2012立山③

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別山乗越(標高2760)から30分ほどゆるく上がっていくと別山(標高2874)に到着。広いピークで社がある。ここまで来れたことのお礼とこの先の安全をお願いする。そして剱岳の眺めが良いという北峰(2880)へ移動。途中の硯が池は涸れていた。

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10:40 別山北峰着。ここは剱岳に一番近い場所。先客の背中が至福の時をあじわっていることを物語っている。ここで湯を沸かしてコーヒータイム。 11:20まで我々もまったり過ごす。

 

Cimg18252img_4257コーヒーカップを手に持ちアチコチ眺める。剱沢を覗きこむと剱沢小屋と剣山荘も確認できた。いつかあそこを通って裏劔に行きたいと思っている。

 

Cimg1823望遠撮影してカメラで更にアップで見ると、頂上にはたくさんの人だかり。カニのタテバイと思しきところは長蛇の列(写真をクリックするとわかります)でびっくりした。一度は登っておきたいという人が連休に集中するから大渋滞となるわけだ。因みにこの日の槍ヶ岳穂先も長蛇の列で、ピストンに4時間かかったらしい。 それに比べここ別山北峰は人は少なく快適空間だった。

 

 

 

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別山に戻ると雄山から来た人と合流する。もう一度お社に安全祈願してから雄山に向けて歩き出す。

 

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雄山までの縦走路が一望。ほれぼれと眺める。次の目的地の真砂岳までコースタイムは55分。

 

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真砂乗越から来た道を振り返る。稜線上の紅葉が色づき始めている。

 

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そして室堂方面は箱庭のよう。今朝出発した雷鳥荘からずいぶん来たことがわかる。

 

この頃から大日岳方面からガスが湧きはじめ、真砂岳に着くころには稜線は見通しが悪くなる。 

 

「この道を行けば別山に行けるか?」と対向者の何人かに尋ねられた。説明するにも目指す山が見えないので説明しにくかった。

「明日剱岳に登るので剱沢テント場まで行きたい」という相談もあった。するとそこに「私も明日劔に登るのでそこの小屋まで行きたい」という男性も加わったので、別山を過ぎてから剱沢に降りる道を見落とさないように一緒に行くことを奨めた。他人同士なので歩くペースの問題はあるだろうけど、道を見落としとんでもない方に行ってしまうよりはいい。見通しがよければ間違えない道もホワイトアウトになると方向感覚がおかしくなり間違えやすい。

 

 

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真砂岳を過ぎたところで湯を沸かしてカップラーメンを作る。

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富士の折立方面からワンサカ行列をなして来る。それを見ながらラーメンをすする。

 

休憩後、歩き出して間もなく後ろから声をかけられた。寒気と頭痛がするという若者男子が室堂に降りるなら連れて行って欲しいというものだった。

雄山に行くので断ったが、ザックのポットに沸かしたての湯があったのでまず飲ませた。汗で濡れた彼のシャツは下界で着るものだった。それでは体が冷え寒かろうにだった。着替えは上着のフリースしかないという。とにかく全部脱いで乾いたフリースに変えるように奨めた。ジーンズこそはいていなかったがハイキング感覚で来ている。装備ひとつで生死を分けるといっても過言でない。雨具や山用の服が揃っていたら、こんなことにはならなかったのにと思った。室堂(雷鳥沢テント場)に降りる人がいたのでその人にお願いした。

 

 

1:00 富士の折立に向けて出発 コースタイムは35分。

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15分ばかり降ると鞍部。左手は内蔵助カール。よく見ると内蔵助山荘から登山道があり、この雪渓を渡ってからも黒部川に向って道がついている。登山者は見えなかったが機会があれば行ってみたいと思うルートを見つけた。内蔵助山荘にも泊まってみたいし。

 

