入山届
台風12号
今日(9/1)から予定していた山行は、[E:typhoon]台風12号で中止となりました。
・・・・がっかり。
個人山行でなく、珍しくツアーに申し込んだのでオジャンです。
ニックキ台風12号め! です。
ところでどこに行く予定だったの?
ヒミツ!
北アルプスでしょ?
それも教えない!
山は逃げていかないよ。
うるさ~い!
あぁぁぁ・・・・行きたかったよ~悲しいよ~
。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。
2011北アルプス夏山縦走(タロウ~ゴロウ)⑤
平成23年7月18日(月)[E:sun] 4日目
4:33 闇の世界が真っ赤に燃えだす。我々の生きる力になるこのエネルギーを目の当たりにし身震いを覚える。
4:45 朝食(早いもの順で並ぶシステム)
5:30 双六小屋2600出発
あれだけ赤く燃えた空は、何事もなかったような味気ないものになっていた。
昨日登った樅沢岳↑。

テント場を横切って行く。 コイワカガミ(イワウメ科)草丈10

コケモモ(ツツジ科)草丈10秋に赤い実になる クロユリ(ユリ科)草丈20

シナノキンバイ(キンポウゲ科) ベニバナイチゴ(バラ科)花2~3㎝程 果実食用可
ヨツバシオガマ(ゴマノハグサ科)草丈20 アオノツガザクラ(ツツジ科)草丈10~20
コバイケイソウと槍ヶ岳 コバイケイソウとシナノキンバイのお花畑

7:43鏡平小屋2300に着 ここに来たら食べたいもの。それは・・・・
かき氷500円なり。お世辞をいったら練乳(+50円)をサービスしてくれた[E:scissors]
ちょうどAが到着したので、「ウインクしたら練乳をサービスしてくれるよ」とそそのかす。が、Aはいっこうに買いに行く気配がない。それより私のそれを欲しそうにジロジロ見るので仕方無く少し分けてやる。喜びはプラマイゼロになってしまった。
8:03
鏡池2300に映る逆さ槍穂高。紅葉時は素晴らしいと聞く。一度はここに泊まってゆっくりしたい。年をとったらそうしよう。
双六小屋2600~鏡平小屋2300 2時間15分(CT1時間50分)

オオバミゾホウズキ(ゴマノハグサ科) キヌガサソウ(ユリ科)花直径6~7㎝
9:36秩父小沢でしばし休憩。熱い体に水しぶきが気持ちいい。
10:35小池新道登山口に着。氷を食べたり、鏡池と秩父小沢でまったりしたのに、コースタイム通りで降りたとは、私もまだまだイケルと喜ぶ。
鏡平小屋2300~小池新道口1500 2時間20分(CT2:20)
この蒲田川が昨日登った[E:fuji]樅沢岳からの流れである。
しばらく歩いて[E:event]わさび平小屋でコーヒーを飲んで休憩する。Aはそうめんを注文。
あとはこの川に沿って新穂高まであと1時間ほど。単調な道なのでゲートまでごぼう抜きで歩く。

11:46 オオヤマレンゲ。少し黄ばんでいるので新しくないようだが山で初めて見たので嬉しい。左側の中崎尾根から、時折ひんやり涼しい風が流れてくる。これは気持がいいものだった。
12:20 ゲート1100着。ニューホタカで入浴する約束をしたのでしばらくAを待つ。
ニューホタカの日帰り湯は満員だった。さてそれでも入るか迷っていたら、昨年よくしてくださったご主人が特別に[E:spa]貸切露天風呂をすすめてくれた。さっそく案内してもらう。

