2011北アルプス(ジャンダルム)④

平成23年9月13日(火)[E:sun]/[E:cloud] 後半Cimg0388
ジャンダルムに登頂したのは11:00ちょうどだった。岳沢小屋から5時間弱(休憩含む)。

 

あいにくガスがかかり景色はイマイチ。奥にデンと構えるのが奥穂高岳で、その左下に小さく見える赤い屋根が穂高岳山荘。そして右端に写るのがロバの耳。

風もなく天気は良かったので頂上で30分ほど休憩。ジャンダルムから360度の景色へ

登頂を果たし嬉しかったが、来てしまえばあっけないものだった。それはちょうどお遍路で結願したときのような感じに似ていた。

 

下山開始。

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左)11:30ジャンダルム降り始めの様子。
右)降りたらジャンダルムの信州側をトラバース(スリルがあった)してどんどん降る。(ガイド撮影)

 

 

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左)11:48ロバの耳の根元からジャンダルムを見る
右)11:53ガイドが下降ザイル確保の準備を始める。

 

 

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左)12:06 2人目がザイル確保で下降(飛騨側に降りる)
右)12:14 4人目の下降を下から撮る。 (全員下降所要時間は30分)

 

2009年9月、遭難者を救助する岐阜県警のヘリコプターが墜落炎上したのは、このあたりだった。その残骸が今でも谷に少し残っており痛々しかった。

 

 

Cimg0403 ザイルを外し自由の身となり、ロバの耳の飛騨側をトラバース(鎖あり)する。スリル満点。それからに向ってを急降下する。それからをたどってテッペン(名前はない)を目指す。この核心部はスリル満点だった。でも慎重に行けば大丈夫。

客の安全を考えるとガイドが一番ヒヤヒヤしたところではないだろうか。奥穂はまだその向こう。まだまだ遠かった。

 

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12:55ひとつ上の写真のてっぺんの赤丸に着。ザイル下降地点から小一時間かかった。
時折切れるガスで辛うじて奥穂が望める。あともう少しで奥穂に着いてしまうのが残念な気持ちだった。もっとこの稜線を味わって居たかった。 

 

Cimg0411 先行した登山者が核心部最後の馬の背を登っているのが見えた。馬の背を登り終えた登山者(赤丸)も見える。

さて、いつまで待ってもガスは晴れないので馬の背に向かう。

この先で私はつまずいて転んだ。平らなところだったので幸いだったが。

 

 

Cimg0411225104182sそして最終の核心部「馬の背」を登る。こんな感じで登った。ガイド撮影。

両脇がスパッと切れ、馬の背とは名前の通りでこれまたスリル満点。ホールドはしっかりしているので怖くはない。そうそう来れるところでないので左右をよく見ておいた。そしてここの降りはどんな感じなのかも振り向いて見ておいた。

 

 

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1:35無事奥穂高に着。岳沢小屋からここまで7時間強の行程は楽しかった。
ご覧のとおりガスガスで真っ白。西穂側も上高地も何も見えない。ここまでの縦走路を眺めるつもりだったがそれは叶わなかった。

2:00穂高岳山荘に向けて下山開始。本来なら涸沢岳や北穂高岳を見ながらの下山だが
真っ白で何も見えない。そんななかをとぼとぼと降った。

 

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ようやく小屋の屋根が見えたときはずいぶん下に来ていた。
2:30穂高岳山荘着。

夕食まで仲間とワイワイ今日の話で盛り上がった。

 

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5:00夕食開始。平日だというのに大勢の登山者がいたのには驚いた。

 
 

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夕食後、小屋裏の白出からジャンダルムを見た。あそこに立ったのだと感慨深く眺める。

 

Cimg0442 稜線から見る一日遅れの中秋の名月は美しかった。雲海は月夜に照らされ幻想的。この景色を追い求めて私はまた山に登るのだろう。

 

          出発地  : 岳沢小屋    2170m   6:10発 
          到着地  : 穂高岳山荘    2996m      2:30着
          標高差  : A 1109m              3時間49分
                  D   279m                1時間  3分 
          行動時間:                                 8時間30分
          ピーク  : 3190m奥穂高岳  

