女3人旅に出る 2日目② 国譲り

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団体祈祷といえども、神楽殿に昇殿できたことはよい記念となった。ご祈祷後、お神酒をいただき、例の[E:paper]ぱ~で負けたお守りを頂く。それにしても小さいお守りです。が、私の願いをお聞き入れ頂いた証として、ありがたくいただく。

 

自前で買い求めた御札(写真左)が入っていた袋に気になる歌が。

   国譲り 祀られましし 大神の 奇しき御業を 偲びて止まず 

                       平成15年 皇后陛下の御歌 

 

これが伊勢神宮と出雲大社の関係の糸口となり、点と点が繋がりだす。

色々と調べてみると、なるほどなるほどです。信者でガイドのYさんのツレナイ返事もうなずけるというものです。

昨年の両遷宮がきっかけで、私のように興味を覚えた人は少なからずいるでしょう。出雲が伊勢遷宮の20年の倍数であることは、やはり日本国の成り立ちを後世に語り継ぐため、八百万の神様が決めた計らいであるように私は思います。それにしても興味深い話です。

 

神楽殿から御本殿に移動。備え付けの傘を借りる。

 
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写真をクリックして大きくして見てください。大粒の雨です。

宮司さんに案内され、一般参詣者とは別に、この八足門(やつあしもん)に向かって左の入り口から中に入る。寒さもあってか御本殿前に立つと、身が引き締まる思いとなる。二礼四拍手一礼、住所・名前・お礼を述べ、先ほどもお願いしましたアレ、何卒・・・と祈った。

 

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八足門の鴨居部分は左甚五郎作だとか、亀甲紋のことの他に、出雲で言う神在月の頃、海から上がるセグロウミヘビの話を聞く。この蛇は背黒で腹は金色だそうな。さすが信者の話はマニアックだ。

 

 

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この3つの丸の話は特に興味深いものだった。何でも2000年に本殿の柱が出土したそうで、その跡だと聞く。

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国譲り当時の出雲大社本殿は、高さ48mもあるこんな巨大神殿だったそうです。弁当忘れても傘忘れるなという土地柄ゆえ、宮司泣かせ[E:rain]の長い階段だったに違いないでしょう。(昼食後に寄った古代出雲歴史博物館で撮影)

 

そういえば伊勢神宮は20年で全部を建て替えるけれど、出雲大社は60年で檜皮葺の屋根を替えるだけ。なのでこちらのほうが古い建物であるとガイドさんは力説。出雲に誇りを持っていらっしゃる。

 

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そんな話をきいていたら、あっという間に青空が広がる。先程の冷たい雨はウソかのように暖かくなった。本殿裏の山に咲く山桜が綺麗だ。

 

 

Cimg0115 小さいころ絵本で読んだ「イナバの白ウサギ」の話は、こういうことだったのかと、ガイドさんの説明は合点がいくものだった。大黒様が担いでいる袋には、私達の苦難や悩みが入っているとか。私のアレもこの中にあるのかな? 恥ずかしい話だけれど、この大黒様が大国主大神だということ初めて知った。

 

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ガイドさんに無理を承知でお願いしてみたら、御本殿一周の案内をしてもらえた。青空にお社が映える。ここ出雲の天気のように
神様も気まぐれだから、お願いはアテニナラナイヨと天の神様が言っていると思えなくもない。

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御本殿を裏から見る。ぐるり一周は願ったり叶ったりだった。

 

 

四の鳥居「銅の鳥居」を出るとき、ひとりのツアー客が鳥居を手で触った。するとガイドさん曰く「畏れ多いので、なるべく触らないように」と。そういうものだということを初めて知る。毛利輝元の寄進と聞く。本殿前で「一文字に三つ星で一品」という話が出たことがうなずけた。そういえば長州を旅した時、レンタサイクルで指月公園に鎮座する毛利輝元像の前を通った。あのお方からなのかと思った。

 

この先に続く一の鳥居への参道に、全国でまれな下り参道があるそうな。しかし今回のツアーにはこの先は含まれておらず残念に思った。私が知っている四国82番札所根香寺のようかなと想像するしかなかった。

 

 

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左)出雲大社の現宮司の千家國造氏が住むというお屋敷。ここにも注連縄が。

右)昼食には、出雲名物の割子そばが。2枚ありました。

 

この後、バスに乗り出雲大社を後にする。あのガイドのYさんが満面の笑みで見送ってくれたのは印象深いものだった。Yさんとの出会いは、縁結びの神の計らいだった・・なんて思う有意義な時間だった。

 

 

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出雲の山には、山桜が盛んに咲いていた。

 

Cimg0134 往路は一般道を東へ走る。突然宍道湖が現れる。その大きさにちょっと驚いた。しじみ漁獲量日本一で有名だが近年他県に首位を奪われているそうだ。

 

このあと岡山駅に向かってひたすら南下。

バスの終着地岡山駅に着くやいなや、『やなせたかしのアンパンマン号』が目に飛び込んできた。そうか、ここは瀬戸大橋で四国とつながっていたんだと気づく。高知からここまで走って来たのかと思ったら、高松と琴平から1日2便往復だとJR四国HPに書かれていた。

                          JR四国HPより拝借   

実は3月中旬のこと。私はお遍路に出ようと思っていた。何だか生きつまり感があって出たくて仕方なかった。しかし出る気力は昔のように勢いなく、かわいそうにも自分をごまかした。なのでアンパンマン号を見てお遍路を恋しく思った。

 

帰路は岡山駅発ののぞみだった。見渡せば同車両の網棚には笠やリュックや金剛杖がここかしこに。近寄って話を聞きたかったけれどできなかった。こちらに笠・杖がないとこうも気軽に話しかけられないことを思い知る。

そのお遍路の団体は名古屋駅で降りた。何気に声を掛けてみたら、歩きではないけれど楽しかったという返事。その言葉だけでお四国を感じることができた。

 

名古屋駅改札口を出ると、前を歩くお遍路さんを見つけた。近寄り「岡山駅構内で見かけましたよ」とその女性に声をかけると笑顔で返答してくれた。わずかだが掛け連れることができ、最後にお遍路の醍醐味をほんの少しだが味わえた。

出雲の神様、縁結びのお願いはコレではないですが・・・・と念押したくなるような嬉しい出逢いだった。

 

理解あるつれあいの元にそれぞれ帰る女3人。

楽しい女3人旅はこれでおしまいです。また。

 

 

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                  作品その5 ツキヌキニンドウ