがわかる。

1:15堀坂峠着
1:30観音岳に向かう。

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またキツイ坂をひーふーいいながら登ると、風に乗った甘い香りに誘われる。

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今日一番のササユリを見つける。
ササユリは枝が細く花が重いのでどうしてもうつむく。
その様に何ともいえない美しさがある。
ひっそりと咲く姿にしばし見惚れる。

2:15観音岳(H606)頂上着

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松阪市街と伊勢湾が一望できる。
20分ほど休憩する。

さらに東に行くと小さな石観音がある。
回り込んでみると石の扉が閉ざされている。
「ひらけごま」とばかりに石の扉を開けると

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観音様が鎮座している。
石の扉が上手く回転するように作られていることに感心する。
今一度無事の下山をお祈りする。

2:50下山開始

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下山途中で、ナツツバキを見つける。

4:05森林公園駐車場着

約7時間の山行に、翌々日(何故翌々日?)には久しぶりに筋肉痛になった。
困った・・・こんなことで夏山でどうしよう。

お遍路から1ケ月

毎回のことだが今回もお遍路から戻った途端、雑多なことに振り回され、ため息をつく毎日だった。

明日に回して早く寝てしまえばいいのに、それが私はできないのである。
明日に回そうものなら、夜な夜な頭から離れずなかなか寝付けない。
だから、お遍路でのせっかくの早寝早起は途端に崩れてしまう。

真面目すぎて手の抜き方を知らず、さらにどんくさい私は、仕事もはかどらずため息をついてはうなだれる。
なんでこんなに不器用なのだろう私は。

それでも、大回りしても次の札所につくように、最近ようやく一息つけるようになった。

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久しぶりに山に行くつもりだったが生憎の大雨で仕方なく中止。
雨が上がってから、そうだ!と名城公園に出かけてみた。
案の定、いつもと違う水溜りの景色があった。
僅か5センチほどの水溜りを覗き込むと、そこは別世界。
水際に立つと、深い深い水底に落っこちてしまいそうで、わくわくと何度も覗いた。

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お遍路に話を戻して・・・・
お遍路は帰宅後も結構することがある。
お礼状を書いたり記録を残したり。

帰宅後のことを少しばかり・・・・

お遍路2日目の犬を連れたお遍路さんについて、昨年11月お遍路の最終日に出会った徳島のFさんから次のような情報を得た。

①犬は五右衛門君で買主の遍路は北海道で働く〇野君というそうな。
②徳島のFさんは、4月23日に5番地蔵寺で彼らと出会った。
③6月末の結願予定。

ということは、彼らは昨晩の大雨の中、お四国のどこかにいたということである。
どこまで行ったのか、まだ結願目指して野宿しながら歩いているはずである。
犬を連れているのか、犬に連れられているのか、これもお遍路である。

帰宅後数日経ってから、遍路最終日に会った『香我美遍路小屋』の三浦さんから、土佐のカツオのたたきが送られてきた。
添えられた手紙に書いてある通り、塩とにんにくだけで食べたらめちゃくちゃ美味しくたくさん食べた。
こんな親切は実に嬉しい。
土佐が本当に好きになった。

今度はいつお遍路に出かけられるだろうか。
まだ当分土佐を歩くことになるが、この先どんな出会いがあるだろうと考えるだけでわくわくする。
じっと、機が熟すまで待とう。

2007高知(28)

区切り3回目の5日目 雨

5:30のタイマーに目を覚ます。
外を見なくても雨が降っていることがわかるほど窓ガラスが音を立てている。

昨日仕入れておいた朝食をガサガサと袋から出す。
宿の遅い朝食が待てないほど、少しでも早く雨の中を歩きたい訳ではないのに・・・とむなしい雨音を聞きながらおにぎりを胃袋につめ込む。

6:30夜須町サイクリングターミナルを発つ。
かなりの風雨にめげそう。

「この雨だから、予定の31番はやめよう」と私。
「そうか・・・・」とついてくるだけ(?)の夫は言った。

1巡目で味わった「何故こんなにしてまで歩く?」を思い出す。
自分ひとりならまだしもと、このときは妙に夫を気遣う自分だった。
雨の中までつきあわせ申し訳ない気持になったのである。

歩きながら「ごめんね」と勝手に言ってみたが、雨風や波の音で聞こえなかったのか夫は無言だった。
文句をいうでもなくお遍路につきあってくれる夫に不満などない。
むしろ感謝している。
ただこのときは、夫を気遣い過ぎている自分が嫌だったのである。
夫から常々言われている「気遣い過ぎ」を自問自答しながら雨の手結岬をぐるっと回った。

「これが手結可動橋?」という夫の言葉に腹を抱えて笑った。
跳ね上がっていないそれは見るに値しない普通の橋に見えた。
橋に過分な期待していた自分がちょっと可笑しかったのだが、本当のところは緊張が解けた安堵の笑いだったのだと思う。

香我美遍路小屋に近づくと、小屋を管理しておられる三浦さんは待ちきれず随分手前まで迎えに来てくださっていた。

「5年前もこんな雨でしたね」
「あの時は安芸からだったので疲れきって歩いていました」と私。

正確に言うと4年半前のお接待が初めての出会いである。
その後の車遍路のときにも寄っているので今回は3度目になる。
初めての出会いのときに聞いた遍路小屋を作りたいという話が実現したので、車遍路のときに見にいった経歴がある。

