平成25年8月19日(月) その2
間天のコルから見る景色はこれが最後だという思いから、未練がましく天狗岳全景を振り仰ぐ。かっけ~!(あまちゃん風に)
たった標高差60mと思えないものだった。
コルの西側斜面(向かって左側)↑に蟻地獄のようなどこまでも続く砂礫斜面を見つける。ここに落ちたら人間地獄で自力では這い上がってこれまい。岩稜帯が何気に口を開けて待っているように見えた。
小休止後、間ノ岳(H2907)にとりかかる。9:12

[E:book]天狗岳から見た間ノ岳のルートはこんな感じだった。

10分ほど登るとカニの爪のような岩が見える。

そのカニの爪の間を目指して登る。

間ノ岳頂上(H2909)には道標がなかったので、今になるとどれがその写真かわからない。
コレ↑を見る限り、次のピークしか写ってないので、きっとコレが間ノ岳頂上からの景色だと思う。一番奥が西穂高岳(H2908)のようだ。
この先しばらく何故か写真がないので、間ノ岳の降りが、どんなだったかてんでわからない。
2009年9月、西穂高岳から北の縦走路を見たとき、これ以上先には怖くて進めないと思った。だからその核心部通過は相当真剣だったはずである。という理由から、写真を撮る余裕がなかったようだ。
今回P1に着き振り返って見た景色は↑2009年と同じだった。よく降りてきたと思うものだったが、それほど恐怖はなかった。
遠くから見て怖そうでも、いざそこに立つとそれほどでもないことは多い。まさにここはそれだった。
山に飲み込まれないよう、何が何でもすり抜けるぞという張り詰めた緊張は恐怖ではなく、私を魅了させるものだった。

P1から見た間ノ岳。必死で通過している間に吊尾根も奥・前穂高も雲がかかってしまっていた。晴天のそれは2009年を参照
2006年にはなかったP1というペイントがあるピークに到着し、劔岳~焼岳がつながるリーチ!は、ツモ!あがり!となった。あがった場所が上等な場所だったことは感慨深かった。

今回その場に行ってわかったことだが、私は赤石岳まで行ったと思っていたのは間違いだったことに気付いた。今回のツモは黄色も含まれていた。
どちらにしても、これで劔岳~焼岳がつながった。誰と祝うでもなくひとり静かに「ありがとう」を言った。いったい誰にそう言ったのかわからない。北アルプスにか自分にか、もっと大げさに言うなら神様に対してだったのかもしれない。
ガイドがP1から撮影した我々の西穂高岳登頂バンザイ写真。私はそれほどここでの達成感はなかったけれど・・・・・

こちら(西穂)を撮影するガイドが立つP1(ツモってつながった山)を見たとき、P1を見ながら西穂でバンザイは悪く無いと思った。やったぁ~!ひとり喜びした。
期待していたロケーションではなかったけれど、背後にうっすら見えだした吊尾根がP1を引き立てていた。
西穂高岳から先は 2006年9月を参照。
岳沢小屋(標高2170m)を朝の4:30に出発してから、大小合わせて8or9つのピークをアップ1000m・ダウン700mしてここに辿り着いた。10時間の行程だった。よく頑張ったと仲間同士で褒め称える。
まだ2:30なので、ロープウェイで降りることも可能だけれど、ツアーの計画どおりに西穂山荘に泊まった。




