天生峠から籾糠山へ(岐阜県)その1

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籾糠山(もみぬかやま)頂上から遠く西に、剱岳~薬師岳~槍~西穂の『日本の屋根(北アルプス)』がほぼ横一列にはっきりと見えました。

 

あのルートは遭難が後を絶たず、私が無事歩き通せたのは幸運だったほかにないと最近思うのです。


山に入るには、体力や技術や装備以上に謙虚な気持ちが必須です。確率は低いですが、万全体制でもときに自然は命を奪うことがあります。山に限ったことではありませんが、自分ではどうしようもない運というものがこの世にはあるのでしょう。畏敬の念を持って日本の屋根を眺めたのでした。

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上の写真のゴール(左端)から見た日本の屋根は赤線(右端)です。

 


 

今回の山行は岐阜県北部に位置する籾糠山です。

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名古屋から東海北陸道を北に上がり、白川ICで降り、360号線を東に走ると天生峠に着きます。そこからは歩いて籾糠山に入っていきます。自宅をAM4:00に[E:car][E:dash]出て、天生峠までは2時間半強でした。

 

            冬季通行止め(国道360号天生峠について)

飛騨市河合町天生~白川村間の国道360号(通称:天生峠(あもうとうげ))において、平成24年11月14日より冬季通行止めが実施されています。

 

上記のように、天生峠は一年の半分近くが雪に閉ざされます。今回は6/7の通行止め解除を待ってすぐ出かけました。その時のお花が一番いいと言われているからです。

 

今回はこの1月に食道癌で亡くなったE氏の追悼登山。メンバーは、E氏の奥さんと我々夫婦の3人。山野草が大好きなE氏だったので、雪解けを待って籾糠山を選んだことは彼も喜んでくれたと思いますし、我々も楽しめるものでした。 

 

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標高1290mの駐車場に車を停め、7:00天生湿原に入ります。いきなりサンカヨウが咲き乱れ、我々を迎えてくれました。

 

E氏の奥さん(Kちゃん)は半年ぶりの山行なので不安といっていましたが、そこは昔取った杵柄。嬉しくてというのか、ザックに忍ばせているE氏の備品に押されてというのか、軽々上がって行きました。

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ミツバオウレンが見事に咲き乱れ、その清楚さが我々の心を癒してくれます。

 

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ヒメイチゲもひっそり咲いています。

 

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天生湿原(標高1400)まで来ると水芭蕉が咲いていました。

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ショウジョウバカマの群生も見事です。まさにここは雪がようやく溶け、春になったばかりでした。

 

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E氏の備品とともに歩くKちゃんの後ろ姿を見ながら、彼が生きていたらこの景色を誰よりも喜んだだろうにと思いました。

 

 

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ツバメオモトの美しさに何度も足が止まります。ユリ科。

 


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サンカヨウ。秋にはブルーベリーのような色の実をたくさん(花の数だけ)つけます。 

 

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サンカヨウが咲き乱れる道を縫うようにカラ谷登山道を進みました。

 

 

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ニリンソウ。普通は左のように白花だけど、緑のニリンソウを発見。何らかの理由で変化したのでしょう。四つ葉のクローバーのように見つけると幸せになれるそうです。

 

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エンレイソウ。ツバメオモトと同じくユリ科。
おしべ6、めしべ1までしっかりわかるのは初めてだったのでよく観察しました。これも秋に黒っぽい実がひとつなります。

 

Cimg3101 ザゼンソウ。水芭蕉と同じくサトイモ科。僧侶が坐禅をする姿に似ているということから名付けられたそうです。這いつくばって撮影しました。

 

 

Cimg3103 8:40カツラ門。足元にはニリンソウが群生してました。このカツラが紅葉したら見事だと思います。秋にも来たくなりました。真ん中の道は根の保護のため今では通行禁止となっていました。

ここまで来ると、ところどころに雪が残りアイゼンまでは必要ないですが気をつけて歩きました。

続きは次回とします。