2012紅葉 槍沢③10/7(日)の続きです。
氷河の名残である岩屑ゴロゴロの天狗原まで来ると、赤い反物を転がしたかのような帯状のナナカマドが目に入る。去年のこのレッドカーペットは霜にやられてひどかったけれど、今年のそれは 顔がにやけるものだった。
この日の槍沢はくもり空でした。晴天の槍沢はここをクリック
レッドカーペットを眺めながら湯を沸かし[E:cafe]タイム。
遠くからでもみんな子どものようにはしゃいでいるのがわかる。
槍沢はいい。やっぱりいい。静かでいい。ここが大好き。
ナナカマドのトンネルまで来ると、いつもは冷静な夫も、私にあそこに立てと写真撮影に夢中になる。そんなはしゃぐ我々を見ていた年配の男性が、優しい眼差しでふたり並びなさいと言ってくれたので・・・・・
記念写真と相成る。この間の立山山行に続き、 夫の還暦記念登山第二弾となった。ナンダカンダと記念日にするのは楽しい。
私のときはどこかな?・・・・それとなく言っておいた 。
雲の切れ間から届く光が一瞬にしてレッドカーペットを色鮮やかにした。 高みから見惚れる。(望遠撮影)
天狗池を見下ろすところまで来ると、一段と色に深みがある景色に変わった。 ここからの景色は私に幸せを感じさせるものだった。
全山紅葉ではなく、岩稜帯に宝石箱をひっくり返したような、こぼれ落ちる様は私が望んでいた景色だった。
稜線の重く垂れ込む雲。当然池には槍が映るはずもなく、それでもやってくる者、がっかりして帰っていく者、諦められないで粘る者、いろいろな姿がそこにあった。ここを通過する我々も同じくくりの登山者として同じ気持ちで池にたたずんだ。
「天気ならココに槍が映るんだけどね~」「また来いということだ」「じゃ~また来ようね」「!!」とまた夫は墓穴を掘る。またここに来れることになりそうだ[E:scissors]
この先、標高にしてまだ400m上がらなければならない。昼食には早いけれどエネルギー補給のため湯を沸かして[E:noodle]小さいカップラーメンと[E:riceball]を食べる。山に入ると私は夫と同じかそれ以上に食べる。シャリバテでは目指す高みには行けないので、食べたいから食べるのではなく登りたいから食べるというのが本当の所。
[E:book]登山用語でシャリバテとは、登山中におなかがすいて動けなくなってしまうことです。シャリは白米に限らず食べ物のことです。感覚的におなかがすいて動けないというのではなく、生理学的にも血糖値が下がって力が入らなくなってくることです。ひどくなると行動不能に陥ってしまいます。登山は、平地を歩くより多くのエネルギーを必要とします。持続的なエネルギーを供給するための炭水化物の補給は欠かせません。
エネルギー補給後、大きな岩がゴロゴロある道なき道を分け入っていく。
道標には南岳まで2.1㎞とある。2時間で行けるかな?雨を心配しつつ 夢の世界に入っていった 。