ご主人について森の中に降りていく。橋を渡った先の小屋が脱衣場らしい。

シャワー設備はないが趣があった。しかも横に蒲田川が流れていたのには大いに喜んだ。
ご主人が戻ったかも確かめもせず、ワーワーキャーキャー、その辺に服を脱ぎ捨て4日ぶりの湯にドボ~ン。Aと二人きりで最高だった。ちなみに1人500円。よかったよ~。
折立までタクシーに乗せてくれたおじさんに始まり、最後には幸運にも特別な露天風呂をすすめてもらえ、天気に恵まれ幸せ満点の山行になった。
出発地 : 双六小屋 2600m 5:30発
到着地 : 新穂高温泉 1100m 12:20着
標高差 : A 250m 38分
D1575m 3時間38分
行動時間: 6時間43分
13:46 新穂高発高山行きバスに乗車 2100円
15:28 高山駅着
15:35 JR高山駅発 5360円
18:02 名古屋駅着
長い長い山行記に最後までお付き合いありがとうございました。おしまい[E:paper]
2011北アルプス夏山縦走(タロウ~ゴロウ)④
平成23年7月17日(日)[E:sun] 3日目
4:30 朝食(1回目でした)
5:30 [E:event]黒部五郎小舎2350出発
笠ヶ岳がこんな近くに見えたのには驚き。
コバイケイソウが咲くテント場に続く小道は私を釘付けにした。
なんとも静かないいテン場だこと。
なぜもっと元気なうちに、テント担いでここに来なかったのだろうと思った。あ~あ。
小屋泊の楽ちんさを覚えてしまい、今ではもう重いテント担ぐ自信がない。
山ガールもテント担ぐウサギも、もう無理・・・ショボン
2009(H21)笠ヶ岳から抜戸岳に向かう途中で、黒部五郎小舎を見たことを思い出す。
それがこれ↘
2年前に見た景色↗の中にいる自分を想像して遊ぶ。改めて見るとなかなかいい写真。

朝からいきなり標高150mほどを直登。たまに巻き道があるのでそっちへ。
しばらくすると樹林の隙間から五郎が見えるようになる。

うんとこどっこいしょ。樹林帯を抜けると右手にどっしりとした山容の笠↑が現れ・・・
左手には五郎が両腕を広げている↑ 立ち止まらずにおられましょうか。

五郎よ。もう一度そのたくましい両腕に抱かれたい。あぁ、もう一度・・・・しばし自己陶酔。
(こんなたわごと目障りでしょうから、字を小さくしときました。)
雲ノ平は黒部川を挟んだ対岸なのだが、ひょいと行けてしまいそうなぐらい近く感じる。(直線距離で4㎞弱。)
昨年9月、天気が悪くて双六で引返したので雲ノ平は未踏の地。新穂高から2日、下山に2日。高天原経由を考えているので、最低でも4日を要する。出なおすとなるととても遠いところだ。そんなことを考えながら、ずっと北に目をやり裏剣のことも思う。

ミヤマダイコンソウ(バラ科)草丈10~30 タカネヤハズハハコ(キク科)草丈10~20
山友Aに、たわいもないことを話しかけたら、とても機嫌悪い返事。3日目ともなると疲れるし、関係もギクシャクしてくるのは確かなこと。触らぬ神に祟りなしで私はペースを上げAと間をあけた。
8:26 [E:fuji]三俣蓮華岳2841に着↑ 2004年以来の登頂。今回も360度の景色が素晴らしい。
[E:event]黒部五郎小舎2350から[E:fuji]三俣蓮華岳2841まで2時間50分(CT2時間20分)
三俣蓮華岳の北は富山県、東は長野県、南は岐阜県と3県をまたいで(三俣)いる。

東の長野県側には北アルプスのランドマーク槍↑がデンと構えている。穂高稜線の岩稜帯は要塞のようで圧巻。
右)鷲羽岳~野口五郎岳~白馬の稜線が長野と富山の県境。
ということは水晶岳~赤牛は富山県の山なんだ。(←よくわかる地図)
三俣山荘は箱庭のようだ。

西の遥か彼方に見えるのは日本海↑(富山湾)だと思う。写真には写っていないが五郎岳の左後に白山が小さく見えた。
北ノ俣岳~黒部五郎岳~ここ(三俣蓮華岳)までが富山と岐阜の県境。ちなみ太郎平~黒部五郎岳~三俣蓮華岳はダイヤモンドコースというそうだ。
景色を堪能していると息を切らしたAがやってきた。ずいぶん疲れている様子なので大休憩(45分間)する。少しお昼寝もした。
9:15 三俣蓮華岳から双六岳↑に向かう。ここからは長野と岐阜の県境歩きになる。

