平成24年9月16日(日)[E:sun]
夜中に目が覚めることなく5:30起床。6時の朝食に並びに行くと、あれまぁ~行列がない。部屋に戻るのも面倒なので先頭で待機していると、あっという間に列ができた。
雷鳥荘の朝食はバイキング形式。好きなだけ選んで好きな場所でとる。
山小屋は宿泊料先払いと決まっているが、ここ雷鳥荘の宿泊料は後払い。因みに温泉なので宿泊料(8800円/人)以外に入湯税150円が必要。
支度を済ませ外に出る。スタートラインに立ち今日の行程を一望する。
どうだ、今日はいいぞ、と山が私を誘う。妄想の世界に没入するには絶好のシチュエーションだった。
まずはここ雷鳥荘(標高2372m)から足元に見えるテント場(2260m)まで100mほど降る。そして◯の劔御前小屋(2760m)まで500m上がる。
雷鳥坂に陽が当たる前に少しでも標高を稼ぎたい。 ◯までのコースタイムは2時間20分なので休憩含めて3時間あれば行けるだろう。
6:45雷鳥荘出発。
7:00テント場着。私は一度もここにテントを張ったことがないので、テント泊の人たちを羨ましく眺める。
アザミ越しに白く見える山は立山三山。右端の雄山に着くのは8時間後かな?
左)テント場から称名川を渡り、山に入っていく。
右)いきなり道を間違えていることに気づく。地図で確認すると陽があたってる目の前の尾根の向こうが登山道のようだ。
戻るのも面倒だ。一面のチングルマをなるべく踏んづけないように、ゴメンよゴメンよと言いながら進路を変える。
軌道修正成功。登山道に入り一服する。ナナカマドの紅葉はまだ早い。
南を振り返れば、今朝出発した雷鳥荘・地獄谷・テント場・称名川が箱庭のように見える。
西はるか遠くに赤い屋根の大日小屋を発見(望遠撮影)。あそこまでなら今日中に行ける。そんなことを考えながら剱岳見たさにせっせと雷鳥坂を登る。
9:27 劔御前小屋に着。10年前ここを通過したとき、泊ってもいないのに入口で記念写真を撮った。あの頃は自分を入れて記念写真をよく撮ったものだ。今では自分を入れて撮ることはほとんどしなくなった。
幸運にも剱岳はくっきりと見えた。これが見たくてここまで来たのだからせっせと登った甲斐があったと喜ぶ。
2002年8月にこの剱沢を降りて剱岳に登ったとき、ここには雪渓はなかった覚えだ。これだけ雪渓が大きく残っているということは、本当に今年は梅雨時の雨量が少なかったということがわかる。当然黒部川の水量も少ないはずだ。
しかし今年は解けることがないとなると、あの下の高山植物はどうなるのだろう。自然界って本当に興味深い。
劔岳から右奥に目をやると白馬三山が見えた。縦走したときのことを鮮明に思い出す。その時の記録をちょっと載せます。
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2002年8月テント縦走 猿倉⇒大雪渓⇒白馬岳でテント泊⇒杓子岳
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上記のような楽しかった思い出と、同行したE氏が現在癌闘病中だという現実が入れ替わり頭に浮かぶ。別山乗越から遠望した白馬三山は私をいたたまれない気持ちにした。
9:45 気をとり直して別山に向けて歩き出す。
左)別山から雄山への縦走路を見て、とにかく嬉しくて仕方がなくなった。あそこまで歩いていくのだという強い意志は人を幸せにするものだと思った。