
2002年(11年前)前穂高岳に初めて登ったとき、頂上から奥又白池を見た。(上の写真)
なのに、今回はどうやっても見えない。そんなことってあるんだねぇ。
ゴロゴロ岩が自然現象で落石したりして、山頂自体が変化しているんでしょうね。こんなふうにね。
仕方なく奥又白池を諦めたころ、明神岳が姿を現した。2011年に行ったひょうたん池はどのあたりだろう?とじっと見る。

↑2011年ひょうたん池での写真。ガスっていたのでよくわからないけれど、↖の東稜を行くと前穂高に通じると聞いている。

今回前穂から明神を見て、勝手にあのあたりがひょうたん池だろうなと想像する。あゝ行って、こう行って・・・・バリエーションルートだけど個人で、ひょうたん池まで行けそうな気がする。
「今回は無理だけど機会があったら来い」と明神が言っているような気がした。このアングルは想像してなかったので大収穫だった。
山に誘われるまま、少しだけ明神岳領域に入る。とてもいいところなのに誰一人といない。静かだった。

すると・・・・岩の間から待望の・・・・奥又白池(2470m)が見えた。梓川も新村橋も肉眼で見える。これ↑は望遠撮影。標高差600m

あれは2003年6月のこと・・・・・山仲間と奥又白池に行った↑ことを思い出す。
池は雪の下だった。ここから前穂東壁を見上げ「これが井上靖の氷壁、ナイロンザイル切断事件の舞台か・・・」と思ったものだ。
あれから10年、紅葉の時期にと思っているが機会に恵まれないでいる。
日が当たると、紅葉がいい感じに色づき始めているのがわかる。テントも3張りある。どれだけ静かで、どれだけいいところか、妄想の世界に浸る。
おあずけとなっている奥又白池の紅葉を少しを味わえたことは嬉しかった。
一般ルートをはずれた明神岳領域は本当に素晴らしかった。ここを立ち去らなければいけないのは残念で仕方がなかった。
本ルートに戻り、ザックをデポした紀美子平を見ながら前穂高岳を降る。
12:00紀美子平に戻って、湯を沸かしカップラーメンを食べる。

紀美子平の道標。折れかかっている片袖を夫が直している。一時しのぎで直したけれど帰宅後こんな記事を見た。→岳沢小屋HP
12:30紀美子平出発。

1:20ころ、また松本方面からヘリコプターが。一直線にジャンダルムに向かい旋回し始めた。
どうも
朝の捜索の続きのようだ。ロバの耳の岐阜県側でホバリングしたかと思うと、そのまま谷に数十m沈んでいった。
2011年に行ったここ↑だと思う。赤マークが登山道。今回この谷をホバリング下降しているのだと思った。
ここは2009年岐阜県警のヘリが落ちた場所。
2011年のとき2009年のヘリ残骸がまだあっただけに、私は固唾を呑んで今回のヘリ操縦の無事を祈った。
上手くピックアップできたのだろうか、ヘリは上昇し最短距離で来た道を戻って行った。命がけの『やまびこ2号』の操縦には頭が下がった。
帰宅後調べたら、どうもコレのよう↓
[E:book]北アルプス奥穂高岳で山岳遭難(松本署)
本日、
北アルプス奥穂高岳から西穂高岳へ縦走中の奈良県奈良市居住の男性32歳と大阪府大阪市居住の女性25歳が落石を受けて、腕を骨折する等の怪我をしたと、
他の登山者を通じて救助要請があり、県警ヘリ及び岐阜県警山岳警備隊が出動し、2人を県警ヘリで救助して松本市内の病院に収容しました。
どんどん降って岳沢小屋(2170m)に着いたのは2:50。
小屋でコーヒーを注文。ここのコーヒーは本当においしい。疲れた身体がおかわりを欲していた。
3:15 上高地に降り始める。
大きな傘を広げるシシウド

4:50 上高地に降りる。岳沢の湧水で顔を洗う。冷たくてさっぱりした。
5:25 バスに乗って上高地を後にした。
いつもの日帰り温泉で汗を流し、松本に住む息子と夕飯を食べ名古屋に返る[E:car][E:dash]
11年ぶりの前穂高岳は、たくさんの発見があって楽しかった。
往復運転してくれた夫に感謝!
これでおしまいです。