今日の目的地は双六小屋だが、昼に到着してしまうので樅沢岳(モミサワ)↑をピストンする。
穂高稜線、槍ヶ岳の西鎌尾根~北鎌尾根、大天井岳~常念岳を眺めながら南下していった。
蓮華谷を挟んで今朝登ったルートをじっと見つめていると、アル中([E:beer]ではありません)がふつふつしてきて気持が高揚する。限りなく続く稜線の点(ピーク)と点をつなぐ遊びはやめられない。
ハクサンチドリ(ラン科)草丈20前後 コバイケイソウ(ユリ科)草丈50~100
このあたりは、お花が豊富だった。クロユリもあった。
Aはしきりにカメラを向けている。付き合いきれないので私はAを置いてきぼりにして先を歩いた。
しばらく行くとライチョウの親子に出会う。3羽のヒナを連れていた。[E:chick]あっち[E:chick]こっち[E:chick]勝手に散らばるヒナを天敵から守ろうと親はテンテコマイしてた。
あとで知ったのだが、ちょうどこの頃ヒナが産まれ、勝手に動き回る子らの面倒をみる親は猛烈に忙しい時期だそうだ。小屋近くだと人間がいるのでまだいいが、小屋から遠い登山道では全滅することが多いらしい。可愛く見えるオコジョも天敵だ。
あとから来たAはライチョウを見なかったいう。ちょっと自慢気に話したら、Aは非常に残念がった。見た、見られなかったは日頃の行いのなせる技?


10:36[E:fuji]双六岳2860着。 眺望の良さは申し分ない。


左)頂上近くはだらっとした台地になっている。槍ヶ岳3180との標高差は320m
右)今度はアソコに行きたいなぁと目星をつける。
[E:fuji]三俣蓮華岳2841~[E:fuji]双六岳2860まで1時間20分(CT1時間)
双六は裏銀座コースも通るジャンクションなので、登山客がワンサカ。昨日まで静かな山奥にいたのでちょっとうるさくもある。
今日は時間がたっぷりあるので、山ガール山ボーイなど人間観察なんかして45分も頂上で過した。
11:25
双六岳下山開始。この先、槍まで行けたら最高なんだけど。
だらっとした台地が終わると進行方向を鷲羽に向ける。雪渓横は足場が悪かったので、後続のAを待って安全に降った。やがて中道や巻道が合流し樹林帯に入っていく。登ってくる人に道を譲りながら双六小屋に降りた。
12:15[E:event]双六小屋2600着。小屋前は多くの登山客で溢れていた。湯を沸かしカップラーメンを食べる。
12:50小屋前にザックを置いて、空身で樅沢岳(モミサワ)2755へ。少しでも穂高に近づこうというわけだ。
樅沢岳から見る笠ヶ岳は、すっかり姿を変えていた。 ハクサンイチゲと笠ヶ岳。


1:20[E:fuji]樅沢岳2755着。
穂高がさらに近くなり、そのまま西鎌尾根を行きたい心境になる。明日には帰らなければならず、なんとも残念無念。明日は鏡平小屋経由で下山。1時間近く樅沢岳で過した。
ちなみに樅沢岳は新穂高温泉を流れる蒲田川の左俣源流域になる。
3時ころ[E:event]双六小屋に着き、宿泊手続きをする。
入口に近い4人部屋だった。じきにワンサカ宿泊客が到着し、兵庫からの若い女子2人と同室となる。
夕食は昨日の黒部五郎小舎と同じく天ぷらだった。大勢の人と食べた。
名古屋弁丸出しでしゃべるAに隣のご夫婦から、「どちらから?」と声がかかる。Aが「名古屋からだがねぇ」と答えると「NHK大河ドラマ『江』の秀吉のお母さんと本当に同じしゃべり方ですね」と言われ大爆笑。先週の『江』の話題で盛り上がる。Aは『江』を見ていないので会話に入れず静かにしていたのでやれやれ。
部屋に戻ったら、兵庫の女子にも「どちらから?」と聞かれ、もちろん秀吉の母親の話になり江の話になった。この北アルプスで、Aの名古屋弁から『江』の話に花が咲くとは思わなかった。さすが全国区のNHK大河ドラマだけある。
TPOかまわず頑固にも名古屋弁を貫き通すA。名古屋市長の河村たかしもしかり。バイリンガルになれとはいわないが、標準語を使ってみやぁ~!モトイ。使いなさ~い!
そう思う晩だった。
出発地 : 黒部五郎小舎 2350m 5:30発
到着地 : 双六小屋 2600m 2:50着
標高差 : A 950m 2時間55分
D 687m 1時間46分
行動時間: 7時間30分
2011北アルプス夏山縦走(タロウ~ゴロウ)③
平成23年7月16日(土)[E:sun] 2日目
5:00 朝食
6:00 [E:event]太郎平小屋(標高2330m)スタート。