                                     つづく

2011北アルプス(ジャンダルム)③

平成23年9月13日(火)[E:sun]/[E:cloud] 前半

ちょっと寒くて夜中に目が覚めたが、朝までぐっすり眠れた。

Cimg0350奥に4人、手前の入り口側に3人。私は手前の入口側で寝たので寒かったのかも。昨年再建されただけあって寝具も部屋も綺麗。定員11の部屋で7人だったので快適だった。

窓から見えるのは西穂方面。この日はダメだったが天気が良ければ乗鞍岳が遠望できる。

 

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5:25天狗岳と間ノ岳が小屋の背後に聳え立つ。
右手の黄色が小屋が用意した宿泊用テントで、突き当りの茶色の小屋が3部屋しかない宿泊棟。1段下の赤い屋根は食堂棟。そのまた1段下がトイレ。各棟はつながっていないので雨の日の移動は大変だろうと思われる。プレハブの宿泊棟は雪崩倒壊予防で冬期は畳む。

 

 

Cimg03566:10岳沢小屋を出発。ヘリポートを抜けアザミやトリカブトが咲くお花畑を行く。ここはサラシナショウマが群生するらしい。 又の機会はその頃にしたいものだ。

 

小屋から1時間ほど登ると・・・・

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ザレザレになってきた。が、もっと大変なところだと想像していたので不安はなかった。浮石の急登なのでゆっくり登る。(降りは難儀でしょう、多分、いや絶対)

 

 

振り向けば遠くに[E:fuji]富士山が望めた。私はこうやって立ち止まってはアチコチ眺めるのが好きだ。それをしていてたら列が途切れガイドから注意を受ける。そんなに列を乱したつもりはなかったのだが。ツアーは勝手にあちこち眺めてはいけなかった。一応従おうとするのだがすぐに忘れてガイドを困らせた。ツアーに慣れていない私の歩き方は全くダメだった。ショーガナイヤツダ的なガイドの目線にビクビクしながら歩いた。 

 

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8:50天狗のコルに着。以前はここに避難小屋があったそうで石積みの名残があった。材料の石は豊富にあるが、畳岩の斜面を上手く利用して作られていたのには感心した。今でもここはビバークポイントとして利用されているらしい。(水なし・壁なし)

 

天狗のコルで休憩しながら、ガイドよりこの先の注意点を聞く。カメラ禁止令も出された。ふてくされ気味で仕方なくついていく。もとい!連れていってもらった、が正しい。

 

 

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9:10天狗のコルから奥穂に向けて出発。そのとき天狗岳から登山者がひとり、必死の形相で降りてきた(写真左端の黒い影)。なるほどほぼ垂直壁で大変そうだ。
残念なことに笠ヶ岳は雲に隠れていた。

 

延々と畳岩を登った。

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こんな感じで岩を掴んで登った。丁寧に登らないとガイドから注意が飛ぶ。(ガイド撮影)

 

Cimg037133ffc507dsこの写真もガイドが撮ったのでどこかわからないが、左側の白いザレは天狗沢だと思うので畳岩を登っているところだと思う。とにかく3点確保でひたすら登る登る。

 

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9:30振り向くと天狗岳が見えた。数人立っている場所がピークのようだ。ガイドの目を盗みこっそりパチリ。あぁ~あっちもいつか行くぞ~と見とれているとガイドから注意が!ゆっくり見ていたのがダメだった。ツアーに付いていくのはムツカシイ。

 

 

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9:40ここが天狗の頭なのか?両方がスパット切れていた。ここの通過は、私はきっとビビるだろうと思っていたが意外や意外、それほどの恐怖はなく大丈夫だった。これはガイドの了解を得て後続を撮影した。このころからガスが湧き出す。

 

 

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これもコッソリ撮影だが、どこを登っているのか全くわからない。地図を見たら注意を受ける。もっともガイド付きなんだから地図など見る必要ないということだろうが・・・。ショボンだ。みなお利口さんばかりで、私ひとりが不真面目な客だった。

