津和野・萩の旅を初めから読む方は
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松蔭神社をあとにして北へ進路をとる。目指すは松本川のいちばん北にかかる雁島橋。
🚴♀️ 🚴♂️🚴♀️ てな具合で、後続のふたりはヘトヘトだということはわかったが、私は雁島橋を探すので必死[E:coldsweats02] とにかくついて来て!と無情にも自転車を止めることはなかった。(実は少し遠回りをした)
雁島橋を渡り三角州の中に入る。PM4:00ころ。
橋を渡るまではよかった。ひとつ道を間違えたら変な方向に出る浜崎地区は要注意なので、三叉路に出てたところで自転車を止める。するとそこに「私に聞きなさい」という顔したオジサンがやってきた。ラッキーとばかりに「ここへ行きたい」と地図を見せる。
それがこのオジサン、「これがアレでぇ、これがソレ??・・・わっかりにくいなぁこの地図」とくるくる地図を持って回りだす始末。しかしこのユックリズムなお陰で、オバサン3人はユックリできた。
魚介類の水揚場だった萩港に近く、商家町として栄えた浜崎地区。今日はお祭りだと聞いたのだが、早くも片づけが始まっていた。
伝統的建造物指定の商家を訪ねる。テレビの時代劇ドラマでよく見る、ホラ、入ってすぐの土間から帳場にあがれるようになってるアノ造りだった。
小さな浜崎地区はあっという間に通り過ぎてしまった。そうなるとあとは宿に戻るだけ。頭の中の地図を頼りに海に出る進路をとる。だんだん潮の香りがしだす。
広々とした菊ヶ浜海岸(萩湾)に出たとき、江戸・明治の色濃い街並みから抜け出し、現代に戻ってきたように感じた。PM4:30。潮風は疲れを癒すものだった。
指月山で始まり指月山で終わる・・・としばらく感慨に浸る。
先程までヘロヘロで着いてきていた友達2人は、ここに来て景色を眺めることもなく俄然張り切って自転車を飛ばす。その友達の小さくなっていく後ろ姿もいいものだった。あれだけ元気が残っているのだから、今日の行程はまずまずと自負する。
犬の散歩やウォーキングする人たちとすれ違う。菊ヶ浜を自転車を引きながらクールダウンした。
菊ヶ浜は日本百選に選ばれている。なるほど!私が魅入ったのは正しかったと看板の前でひとりで納得していた。
宿で自転車を返す。思えば長い一日だった。無事返却できてほっとする。
計画より早く宿に戻り、時間を持て余していたら、宿の計らいで♨️に入れてもらえることになる。
昨日と同じ萩焼のタイルと思しきその温泉に。決まり文句のはぁ~で疲れを抜く。
短い時間で大慌てのお風呂だったが、汗を流せてさっぱりと宿を後にすることができた。
東萩駅まで宿のバスで送ってもらう途中、もう一度菊ヶ浜を見る。もう訪れることはあるまいと思うと去りがたかった。
PM5:50発、新山口駅行きJRバスに乗る。居眠りしながら40分ばかり揺られ新山口駅に着くともう夕暮れだった。
新山口駅前も早くに店じまいする町だった。
名前に引かれて『山頭火』という食堂に入る。店員さんに尋ねて、種田山頭火が山口県の出身だということを初めて知る。放浪の旅の果て、四国の愛媛で亡くなったことは知っていたが、生まれ育った地のことは知らなかった。新山口駅のとなり町の生まれとのこと。せっかく山口県を訪れたのに、山頭火のことを知らずして帰ってはちょっと恥ずかしい。最後の最後まで勉強になる旅だった。
PM8:06発の新幹線に乗る。今回の津和野・萩は楽しいかったねぇと最後までおしゃべりに興じるオバサン3人だった。
PM10:50名古屋駅着。またねぇ~と解散と相成る。
ついつい友達を振り回すという反省点は残るが、幕末が色濃く残る萩は本当に楽しかった。
PS まだお終いではありません。つづきます。