太郎山2373、北ノ俣岳2661、赤木岳2622、黒部五郎岳2839を越え、カールに降り、黒部五郎小舎2350までのロングコース。アップダウンを5~6回ほど繰り返しながら南下する。
あの遠くに見える↑黒部五郎岳までのコースタイムは5時間。さらに2時間降って黒部五郎小舎へ。あちこち眺めるから9時間前後で着けば上等かな?
のんびり行きましょ、レッツラゴー!(フルッ!)
まずは小屋の裏の太郎山2373m↑へ。
小山だ!楽勝!・・・と侮ってはいけない。朝一番の登りはしんどいんです。
6:14[E:fuji]太郎山着
太郎山からは一度降って次の目的地、北ノ俣岳2662mへ。チングルマやハクサンイチゲが咲き乱れるお花畑を行く。どんどん、この世の楽園へ分け入って行く。

8:40 [E:fuji]北ノ俣岳2662m着。道標の後の山は薬師岳。違った角度で見る薬師岳もまたいいものだ。
太郎平小屋2330~北ノ俣岳2662まで2時間20分(CT2時間)

9:51 黒部五郎岳の直登↑に近い尾根道がはっきり見えるようになる。まだ登っている人は見えない。右奥に笠ヶ岳が見える。さらにその右奥は乗鞍かな?

歩き始めて4時間。振り向けば↑、ここまでの縦走路が見渡せ、ずいぶん進んだことがわかる。

9:54今日3つ目のピーク[E:fuji]赤木岳2622。この道標の後を少し登ったところがピーク。もちろん登った。
道標に「この付近に雷鳥多い」と書かれている。今日は[E:sun]。天敵に狙われやすいので雷鳥は姿を現さなかった。
北ノ俣岳2662~赤木岳2622まで1時間(CTは30分)このあたりはのんびりしすぎた?

11:10 黒部五郎岳↑がずいぶん近くなる。中俣乗越で先頭が休憩している。アソコを目ざして降る。
このあたりはテント装備のソロ女子と前後して歩いた。ソロで大丈夫かなと思うほどのか弱き女子だった。大きなお世話だが、特に降りが危なっかしくて見てられなかった。
腹ごしらえをすませ、黒部五郎岳の登りにとりつく。
肩に着くと今まで見えなかった景色↑が見え、おぉぉぉ!思わず叫ぶ。カールを間近に見て感動を覚える。

ザックを五郎の肩にデポして、今日最後の登り、頂上↑を目指す。

13:00[E:fuji]黒部五郎岳着。
運よく登山客は私を含め3人。静かな五郎岳頂上だった。
北は立山まで遠望できた。
「薬師岳よ、私はとうとう五郎まで来ましたよ。」そうつぶやいた。(Twitterではありません)
劔岳からここまで、私は歩きつないだと思うと嬉しさがこみ上げてくる。