 

 

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10:30休憩。写真撮影許可あり。雲の中から頭を出した笠ヶ岳。やっぱり笠ヶ岳は美しい。
荷揚げのヘリコプターなのか、この日はこの谷を北に向って何機も飛んでいた。しかし南下するヘリコプターはこの谷で見かけなかったので、きっと一方通行なのだと勝手に想像した。

 

 

D615d605sコブノ頭を登る。(ガイド撮影) 登りなので余程のことがない限り滑落はないが、這い上がるのもこれまた大変だった。

 

すると・・・・・

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10:45ついにコブノ頭に到着した。ガイドがジャンダルムだというそれはあまり格好がいいものでなかった。西穂側から見るジャンダルムは実にカッコワルカッタ。撮影許可が出たので奥穂とロバの耳のスリーショットを。

 

それにしても、このコブノ頭にビバーク跡(テント最適地)が数カ所あったのには驚いた。それらは頻繁に使われているようだった。水場はないけれどビバークという名目でテントを張るヤツが結構いるということだ。決して良いことではないけれど・・・・天気さえ良かったら・・・・いいだろうな・・・・と、ちょっと思った。本谷右俣にも、北穂池にも、奥又白池にもあったのと同じだと思う。

 

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それがそのコブノ頭。(ジャンダルム頂上から撮影)

 

 

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遠くに槍ヶ岳の頭だけが見えた。ズーム撮影したら槍から手前の稜線が手に取るようにわかりしみじみ穂高はいいなぁと思った。

 

 

さて、コブノ頭を降ってジャンダルムに取り付く。

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振り向くと後続がコブノ頭を降る所が見えた。すれ違い待ちの間に撮影。

 

ところが、ジャンダルムの頂上にあと数歩というところで足がツリそうになった。マジヤバイと思った。ガイドの指示に従わない不真面目だったツケがここで? ゴメンナサイゴメンナサイと唱えながら最後はスローモーションのごとくゆっくり登って事無きを得た。とうとう登頂を果たしたのだった。

 

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ジャンダルムまではひたすら登りなので危険なところはそんなにありません。
ここからです、核心部は。

さてこの先どうなりますやら。

                                      つづく

 

 

 

2011北アルプス(ジャンダルム)②

平成23年9月12日(月)[E:sun]/[E:cloud]

そんな具合で北アルプスに向かった。

 

ガイド運転の[E:rvcar]は、5人(男2+女3)の参加者を乗せ、名古屋駅前を7:15に出発した。
東海北陸自動車道→高山市→平湯に10:00着。平湯でタクシーに乗り換え上高地に入ったのは10:50だった。

Cimg0315河童橋から今まで漠然と眺めていた畳岩~ジャンダルムをじっと見つめる。
今回の核心部をズームアップする(上記写真)とリアルに見えてくる。あぁ~あそこを行くのだと思うと嬉しくてゾクゾクした。

 

今日の行程は、岳沢にある岳沢小屋(2170)まで。河童橋を渡り梓川右岸をしばらく行くと岳沢登山口がある。11:45登り始める。

 

今日はじめて会った他4人とは、車中ではぎこちなかったけれど、共通の趣味・目的を持つ集まりだけあって、歩き始めればすぐに打ち解けた。みんないい人だった。

 

   Cimg0326   Cimg0318

左)ノコンギク(野紺菊)キク科  色がとても綺麗で目をひき
右)アキノキリンソウの花道を軽快に歩いた。

 

 

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2:30小屋見峠まで来ると明日取り付く天狗沢~天狗のコルが遠望できた。明日はアソコを登るのだ。ザレザレだなぁと眺める。(中央に小さいが雪渓あがある所を登って行きコルを目指す)

 

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2:37岳沢小屋(旧岳沢ヒュッテ跡地)に着。 

 

