③北アルプス(室堂~薬師岳~折立)

8月8日(金)

        

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5時の朝食を済ませ、6時少し前に五色ガ原山荘を出発。

 
           

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盛んにチングルマが咲く。

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左:鳶山への途中から五色が原を望む。「かすみたなびく」とはこういうことなのかなと見入る。
  雪渓の奥の池糖がきらきら光る。
 

右:振り向くと雄山がすぐそこにあるかのよう。見守ってもらっているようで心強い。
  左奥に剱岳も頭をのぞかせている。右端には五色が原山荘も見える。 

         

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鳶山で小休止。
正面赤牛岳の奥に槍が見えた。
このあとアップダウンを繰り返し(写真↑)標高260m降る。

          

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降り始めてまもなく、この辺(写真↑)で可愛い小動物に出逢った。

「こんにちは」と小さく声をかけると目が合った。

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じっとしていないので上手く撮れない。よ~く見てください。[E:eye] おこじょ です。

逃げる場がなかったのか、行っては戻ってはくるくると回る。
その動きの早いこと早いこと。
きっとオコジョは人間に会って怖かったに違いない。

私はオコジョの生活圏に無断進入していたのだった。

H2356越中沢乗越を過ぎ、越中沢岳に235m登り返す。
広い稜線で気持ちがいい。

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姿をずっと見せ続けてくれた薬師岳だが、ここで見た薬師岳の美しさには足が止まった。

この先はガスがあがってきたので、これが今回最高の薬師岳全体像だった。
(よく見れば、薬師岳の北からもうガスが上がってきている)

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振り返れば昨日からここまでの山々が見え(左)

東(黒部湖方面)に目を転じれば幾重にも折り重なる山々とかすみ(右)

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静かである。誰もいない。

この山々の景色を求めて私ははるばるここまで訪ねてきたのだ。

ここでずいぶん至福のときを味わった。

気づいたら仲間からずいぶん遅れていた。

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9:17越中沢岳(2591m)まであと一歩というところまでようやく来た。

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薬師岳を見るには最高の場所なのだが、全貌は見せてもらえなかった。
30分待ったがどんどんだめになった。
1時間早く出るべきだったなと思う。

越中沢岳から先は急降下が長く続き気を使った。

まず、スゴノ頭を目指す。

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この一番先[E:upwardright]がスゴノ頭か?
進むほうにガスがかかるとわかりにくい。

とにかく過酷なアップダウンを強いられた。

スゴノ頭ではガスって周りの山は何も見えなかった。

ここでスポーツドリンクの粉末を分けてくれないかという女性に出会った。
余分なんか持ってくるわけがない。
が、困っているならばと一袋進呈するとお金で買うという。
いいからといったら、「すはま」という重たいお菓子を2個もくれた。
スポド粉が重くなって戻ってきた。[E:bearing]
「すはま」をお返ししたい一心で、この先の食料は大丈夫かといってみたがたくさんあるという。
今さら「すはま」をお金に買えてちょうだいとも言えやしない[E:shock]

この先、足場の悪い道をさらに降り、樹林帯の中に入っていく。
アップダウンを繰り返し、小屋までかなり登らなければいけない。
ぶつぶつ文句を言いながら歩いた。

予定時間になってもスゴ乗越小屋に着かないので小屋を見落とし薬師岳に向かっているのではないかと思ったほどペースが落ちていた。

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テント場に出てスゴ乗越小屋に到着したのは2:22。
(小屋の様子はHPのスゴの紹介を)
コースタイム6時間が8時間半の行程だった。

水が豊富な小屋で、到着と同時に顔を洗い水をがぶがぶ飲んだ。
生き返った思いだった。

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暗くてわかりずらいが夕食。

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夕食後、雲が晴れて小屋前から立派な越中沢岳が見えた。
あそこからの行程はつらかった。

越中沢岳の左肩から鳶山が、そして雄山・龍王の頭がかすかに見えた。

布団1枚で二人という混みようだった。
7時半だというのにもう皆静かに横になっている。

2階のいびきが隙間から聞こえてくる。
困ったなと思ったのは束の間、ことんと寝てしまった。

世の中はオリンピック開会式で盛り上がっているというのに我々は仙人のごとく無関係を決め込んで眠っていた。

    翌日