東は↑穂高が一望。自分が歩いた稜線を目で追いながら北アルプスに酔いしれた。
ふと我に返ると、無性にせつなくなった。
・・・・・・私にはまだまだ行きたい所があるから、ここにはもう来られないだろうな、多分、ゼッタイ・・・・・そう思うと、ここを立ち去るのは残念で仕方がなかった。
赤木岳2622~黒部五郎岳2839まで3時間(CTは2時間30分)
太郎平小屋から黒部五郎岳までCT5時間だが7時間(休憩含む)もかかってしまった。
感動とせつなさを胸に、肩まで下山しザックをうんとこしょと拾い上げ、頂上から見たルートでカールに降りる。
標高100mほど急降下する。険しい登山道だったがお花が咲き乱れている。
足元に気をつけながら花を愛で、五郎岳を見つめ空を見上げる。そんな繰り返しでカール底に降りていく。

1万数千年前の氷河が谷を削り、五郎カールが出来上がったという。
途中で立ち止まり↑、はるか彼方に思いを馳せる。
15分ほどでカールに降り、しばらく行くと雪渓から水があふれ出す所に着いた。うわぁ~これだ!私が求めていた景色だ!
鷲羽岳からの最初の一滴が黒部川源泉という話は有名だが、この五郎カールの雪解け水もやがて五郎沢となって黒部川に流れこむ。念願の五郎カールの源泉に立つことができ、嬉しかった。
手をつけるとしびれるほど冷たかい。おいしくてごくごく飲んだ。これ以上のものはあるまい。水筒に詰めた水は小屋に着くまでになくなってしまうほど冷たくおいしいものだった。
しばらくまったりとした。
カール内の緩やかな流れに沿って軽快に降って行く。するとコレコレ!と呼び止められる(ような感じがした)。真っ二つに割れた巨岩↑だった。このありえない光景を目にし足がすくんだ。3・11を思い出すものがあった。畏敬の念を抱く。
稜線から流れる雪渓を渡り樹林帯に入って行くとサンカヨウ↑・キヌガサソウ・ベニバナイチゴがたくさん咲いていた。
小屋はまだかまだかと樹林帯を1時間ほどゆるく降った。
いい加減いやになってきたころ・・・・

