北アルプス(立山奥大日岳・浄土山・龍王岳)

8月3日(金)

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名古屋7:52発しらさぎ1号で富山入りし、立山~美女平~室堂まで電車・ケーブル・バスに乗り継ぎ、14:50素晴らしい眺望の室堂(H2450m)に立つ。

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台風5号で風は強い。が、景色は素晴らしい。
曇っているが、ど~んと目の前には別山乗越しの小屋まで見える。
その奥、剱岳の左肩も見える。
こんな眺望の良い室堂は初めてなので、いささか興奮ぎみである。

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みくりが池からの立山(雄山)~浄土山。
うわさどおり、今年は残雪が多い。
景色を堪能しながら今晩の宿である雷鳥荘まで1時間ばかり歩く。

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宿に荷物を置き、空身で地獄谷まで散策。
硫黄がこびりつく噴気孔からは盛んに火山ガスが噴出している。
みくりが池の伏流水がこの火山ガスで熱せられ温泉になる。
ごぼごぼと湧き出す様は怖いぐらいである。
2002年、剱岳から降りてきたとき以来だから5年ぶり。
やはり地獄谷という名の通り、荒涼とした不気味なところだった。

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地獄谷越しに、明日登る大日岳が見えた。
宿の展望風呂からは、もっと大日岳が素晴らしく見えた。
大日岳に登る人は、おすすめの宿である。

8月4日(土)
台風5号はなかなか北上せず停滞している模様。
昨晩の風雨は凄かった。
建物が飛ばされそうな勢いの風に何度か目を覚ました。

明日も雨という予報。
室堂から大日岳に入り称名滝に抜ける計画を変更して、奥大日岳(200名山)をピストンすることにした。

予定より遅く、7:50スタート。
雨は降っていないが、ホワイトアウトで視界2~30mのなかを歩く。
雷鳥沢テント場を目指しどんどん下り、浄土沢を渡ると、じきにお花畑に出る。

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         オオバキスミレ            ノビネチドリ

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        シナノキンバイ             ヒメイチゲ

濃霧で奥大日岳の全貌がわからず登っていたので、頂上に着いた時あっけなく感じた。(2605m10:15着)
あとから到着する他のパーティも皆、「ここですか」といった具合。
本来なら、北に剱岳がど~んと見えるはずなのだが、何も見えない。
ガッカリである。

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30分も休憩していたので体が冷えだした。
10:45下山開始。
天候悪化で小雨が降りだしたから余計に寒い。
行きに通ったお花畑を下ること1時間、3度目の雷鳥に遭遇。

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メスを追いかけ登山道をものすごい勢いで駆け上がる雷鳥の求愛だった。
残った2羽のメス雷鳥を見ていたら、求愛に失敗したらしい無様なオスが戻ってきた。
オス雷鳥は警戒することなく我々にどんどん近づいてくる。
メスに気を取られているからか人間に対して警戒心がないようだ。
神の使いとして保護されている雷鳥に至近距離2mという幸運に恵まれた。

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      コバイケイソウの群落        バイケイソウ

12:30ころから時々ザーッと降り、宿に戻る10分程前には本降りになる。
13:00に宿に戻ってからは、温泉に入り極楽山行。
16:00ころ横殴りの雨のなか到着した団体は大騒動していたので我々は幸運だった。

8月5日(日)
3日目は天気が回復した。
昨年歩いた浄土山~雄山の周回をすることにした。
初日のように山々の全貌は見えないが、時々薄日が差すので期待できる。
7:00出発。

40分ほどで浄土山への分岐に着く。
結構キツイ坂をもくもくと上がる。
室堂山の展望台に向かうと、雄姿が見えてきた。

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稜線を目で追うと薬師岳だということがわかった。
五色が原の小屋までよく見えたが直に雲で隠れる。
いつか室堂を薬師岳まで南下し折立に降りたいと思っている私は、景色を眺めながら思いにふける。

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この雪渓を渡り浄土山に入る。
ちなみにこの雪解け水は、日本一の落差を誇る称名滝の源流にあたる。
称名滝を流れ落ち、称名川は常願寺川に合流し日本海に流れ出る。

ふーふーいいながら浄土山(2831m)頂上に着くが、だらっとしたここのピークはわかりにくい。道標はどこだと探すが三角点はわからなかった。
一の越しと五色が原の分岐まで来ると雄山から別山まで見えるようになる。

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目を凝らしてみると一の越から雄山に向かって長蛇の列をなしている。
室堂からも行列状態である。
余りの混みように雄山は諦め、変わりに浄土山南に位置する龍王岳(2872m)に登ることにした。

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薬師岳への縦走路から龍王岳は少し外れているので登る人は少ないようである。龍王岳頂上からは、黒部湖の一部と針木谷がよく見られたので登って良かった。

10:30雄山を目の前にしながら一の越へ下山開始。

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    ミヤマリンドウ             ハクサンフウロ

秋の花であるミヤマリンドウが咲き始めていた。
一の越しに向かうお花畑は秋になりつつあった。

一の越山荘前には雄山から下りた者と、これから登る者で溢れていた。
富山駅前より凄い混雑ぶりである。
ちなみに、一の越は常願寺川と黒部川の分水嶺である。

我々は一の越から東一の越に向かって少し降りた。
ここまで来ると登山客は皆無で、先ほどの喧騒が嘘のような静かさである。
時間が許せば、ずっと歩いていきたい黒部湖までの道が続いていた。

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雄山を初めて東から眺める。
ハクサンイチゲが咲き乱れるお花畑からの雄山は、室堂から見る表情とまた違っており新発見だった。

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ここから、先ほど登った龍王岳の全容も見えた。
前穂のように岩尾根が延びる山だという事がわかった。
龍王岳と浄土山の間には長い雪渓が残っている。
この雪解け水は黒部湖に流れ込むようだ。

12:00室堂に戻り、12:20発美女平に向かうバスに乗り込む頃、雨がザーッと降ってきた。
あの雄山への行列は大丈夫かと心配になる。
ケーブルと電車を乗り継ぎ、14:45富山駅に着く。
食料を仕入れ15:15発の高速バスに乗り、名古屋に戻った。

お盆休みに山行予定はないので、夏山は実質これが最後だと自分に言い聞かせた。