女3人旅に出る 初日②足立美術館

伯耆富士が姿を現してくれたので、蒜山でのことはすっかり忘れることができた。

我々を載せたバスは次の目的地『足立美術館』に向かう。

 

中国道⇒米子自動車道⇒山陰自動車道と、大坂から4県目の島根県に入ったというバスガイドさんの案内に、思えば遠くに来たものだという心境になる。

 

『安来』という案内板に目がとまる。どじょうすくい安来節で有名な安来である。22年前、当家のお祝いの席で叔父が三味線をひき、ひょっとこのお面をつけた社中引き連れ「どじょうすくい」を披露してくれたことがあった。皆が腹を抱えて笑ったどじょうすくい発祥の地に来れたこと、なんだか嬉しく思えた。

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ネットで検索してたら「安来節 島根県の62円切手」を見つけた。欲しいなぁ。

「どじょうすくい」とは「土壌掬い」だとバスガイドさんに教わった。砂鉄採取の折にどじょうも掬えたらしい。

 

 

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ワクワクしながら『足立美術館』に足を踏み入れると、ほら!と庭を指さす
カーネルサンダー風の像があった。像のプレートには足立翁とある。創設者である足立全康氏の像だった。世界が認めた日本一の庭園に吸い込まれるように中へと入っていく。

 

Cimg0082 晴天ではないけれど、まずまずの景色が見られました。
お庭には桜が見当たらなかったけれど、遠くの山肌には山桜と思しき薄ピンクが点々と見えた。日本一のお庭を前にして何だが、
あっちも綺麗だった

 


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館内の廊下から撮影した「生の額絵」。自分の目で見たままに撮れないの図は、じれったい思いをします。これがそう。いや、これもそうが正しい。

 

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壁がぶちぬかれている「生の衝立」。衝立というのだから、まだその奥には部屋があるという設定?そんなことをイメージしてたから、この場からなかなか立ち去れないでいた。

 


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「生の掛け軸」 遊びココロがニクイ。

 

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白砂青松庭」 横山大観の白砂青松をイメージして造られたそうです。出番を待っているサツキが咲くとまた違った景色になるのでしょうね。

 

お庭拝見後は美術館めぐり。
横山大観・上村松園・橋本関雪は名前だけ知っているという程度で、あとは全然わからないのでざ~っと鑑賞。

橋本関雪は、京都銀閣寺近くにある白沙村荘の人、という程度の知識のみ。白沙村荘は何故か惹かれるものがあるのに訪れる機会をずっと逃したままになっている。

 

日本画以外に陶芸も展示されていた。北大路魯山人・河井寛次郎以外は名前すら知らないものばかり。魯山人は陶芸家というより料理家・美食家のイメージが強い。河井寛次郎は京都清水寺近くに河井寛次郎記念館があるので、てっきり京都が出身だと思っていたら京都は自宅で、生まれはここ安来だそうな。なるほどここに展示されることは理にかなっている。

 

集合時間まで時間があったので、館内にある「翆」という高級ソファーがある喫茶室で休憩。すべて1000円とお高め。我々はあんみつを食す。高級ソファー&景色&高額だからでしょうか、美味でしたよ。

ソファーに埋まり5万坪もあるというお庭を眺めるなんて初体験。ふとあの山も5万坪に含まれているのだろうか?と思う。あの山の向こう側から登ってこのお庭をタダで見下ろしたい心境にかられた。タダで見ようという魂胆が貧乏臭い。

 

 

バスは来た道を戻って、大山の西側2合目(添乗員曰く)にある大山ロイヤルホテルへ。今日は鳥取県泊。

 

6階の部屋から見えたのは、日が落ちたどんよりした空。遠くに目をやると、夕陽の残照が島根半島をかすかだがピンク色に染めていた。あれが島根半島かとぼんやり眺める。

 

傘のお世話にならずまずまずの初日だった。
本日のバス走行距離数310㎞(旅行会社パンフより)

 

 

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                  作品その3 やまぶき