赤い屋根の黒部五郎小舎が目に入りほっとする。頂上から見た小屋はそんなに遠く感じなかったが、ここまで歩いてきて、カール底がいかに広いかがよくわかった。登りの到着でないだけマシだが疲れた。
黒部五郎岳2839~黒部五郎小舎2350まで2時間10分(CT1時間50分)
他の登山客に混じって小屋前でくつろぐ。テント場が近いせいか山ボーイ山ガールが目立つ。私は山スカートなるものをジロジロ眺めては、自分がソレを履いた姿を想像したりして過した。
部屋は男女混合15人くらいだが、布団はひとり1枚なので快適な方。ただザックは部屋に持ち込み禁止なので廊下は混雑した。水は豊富なので小屋前は流しっぱなし。
夕食は2回目だった。しかし、たったの5人。
揚げたてのてんぷらが美味しかった。写真がないので何だったか忘れたが、アツアツだけはよく覚えている。そばもあったような記憶。
一緒に食べた5人の中に、今朝、折立から来たという超健脚夫婦がいた。それも御主人は夜行でマイカーを運転してきたとのこと。明日は高天原だと言っていた。私とそんなに年は変わらないと思うのだが、信じられない体力にたまげた。
夕食後部屋に戻ると驚く話はまだあった。隣の布団だった3人グループは、今朝、新穂高から来たという。
まったく我々はどんだけ~のろま! これでは山姥? Aは間違いなく山姥だが。
そんなこと考えながら、ウサギになった山ガールを夢見て眠るZ・Z・Z・Z・Z・・・・・
出発地 : 太郎平小屋 2330m 6:00発
到着地 : 黒部五郎小舎 2350m 3:38着
標高差 : A 832m 3時間23分
D 837m 2時間46分
行動時間: 9時間38分
2011北アルプス夏山縦走(タロウ~ゴロウ)②
平成23年7月15日(金)[E:sun] 初日
名古屋駅7:50発、しらさぎ1号に乗車。
今回の相棒は女山友A。富山に着くまでの間に今計画のおさらいをする。
富山駅11:27着。駅構内で富山名物鱒寿司を昼飯に仕入れる。
前回のブログで書いたが、名古屋から登山口である折立までの便は非常に悪い。
10:30が最終なので、富山駅で停滞を余儀なくされる。そんなにのんびりできないので、折立までタクシーで行く方法を考えていた。
折立までは(運賃15500円+有料道路1800円=)17300円もかかるけれど、富山駅での停滞時間(これが貴重)と宿泊費を考えたら高くない。これは、事前に太郎平小屋に相談して、5時半ごろ到着予定になることを了解してもらえたからできることなのだが。
で、タクシー乗り場に向かう。
山女が通常価格で乗るわけがない。ザックを背負ったまま、ありったけの笑顔で値段交渉に取りかかる。
山女私 「おじさ~ん、オリタテまでふたりなんだけどぉ~いくらで行ってもらえますか?」
運転手「ここに書いてあるように15500円だけど、サービスすっちゃ、乗って乗って」
山女A 「以前13000円で乗ったことがあるんだけど、それで行ってもらえない?」
運転手「今は値上がったけど、いいちゃ、いいちゃ さっ、乗って乗って」
そう言い終わらないうちに、タクシーの運転手は、もう我々のザックに手を掛けている。
希望する金額で行ってくれるのかわからないまま、コレに乗った。
乗車してすぐ、おじさんはコンビニに寄ってお茶(ペットボトル)を買ってあげるという。行動中の水は用意してあるので、いらない(余分は持ちたくない)のだけど、そんなこと言えずお任せしたのだが、どうも自分の昼飯を仕入れるために、どうしてもコンビニに寄りたかったようでもある。サービスするってコレじゃないよねと心配になってくる。
歳は60代後半だろうか?よく喋る運転手だった。ずっと嬉しそうに喋っていた。こちらは、とにかく運賃をまけてもらいたいので、常に愛想よく相槌を打つ。
有料道路(お客負担)に入り、有峰湖の横を通り、1時間半かかって折立に着いた。
おじさんは、紙と鉛筆で何やら計算をしだした。ひとりごとなのかモゴモゴと徐々に値下げした金額を言うのだ。どうも原価計算をしながら、こちらの出方を伺っているようにもとれる。
私「で、全部(有料道路1800円含めて)でいくら払えばいいですか?」
運「モゴモゴ・・・・・・・・13000円ちゃ!」
おじさんのその潔いセリフで成立! 13000円払ってタクシーを降りた。
実は運賃13000円+有料道路代1800円=14800円を最低でも払うつもりでいた。
「へぇ~」と「ふ~ん」と「そぉ~」の繰り返しだったが、1時間半もおじさんの話につきあった甲斐があったようだ。 山女は大いに喜んだ[E:scissors]
車中での鱒寿司の昼飯(おじさんの御厚意のお茶付き)の許可はありがたかった。何より今日のうちに折立まで運んでもらえたのは、このおじさんのお陰だった。丁寧にお礼を述べた。
前置きが長くなったが、ここからが山行記の始まり。
1:05 折立(標高1350)を出発し、今日の目的地『太郎平小屋(標高2330)』に向かう。
樹林帯を抜けるまでの2時間、汗だくになって歩いた。
三角点(1870)まで来ると一気に視界が開け、ニッコウキスゲの黄色がパッチワークのように草原に映える。足元にはイワイチョウ。振り向けば有峰湖の湖面がキラキラ輝く。ときおり霧が流れ爽やかな風が吹く。登るには快適な条件だった。

4:30 五光岩展望台(2196)に着くと、ガスの切れ間から突然薬師岳↑が現れた。おぉぉ~薬師岳よ!そこにいたの? 2008年(H20)以来3年ぶり。飛びついて抱きつきたいが、それは叶わぬこと。名峰にココロオドル。
ベンチに寝っ転がってしばらく眺めていると、ガスは完全に消え、薬師岳山荘までくっきり見えた。立派な山容にうっとり[E:heart04]

五光岩展望台を過ぎてからは、西日が容赦なく照りつける中を歩くことになった。
行く手に太郎平小屋をとらえた↑。あとひと息だがこれがキツイ。山女A[E:sad]はバテだし、距離が開く。

