2006徳島(20~22)

区切り2回目の2日目 晴れ時々曇り

昨晩は11人もの歩き遍路がいたのに、今朝は半分しかいない。
どうも、朝食なしで出かけたらしい。
早立ちして、いったいどこまで行くのかしらと驚いた。

7時宿を出発。
今日は、22番平等寺まで行く予定である。

Img_0003まずH30mから出発し、1峰目H500mにある20番鶴林寺に向かう。

みかん畑のなかをずんずん登っていき、山道に入ると同宿だったMさんに追いついた。
何度か追いつき追い越されしたが、結局Mさんについて静かに歩いた。

8:15、20番鶴林寺山門に到着。
なつかしさはあっても、1巡目のような感動がない。
これは、いったいどういうことなんだろう。
淡々たる心境であった。
だからといって、つまらないわけではない。

1巡目は興奮しすぎで、これが本当のお遍路の境地なのかもしれないなんて勝手に思った。

         * * * * *

H500mから一気にH40mまで降ると、そこには前と変わらない那賀川の景色があった。
ここは、以前夫と歩いた道である。
そのときと同じ水井橋を渡ったところで、今回はひとりで休憩をした。

     那賀川を 越えて目指すは 太龍寺 鈴の音響く 同行二人

Img_00122峰目H520mにある21番太龍寺をめざす。
とりつきは、せせらぎ沿いを歩き、20番への登りとは違う風情がある。

まだお役目があるお社なのかわからないが、かろうじて立っている鳥居越しに今回も手を合わす。

畑仕事をされる老夫婦の姿もあった。
小型トラクターをたくみに操作しながら熱心に働いておられる。

私も、夫とあんな老後を迎えたい。
こんな静かな生活を、私は夢見ているのだ。

またMさんに会った。
どんな内容だったか忘れたが、話をしながら歩いた。
Mさんは写真がご趣味で、今回のお遍路の写真をネットで紹介すると聞いた。http://www.miyazaki-catv.ne.jp/~nobuo7/
必ず訪問しますと伝えた。

急登を延々と登り21番太龍寺についたとき、龍ならぬ蛇に出迎えられ一瞬たじろいた。

そこには、早立ちしたお遍路さんが納経を済ませ休憩していた。
昨日、同行した野宿遍路男性もいた。
しきりに話し掛けてくる。
この野宿遍路は、地図は見ず誰かについて歩くタイプであるようだ。
この先のふだらく峠を「一緒に行こう」ではなく、謙虚になのか「ついて行く」と言う。
私には断る理由もなく、成り行きに任せた。

お参りを済ませると、案の定ロープウェイ乗場で彼は待っていた。
そこで、お接待にしいたけ茶をいただいたのでお昼にした。
宿で握ってもらったおにぎりを彼と分けて食べたあと、11:30太龍寺をあとにした。

         * * * * *

Img_0014

こちらに来るお遍路さんは我々の他はいなかった。

彼は山歩きが苦手なのに、山道を選んだのは何故だろう。

女一人で行かせられないとつきあってくれたのでしょうか。
どうであれ、この道は初めてなので心強かった。
素直にありがとうと彼に告げた。

そんなことを考えながら歩いていたら、舎身ケ嶽に到着した。                

立ち入り禁止のロープが張られているのに、私はお大師さまのもとに行ってしまった。

Img_0017 素晴らしい景色である。
19歳の青年空海がここで厳しい修行をしたといわれている。
見上げれば車遍路のときに乗ったロープウェイが通過する。
あの時に見たお大師さまのもとに、今私はいる。
秋のやわらかい日差しのもと、ゆっくりした。

案の定、戻ったら立ち入り禁止だと注意を受けた。
お大師さまに、ごめんなさいと手を合わせ太龍寺山に向かった。

太龍寺山頂は見晴らしが悪く、ロープウェイと遠くの山並みが少し見えるだけだった。
ハイキング客に山の名前を尋ねたがわからなかった。

そこからは長い降り。
道しるべがなく不安だったが、いつもの感で進むと持福院への案内板が出てきた。
野宿遍路を大声で呼んだ。
ところどころガレているところがあり、降りが苦手な彼を気にかけながら1:45持福院に降りた。

山道ではいきいきしていたのに、195号線に出たら一気にしおれたようだと野宿遍路は私に言った。その通り、私にとって騒音だらけの車道歩きはどうも苦手である。
何とかしてここを早く抜けようと、ものも言わず歩いていたので不機嫌そうに見えたのでしょう。
道の駅わじきまでのつまらない道を1時間、ひたすら歩いた。

阿瀬比にある遍路小屋を過ぎて、緩い坂を登っていく。
大きなハウス設備のあるみかん農園を越えて登っていき大根峠のとりつきに立った。

今日の行程の最後に、この急登はつらいものがある。
時間にしたら20分くらい、H200mの峠を登りきった。
もうあとは降るのみ、降りの苦手な野宿遍路をほっておくわけにもいかず、彼を待ちながら竹林の中ゆっくり降った。

麓に降りたら、牛舎の向こうからお遍路さんが歩いてきた。
逆打ちだ。
21番下の坂口屋か龍山荘まで行くと言う。
到着は6:30頃になるだろうと思うと頭が下がった。

     へんろ道 大根峠 降ったら 牛が放され こちらを見てる (ぎょっ)

     逆打ちの お遍路の宿 まだ遠し お大師さまと 同行二人

ああだこうだといいながら、野宿遍路とここまで歩いてきた。
もうフラフラだという彼をなだめすかし、22番平等寺を打ったのは、5時ぎりぎりだった。

幸いなことに、私の今宿は22番のとなり。
野宿遍路とここで別れた。

金子やを早立ちしたご夫婦が出迎えてくれた。
夕食は品数が多く、お腹一杯になった。
案の定、胃がもたれた、なさけない。

  • 山茶花1階食堂となりの部屋(5800円也)
  • 宿泊客7人
  • 歩いた距離21.3km