岳沢ヒュッテは2006年の豪雪による雪崩で壊滅した。皮肉にも同年オーナーが亡くなり岳沢に拠点がなくなったが、2010岳沢小屋として再建された。

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豆をひいて淹れてくれるというバリアラビカというコーヒーを注文しテラスで飲んだ。香りも味も私好みだ。穂高の山々に囲まれて幸せに浸る。

 

 

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前穂高岳を眺め(今回は前穂には登らない)

 

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西穂高岳の稜線を眺め、改めて岳沢の良さを発見した。(小屋の写真を拝借)

 

実は2002年、旧岳沢ヒュッテに泊って前穂~奥穂へと縦走している。
その時、この天狗沢をつめて稜線にあがるバリエーションルートがあるという話を聞いた。初心者の自分には関係ないとその時は思ったが、なぜかその話をずっと覚えていた。岳沢小屋が再建されてからは思いが募り、今回の決行に至ったというわけである。

 

 

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それを確かめに、ヘリポートから少し上がったところまで行って、明日登る天狗沢をじっと見つめた。
「とうとう来たのかい?どうだい?素晴らしいだろ?」と天狗岳が私を誘っているように感じた。
コルまで3時間。漠然と眺めていた2002年とは違った想いでそれを見つめた。

 

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というわけで、明日のルートは上記写真の通りで、奥穂まで行き穂高岳山荘に降りる予定。

 

当小屋が再建されたことにより小屋⇔奥穂⇔前穂⇔小屋と周回する人や涸沢or奥穂⇔前穂⇔小屋と縦走する登山者が復活しだした。どちらも健脚ルートなのでアクシデントが起こると当小屋到着が遅くなる。

この日も夕食ころに到着したパーティーがあった。小屋番はイライラした対応のように見受けられたが山小屋の使命として受け入れていた。まだ再建途中のこの小屋は定員30名の小さい小屋なので、終いにはテント泊(小屋のテント)で受け入れる体制だ。(予約制なので予約者の最低限の確保をしている)テントでも寝せてもらえるだけありがたいと思わなければいけない。自分も無理な計画を立てがちなので反省させられる光景だった。

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5:30夕食。あとは何もすることがないので歯を磨いて(水は豊富)寝る支度をする。

 

7時ころだったか布団に横になり、明日の稜線のことを考えた。どれだけ怖いのだろう?・・・しかし前夜寝るのが遅かったからコトンと眠りについてしまった。

明日のおさらいもせず寝てしまって・・・果たして天狗沢はどれだけ大変でしょ~か。  

                                         つづく

 

          出発地  : 上高地河童橋 1500m 11:23発 
          到着地  : 岳沢小屋泉   2170m  2:37着
          標高差  : A 642m             2時間11分
                  D   5m                         2分 
          行動時間:                               3時間14分

 

2011北アルプス(ジャンダルム)①

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ジャンダルムgens d’armes フランス語で憲兵。転じて前衛峰の意)は、奥穂高岳の西西南にあるドーム型の岩稜で標高は3,163m。 ・・・・・ウィキペディア抜粋

 

 

 

あれは2002年夏だった。
初めて登頂した奥穂高岳(岳沢~前穂~)からジャンダルムを見た。

そのテッペンで豆粒のようなものが動くので目を凝らすと、なんと人が立っていたのには驚いたものだ。そのころの私はそこがバリエーションルートだということも知らず、ただカッコイイナと眺めた記憶だ。

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そして翌年。
2回目奥穂に登頂(涸沢~)したとき、どうやら奥穂⇔西穂のルートがあることがわかったが、どう見てもそこは[E:danger][E:danger][E:danger]自分が行ける所ではなかった。

 

 

ジャンダルムは槍ヶ岳のように、どこからでもわかる山容ではないが、穂高の稜線をたどればそれだとわかる。笠ヶ岳、奥丸山、黒部五郎岳、三俣蓮華岳、双六岳、大天井岳、北穂高岳、涸沢岳、西穂高岳から見つけては「行きたいなぁ~」と思うようになっていった。河童橋からも探せばわかる。 

29                                上高地HPより

 

山をやる多くの者が憧れるように、私もそうなっていった。アルプス中毒になっていったのである。

 

