私を今一度せんたくいたし申候  4日目その2

平成27年1月16日(金) その2

やっとのことで足摺岬エリアに辿り着いた。

Cimg0209_2案内図の現在地(左端)から遊歩道をしばらく行くと・・・・・

 

Cimg0210天狗の鼻を捉えた。来たよ!来たよ!来たよ!と興奮して声が出る。岬越しに見える海がキラキラ光っている。天気晴朗波穏やかなり。この上ない日和だった。

Cimg0212椿のトンネルをくぐリ先へ進む。期待した椿の花は咲いていなかったけれど、そんなことはどうでもいい。ここに到着できたことだけで十分なのだ。

一刻も早く展望台に立ちたくて気持ちが急く。そんな時、メールの着信音が私の足を止めた。

 

[E:mailto]
祝・還暦おめでとう。
相変わらずプレゼントは何も用意していないからメールでも送ります。
・・・中略・・・無事に家に着くまでが遠足(遍路)ですよ。風邪引かないくらいに無理して下さい。 千葉のジョン万次郎より

 


満60歳の誕生日にあわせてお遍路とは私らしいという内容だった。まるで私の行動を見ているかのようなグットタイミングのメールだったので、この先でサプライズ(家族や友達が待っていて祝ってくれるとか・・・)でもあるのかな?なんて思うものだった。そんな妄想は楽しかった。

 

Cimg0228待望の展望台に上がると、ザ・オープン ビュ~!絶景に迎えられた。
まっこと穏やかな日和で、贅沢にも貸し切り。
誰かのはからいを感じ予想外のサプライズだった。願ったり叶ったりで幸せだった。

この地の涯に立つのは、48歳50歳 そして今回で3度目。1度目はここを折り返した。2度目は車遍路、今回はここを通過する。

 

誰も居ないので、大声で叫んでみたかったけれど、やはりできなかった。
「お陰様で60になった私です。この先、命あるかぎり私を導き見守って下さい」と誰に願うわけでもなく海に向かって手を合わせた。私を快く迎え入れてくれたこの景色は本当に心和むものだった。

Cimg0227

展望台から数分のところにある、ホンモノのジョン万次郎像に「千葉のジョン万次郎って知っとりゃ~すかね?」と問うてみる。「ほ~!千葉にもおるがか?ちなみにどこの国にいっちょった?」 「○○とか××とかで、今は千葉で根を生やしとるがね~」と名古屋弁×土佐弁風の勝手なおしゃべりを楽しむ。

何せ人口密度がかなり低い地域に4日もいると人恋しくもなる。ジョン万次郎像は私の気持ちを察して相手になってくれた。と勝手に思ったのであります。


 

                   金剛福寺境内
38番札所・金剛福寺はここ足摺岬にある。山門の金剛力士像に一礼して境内に進む。本堂と大師堂で『健康で60歳を迎えたことのお礼』と『嫁の安産祈願』をする。

それにしても、境内は綺麗になっていたので驚いた。参拝者はゼロで貸し切り状態。お掃除をしていた女性が「ようお参り!」と声を掛けてくれたのは嬉しかった。「綺麗になりましたね」としばらく話す。

 

Cimg0553納経帳に2度目の重ね印をいただく。初日37番で重ね印をいただいてから4日目。ここまで80㎞強を歩いたことになる。

 

納経所の横にある休憩所で、朝飯用のおにぎりを食べる。食べながら変わった宿だったことを思い出す。アレも今となってはいい思い出。

 

Cimg054338番でお守りをたくさん買い求めたら手ぬぐいを下さった。というかお接待かな?

自分用に厄払い、夫には健康祈願、長男夫婦には夫婦御守、二男夫婦には安産祈願と交通安全、母親には足腰健康御守。家族安泰の願いを込めてたくさん買い占めた。

 Cimg0233こうして四国最南端の38番を打ち終え、足摺岬の西海岸へと向かう。

 


 

Cimg023738番を出て15分ほどのところにある白山洞門まで長い階段で降りる。波の侵食で見事な穴が開いている。波による洞門では日本一らしい。そういえば室戸岬の東側にもこんなのあったことを思い出す。

 

Img_0031この写真は室戸岬のえびす洞。これもかなり大きいと思ったけれど足摺のほうが大きいとは・・・。確かに足摺のほうが高さはあるかな?室戸も足摺も岬が飛び出ているので、波が猛烈に当たってこうなるようだ。2006年11月4日に撮影とある。懐かしい。

Cimg055438番の記念スタンプは白山洞門になっている。

Cimg0239足摺岬の展望台から見下ろした海まで下りたのは楽しかった。

 

 

Cimg0244太陽に背中を押され、影に導かれ先に進む。

 

Cimg0245ヘンロ小屋20号は通過しようと思ったけれど、せっかくだから一服した。

 Cimg0247するとここで『トオルマの夕日』が見られるという看板を見つけた。ググってみたら絶景!だった。自然現象は人間を感動させたりおもしろがらせる。今日は寂しいくらい静かだけれど、その日はお祭り騒ぎに違いない。

Cimg0249この景色の中に太陽が沈むらしい。

 

今日はどこまで行くのやら?

                                  つづく