5:35 Aを置いてきぼりにして、一足先に太郎平小屋に着く。薬師岳が出迎えてくれ何とも嬉しい到着となる。
夕食時間帯なのか小屋前は空いていた。
宿泊手続きを済ませ、6時ころ夕食を頂く。我々を含めて3組が遅い到着だった。
食堂の窓から遠くに見えるのは鷲羽・水晶か。稜線に上がらないと見られない景色だ。
2008年8/10に泊まったときは、3階の屋根裏部屋で野戦病院状態で休んだが、今回は1階のカイコ棚下段(布団4枚敷かれたカーテン仕切りの小部屋)を与えられた。ふたりきりで使うには充分過ぎた。
寝る前に小屋の外に出たら残照が美しかった。
雲海は下界とを遮断していた。煩わしいことは何もかもあの下界に置いてきたのだ。
私は山上の別天地で解放されていた。
出発地 : 折立 1350m 1:05発
到着地 : 太郎平小屋2330m 5:35着
標高差 : A980m 3時間30分
D 33m 8分
行動時間: 4時間30分
2011北アルプス夏山縦走(タロウ~ゴロウ)①

ハクサンイチゲ(キンポウゲ科)花弁状の白いガクは直径3cm位
今年の梅雨入りは、5/27頃(東海地方)と非常に早かった。
ひょっとすると梅雨明け早いかも?・・・・と期待しつつ、のんびり夏山の妄想を楽しんでいたら、めちゃくちゃ早く梅雨明け宣言が(7/8頃)出て慌てた。
梅雨明け10日といって、梅雨明けから10日ほどは安定した天気が続くという。海の日の連休まで安定するだろうかと心配したが、連休の天気予報は[E:sun][E:sun][E:sun] このチャンスを無駄にしたらもったいない。天気だけはお金で買えないからね。(買えないものはまだたくさんあるのだけれど・・・)

2004(H16)8/11撮影 三俣蓮華岳から望む黒部五郎岳
思い起こせば7年前。
2004年鷲羽・水晶へテント山行したとき、初めてゴロー(黒部五郎岳)を遠望↑した。
スプーンでえぐりとったようなカール地形に魅了され、いつかアソコに立ちたい!と思った。
しかし富山県側の登山口である折立の交通の便が悪いという理由から、ついついあと回しになっていたのだった。
海の日の2泊3日の連休[E:sun][E:sun][E:sun]に、もう1日休み[E:sun]を取れば、3泊4日のタロー・ゴロー縦走ができるなぁと欲が出る。鼻先にニンジンいやゴローをぶらさげ、がむしゃらに仕事を片付けた。
ちなみに、タロー・ジロー(南極物語)ではないですよ。北アルプスはタロー・ゴローです。
人名ではなく、山の用語であるゴーロ(大きな岩がゴロゴロした場所)が山名の語源で、五郎となったそうです。
巨大なカールを持つ黒部五郎岳。ソコから見える山をひとつひとつ自分の目で確認したい。雪渓で雪解け水を飲もう、花もいっぱい見てこよう・・・・そんな希望を持って北アルプスに向かった。
無事帰宅しました
3泊4日(7/15~7/18)の夏山縦走から無事帰宅しました。
7/15[E:sun] 自宅~JR富山駅~折立~[E:event]太郎平小屋泊(ドコモ圏外)
7/16[E:sun] 太郎平小屋~北ノ俣岳~赤木岳~黒部五郎岳~[E:event]黒部五郎小舎泊(ドコモ圏外)
7/17[E:sun] 黒部五郎小舎~三俣蓮華岳~双六岳~樅沢岳~[E:event]双六小屋泊(ドコモ圏外)
7/18[E:sun] 双六小屋~鏡池小屋~小池新道~新穂高[E:spa]~JR高山~自宅
[E:mobilephone]携帯電話は圏外が多く、ブログアップが難しかしいエリアでした。
下山届け

キヌガサソウが盛んに咲いてました。
無事下山しました。十分楽しみました。


