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内蔵助カールがある鞍部から富士ノ折立を上がる。

これが結構きつい。雄山方面から降ってくる『登り優先』を知らない登山者にペースを乱されぎみになる。

「お先にどうぞ」と道を譲られれば「ありがとう」とシンドさに堪え、先に登らせてもらいながら標高を稼いでいく。
一方、夫は急登に耐えかね、どうぞどうぞと下山者に道を譲ってばかりでちっとも上がってこない。足場が悪い道で待っているのは危ないので夫を置いて私は先に進んだ。

 

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1:35富士ノ折立(2999)着。これでようやく立山三山に入りほっとする。

夫を探すとまだ下の方で、続々降りてくる下山者の通過を待っている。いくら疲れていても、それでは何時までたっても登れない。ユックリでいいから、なるべく足を止めないように登らせてもらわないと。夫はペースがつかめずとてもつらそうだった。

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富士ノ折立からの景色。

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最後の急登を何とかクリアして夫も富士ノ折立に到着した。
ここまで来れば、あとは多少のアップダウンはあるものの大したことない。昨日のような雨がザ~ザ~降っても、15分ぐらいの所に大汝休憩所があるので大丈夫。

 

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大汝休憩所でコーヒータイムした。今日は子どもを背負うお父さんを何度か見かけたが、大汝ではお母さんも背負う4人家族を見た。(15キロはあるはず)トレーニングなんだろうか?
大汝休憩所の後ろが大汝山(おおなんじ)3015m。

 

Cimg1838 大汝山というプレート越に室堂がかすかに見える。以前来たときは、剱岳の眺望がよかったけれど今日は真っ白で何も見えない。

 

さて最終目的の山、雄山(おやま)2991mに向かう。

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雄山神社がすぐそこになってきた。この頃からガスが切れ時々青空が見えるようになる。

 

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3:25雄山に無事到着。夫の還暦のご祈祷をしてもらう。そう今回は還暦記念登山なのだ。大義名分を作って夫を引っ張りだしたのだ。

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標高3003mにある雄山神社は日本三霊山(富士山・白山・雄山)のひとつである。この時はまわりは真っ白だった。

 

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こんなところに社があるのです。

 

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鳥居の脇に咲いていたイワギキョウ。

 

社務所前で休憩していると・・・・・ 

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ブロッケン現象が現れた。山をやり始めて10数年、初めてのブロッケンだった。自分の影が虹の輪のなかに浮かぶ。不思議な現象ではしゃいだ。還暦記念登山の雄山でブロッケン現象を体験できたことは何か意味があるような気がした。

ブロッケン現象
太陽などの光が背後からさしこみ、影の側にある雲粒や霧粒によって光が散乱 され、見る人の影の周りに、虹 と似た光の輪となって現れる大気光学現象 

 

4:00 一ノ越に向けて下山する。

Cimg1869 最後のこの降りは覚悟していたが、朝から9時間強歩いた足でこの急坂を標高300m下降するのは実に大変だった。ここまで無事に来て転倒するわけにはいかない。最後まで気を緩めず歩いた。それにしてもきつかった。

 

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4:35 一足先に私が一ノ越山荘に到着。

 

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10分遅れで夫も無事下山。朝から10時間。計画より1時間オーバーだった。
体力低下著しい夫のために、これからは少し軽めのコース設定にしようと思う。

 

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夕飯はシチュー。山小屋でシチューは初めてだったが疲れた体にはよかった。

 

小屋のストーブに火がはいっていた。小屋番曰く「明朝はもっと冷える」

部屋は夫とふたりきりなので寒い。8時に布団に入ったが寒くてなかなか寝付かれなかった。夜中も [E:typhoon]風の音で何度か目が覚めた。一の越の夜は寒かった。

 

出発地  :雷鳥荘       2372m     6:45発
到着地  :一ノ越山荘      2705m     4:35着 
 
標高差  :  A   995m    3時間37分      
        D   603m     1時間38分              
行動時間:                       9時間50分

ピーク      3015m(大汝山)    

                               つづく