西穂~奥穂縦走は、それなりの経験と技術(もちろん天候と体力が重要)がいるが、慎重に行けば私でも行けるのでは?とだんだん思うようになっていった。

しかし相棒がいなくて西穂高岳から先のジャンダルムへは2006年から足止めをくっていたのだった。ソロで行くほど技術も勇気もなく、個人ガイドを考えたがずっとアンザイレン(安全確保のためにロープを結び合う行為)だそうな。ルートファインディングや自由自在がないそれは生意気だが嫌だった。

 

『山は逃げていかないが体力は低下する』
自分には関係ないと思っていたのだが、気がつけば・・・体力の低下は否めない。せっかくだものヘロヘロで縦走するのではなく、体力があるうちにやっておきたい。

 

そんな思いから、本意ではないがツアー(アンザイレンではない)に申し込んだ。今年の1月のことだった。

 

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しかしそのツアー(9/1~)はノロノロ台風12号で中止となり、順延日もとても行けそうになく泣く泣く諦めることになった[E:shock] 諦め切れずしばらく立ち直れなかった。

 

鼻先に人参(ジャンダルム)をぶらさげ、半ば強引に仕事や家庭のことをやりくりするも空回りばかりで、諦める・諦め切れないを繰り返す。それでも何とか片付け、ダメモトで出発3日前にツアー会社に問い合わせてみた。

 

幸か不幸か空いていたので滑り込むことができた。が、出発前からグッタリ。
中止から再参加を申し込むまでの1週間の葛藤状態は非常に苦しいものだった。

 

20090816105407a5ds

                                     つづく

台風12号

今日(9/1)から予定していた山行は、[E:typhoon]台風12号で中止となりました。

・・・・がっかり。 

 

個人山行でなく、珍しくツアーに申し込んだのでオジャンです。
ニックキ台風12号め! です。

 
 

 

ところでどこに行く予定だったの?

ヒミツ!

北アルプスでしょ?

それも教えない!

山は逃げていかないよ。

うるさ~い!

 
  

あぁぁぁ・・・・行きたかったよ~悲しいよ~

。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。 

 

快速そよ風トレイン117

平成23年8月21日(日)[E:cloud]/[E:rain]

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女友達[E:one]・[E:two]と「そよ風トレイン117」という電車に乗って日帰りの旅に行ってきました。
 

旅といっても山ではありません。世間一般でいう旅行ってやつです。
夏休み土・日・祝のみ限定の「JR飯田線の旅・湯谷温泉で昼食&入浴」という旅行会社ののんびり旅行に参加。

 

山友には、ハンドバック持って行くの?とからかわれるが、社会勉強としてたま~に行くんです、こういうのにも。珍しいことすると雨が降るといいますが・・・・やっぱり[E:rain]になりました。
[E:one]・[E:two]よ、ごめんねごめんね~

 

 

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JR豊橋駅から8:58発の快速そよ風トレイン117の特別列車に乗る。

 

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全車指定席です。夏休みだから、さぞかし満員なんだろうと思ったら・・・・
3号車はガラガラでした。おじいさんに連れられたボクと家族連れがポツリポツリ。

 

 

指定席に行くと鉄男クン(中学生?)がひとり座ってる。全指定席なので我々3人と一緒にされたようです。こんなにガラガラなのに、JRよ満席になると思ったのかい?
真面目そうな鉄男クンは我々おばさん3人と一緒に出発進行!と相なった。

 

006ボックスシートと聞いたので、デラックス~!と期待してたんだけど、えっ!座席の背もたれをはずしてテーブルをしつらえたナンチャッテボックスシートですかい。

テーブルが大きいのでトイメンとのおしゃべりはしずらい。ガタンゴーガタンゴーにかき消されないように大声張り上げるおばさん3人組。その仲間入りさせられ大声出す鉄男クンの声は時々裏返るは、まぁなんとも面白い組み合わせでした。

 

「ウィンディスペース」なる場所に移動。 

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ここは自由に利用できる場所で、柵がしてある乗降扉部分は開いたままで走る。
車窓を流れる景色に向って横一列でおしゃべりした。

