14年ぶりの蝶ヶ岳② 横尾山荘から蝶ヶ岳稜線まで

2018年10月8日(月祝)☀

朝食は5時から先着順。
横尾山荘は総入れ替え制でなく、空いたところから埋めていくシステムだった。総入れ替え制だと次回まで30分以上待つことになるので、ここのシステムはいいなと思った。私は急がないので5時過ぎに食堂に出向いた。待つことなく席に案内された。

食事していると、昨日涸沢から降りてきた人の話が聞こえてくる。
「本谷橋から涸沢までは下山者とすれ違うので、ず~っと渋滞で最悪だったよ!小屋は布団1枚で3人というひどい混みようで眠れたもんじゃない。あんた今日行くの?混むよ!紅葉はもう終盤だな・・・」
以前もこのブログで書いたけれど、確かに涸沢の紅葉は素晴らしい。だけどあまりの混雑ぶりに、愚痴る話が多いのは残念で仕方がない。

 

横尾山荘には以前はなかったコーヒーマシーンがあった。受け付けで400円を払うと紙コップがもらえ自分でボタンを押して操作する。
デロンギ マグニフィカS スペリオレ ECAM23420Sコーヒーをポットにつめて出発。

前穂が焼けてキレイ。

どうよ!この晴れマーク! さぁ!蝶ヶ岳に向かってGo!

横尾山荘を出て右に歩くとすぐ分岐。

初めてこの分岐を右に入る。前を歩く人も後から来る人もいない。貸し切り。

歩き始めはこんな感じの森の中を歩く。

 

30分もすると後方の木の間から槍穂が見え出した。気がつけばここが名前の通り槍見台だった。
ここに来て思い出したけれど、約20年前、涸沢の紅葉を見に行ったついでに、ここまで来ている。あの頃はまだ槍にも登っていない頃で、漠然と槍見をしたのだと思う。

あれから20数年。今目に入る幾多の山が私を受け入れてくれた。大好きな南岳や本谷右俣のカールが手に取るように見え、来てよかった!この蝶へのルートを選んでよかった!と喜んだ。

この槍見台のベンチで第一登山客発見!この男性としばらくお話をした。お互いにいい日に来れましたね!などと。

槍見台を過ぎるとまた眺望のない樹林帯をひとりもくもくと登った。一時間も登ると下山者とスライドするようになる。最後にすれ違った女性二人組は、展望最高よ!と言う言葉で私を見送ってくれた。彼女たちの笑顔から、槍穂の眺望は最高に違いないと期待できるものだった。

樹林帯の隙間からちょうど本谷右俣カール(黄金平)が見えた。2010年10月に歩いたときのことを思い出す。

早く全貌が見たい気持ちを抑えながら樹林帯を一歩一歩登った。

横尾から3時間、樹林帯を抜けてもう見えるだろうと振り向くと、ワオー!真正面が涸沢カールだった。

稜線を右に辿ると槍!北鎌まで見える!え~っ!喜作新道も見えるではないか!素晴らしい!
私は両手を広げ槍穂をハグした。

14年前は、まだ登山歴も浅く、この景色を見てもあまり理解できなかったけれど、今では稜線はおろか、谷も尾根も、自分が歩いたバリエーションルートも手に取るようにわかる。

ひとりで興奮していたら、蝶から若い男性が降りてきた。すぐに意気投合して仲良くなった。彼は常念から縦走してきて横尾に降りるという。ひとりで眺めるのもいいが、共有するのはもっと楽しい。ここで出会って槍穂を共有できたことにお礼を言って、私はあと数分の稜線に向かった。

ここが横尾分岐で稜線に乗った。標高2625m。

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