そんなにゆっくりするつもりではなかったが、ついつい話し込み、気がついたら8:20。
予定は大幅にくるっていた。

赤岡の町を歩くころには、遅くなりついでと絵金蔵に寄ってみた。
といっても開館時間の9時に30分も早い。

「せっかくだから見ていこう」

その夫の一言は迷っていただけに本当に嬉しかった。
30分が待てずにもくもくと先に進むことばかりの自分を止めてもらえた気がした。

幕末の天才絵師・弘瀬金蔵(狩野派)の屏風絵はタイトル通り『恐ろしくて美しい』絵だった。
薄暗い部屋に置かれた『修羅を描いた芝居絵』を提灯(乾電池)でかざして観る。
絵(複製画)の前に置かれている蝋燭(電気)が揺らめくと、描かれた人間が動き出さんばかりの迫力だった。
本物は壁に空けられた穴から覗き見るようになっている。
こんな心憎い工夫 は見るものの心をわしづかみにする。

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東西2キロ足らず、全国の市町村のなかで一番小さいといわれている赤岡にこんな素晴らしいものが今なお大事に残されていたのだった。

         Img_0086

記念に手拭を買った。

感動さめやらずで表のベンチで休憩していたら、男性遍路がやって来た。
我々の横に腰掛て靴を脱ぐや否や、靴下を脱ぎジャーと絞った。
靴の中がそんな状態になっていたことに驚き、どこから歩いてきたのかと尋ねたら安芸だといっていた。
寒いと言うので、せっかくだから絵金蔵をみてきたらどうかと薦めたら入館していった。

10:00ようやく歩き出す。
横殴りの雨の中、交通量の多い国道55線をうつむいて歩く。

すねに違和感を覚える。
実は、前々日の宿で洗濯しているときに左足の小指をしたたかぶつけた。
幸い靴下を履いていたが、爪がはがれたと思うほど痛かった。
それをかばって、いつもと違う筋肉を使って歩いているからなのか。

今晩の夜行バス(10:20)で名古屋に帰るのだが、打ち終えてからの時間を潰そうと予定している『高知黒潮ホテル龍馬の湯』に着いた。

「30番を打ち終えてこちらに戻るので、不要な荷物を預かって欲しい」
「龍馬の湯にはロッカーはない」とつれない返事。

それでも無理をいったら辛うじて下足箱を借りることができた。
軽くなったザックに気をよくして歩き出したのだが、10分ほど歩いたところにあったマルナカというスーパーの食堂に入ってしまった。
まったく今日はろくろく歩いていないのに立ち止まることが多い。

昼食後20分ほどでようやく28番大日寺に着いた。

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1巡目のときも雨だった。
あの時はここで区切って高知駅まで出るバスを待っていたのだが、待てど暮らせどバスは来なかった。
そんな私を見るに見かねて、野市まで車に乗せてくれた人のことを思い出す。

止みそうで止まない雨の中を29番に向かって歩く。

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物部川を過ぎると雨は幾分か止んできた。
ずっと続く田畑の中を道しるべに導かれ歩く歩く歩く。
右手に見える遠くの山は靄をまとい水墨画を見ているようだ。
振り返ると、物部川を挟んで向こうの山の中腹に28番大日寺が見える。
戸板島橋を渡るために大回りをしてきたことがわかる。

鼻をつく臭いにきょろきょろ見渡すとハウスの中にはびっしりとニラが栽培されていた。
私はニラが好きである。
であるが、猛烈な臭いに閉口した。
ハウスの中は窒息するのではないかと思ったほどだ。
帰宅後、いつも買うニラの袋を見たら土佐山田のニラと書かれていた。
ここのニラをいつも食べていたことを初めて知った。

ある遍路小屋に2:00ちょっと前に着いた。
(1時間後に気づいたのだが、地図の読み間違えだった。本当はJR沿いの遍路小屋より900mほど手前の新しい遍路小屋で休憩したのだった)

休憩しながら30番を打つのは無理だということは容易にわかった。
あと1時間ほどで29番を打てるが、JRから離れていくことが嫌だった。
自分でも驚くほど怠け遍路になっていた。
結局は先月に捻挫をした右足の違和感が私にブレーキをかけた。

早合点をして完全に地図を読み違えていた私は、御免駅に向かうはずが、御免町駅と立田駅の真ん中に向かっていた。
尋ねる家もなく、仕方なしに葬儀場に入って道を尋ねた。

「バスは通っていますか」
「いつ来るかわからんほど来ん」

ごめん・なはり線に沿って国道364号を立田駅に向かう途中、これは事前に調べておいたバス路線のような気がした。
本来乗ろうと思った1本前(1時間半前)のバスが通るのではないかという予想が的中した。
3:31立田駅前からバスに乗って、3:40『龍馬の湯』前で降りた。
真面目に歩いておれば29番を当に打っていたが後の祭り。
冷静さを失い正しく判断できなかった自分に苦笑した。
だからお遍路は面白い・・・と負け惜しみだが偉そうに言ってみたくなる。

       ************

そんなこんなの疲れのなか『龍馬の湯』はいい湯だった。
施設も長時間休憩するにはよかった。
しかし風呂上りに瀕死状態の左足小指をまたしたたか体重計にぶつけた。
飛び上がる痛さだった。
体重なんかなんで量ったのかと悔やんだ。
もう爪は生きてはいまいと思った。

2階で8時半まで毛布を借りて寝転んでいた。
左足の小指にとどめを刺さなかったら、もう一度温泉に浸かるつもりだったが残念なことにできなかった。

8:59野市から電車に乗り、9:35高知駅に出て、10:20発の夜行バスに乗って名古屋に帰った。

何だか今回は最後の最後に痛い思いをしたお遍路だった。
これは何を暗示しているのだろう。

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