 

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湯谷温泉に降りたら雨だった。下車したのは我々3人と、4~5人のご婦人グループだけ。もっとワンサカ集まるプランだと思ったらちょっと違った。「昼食&入浴」の宿を目指す。

 

ウエルカム抹茶をいただく。我々が来なかったら開店休業のような宿で拍子抜けだったが、うるさいよりいいと思うことにする。

 

すぐに温泉に入れるのかと思ったら待たされた。そよ風トレイン117の到着時間に間に合わせないとはアキレル。これでは、このプランにお客がワンサカ集まるはずがない。

 

[E:spa]は我々3人貸切状態でこれはよかった。川 を見下ろす高台に露天風呂はあり爽快。対岸に目をやると大木に鳶がじっと雨宿りしていた。2羽3羽・・・・・すぐに目が慣れてきて、ざっと20羽は見てとれた。それを見たさに[E:two]はわざわざメガネを取りに行く。アソコ!アソコにも!女3人裸ではしゃいだ。

 

 

お風呂上りに事件は起きたのだった。
[E:one]が頭を押さえ、神妙な格好でトイレから戻った。
「痛い!血が出た!」と泣きそうな声。話を聞いてやると、トイレで頭を打ったという。(大量出血でなかったのが幸い)髪をかき分けて見るとちょっと切れていた。

 

落とし紙 替えてまさかが起こりけり 友の痛みが旅の思い出

 

この駄句で何が起きたか想像してください。

 

 

フロントで消毒してもらった。まったくついてない旅になった。

 

 

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お詫びにと烏龍茶がだされたが、なんか腑に落ちない女3人はぶつぶつ・・・。
露天風呂から見た景色「ウォーリー(鳶)を探せ」はもう見飽きたし。

 

T02200293_02400320112238556741 すると空一面にウォーリーいや鳶が舞いだした。なんでも隣の部屋の客が餌を与えたとか。お腹が満たされ、鳶の舞で、だんだん[E:one]の事件は忘れていった。が、今思えば事件を忘れさせる宿の策略だったかも?

 

 

[E:one]の怪我が落ち着いたので散策に出た。運良く雨も上がってきた。

 

009しかし観光客がいない温泉街だこと。静かなところは私好みだが、ここで半日滞在するには無理がある。川面の靄をぼんやり眺めながらおしゃべりに興じる。

 

じきにまた雨が落ちてきた。喫茶店でコーヒーでもと思ったが喫茶店があるようなところでない。あっても誰が来るだろう。いるのはじっと潜んでいる鳶だけ。今では鳶の餌付けを売りにしているような中途半端なすたれ具合が妙に寂しく思えた。

 

 

不完全燃焼ぎみで、帰路のそよ風トレイン117に乗る。
このまま帰るには忍びない。豊川駅で下車し、豊川稲荷を詣でることにした。

 

012
豊川駅前から参道に入ると、昭和の面影が残る街だった。お正月には参詣者で大渋滞する商店街も今日は雨だからか閑散としている。

 

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狐塚に向かう頃には、雷がなり雨脚も強くなる。ゴロゴロー[E:thunder] ゴロゴロー[E:thunder] 傘を掴む手に力が入る。

 

013 狐は雨に濡れ黒光りしていた。狐に雷。どちらも不気味です。

 

 

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お札を求めて豊川稲荷をあとにする。雨と汗で全身ぐしゃぐしゃだった。

 

 

門前の喫茶店に入って熱いコーヒーを頼んだ。私好みの写真がたくさん飾ってあり、コーヒーができるまで眺める。流行っていそうには見えないが、豊川稲荷の行事のときは大繁盛する店に違いない。各地からこの年老いたママを訪ねてくる客も少なくないだろ。そんな昭和の面影を残す喫茶店だった。

 

 

幸い[E:one]の怪我は大したことなくて、まぁまぁの旅でした。
それにしてもたくさんおしゃべりしました。[E:one]・[E:two]よ、ありがとね~。 これにておしまい。