平成23年7月17日(日)[E:sun] 3日目
4:30 朝食(1回目でした)
5:30 [E:event]黒部五郎小舎2350出発
笠ヶ岳がこんな近くに見えたのには驚き。
コバイケイソウが咲くテント場に続く小道は私を釘付けにした。
なんとも静かないいテン場だこと。
なぜもっと元気なうちに、テント担いでここに来なかったのだろうと思った。あ~あ。
小屋泊の楽ちんさを覚えてしまい、今ではもう重いテント担ぐ自信がない。
山ガールもテント担ぐウサギも、もう無理・・・ショボン
2009(H21)笠ヶ岳から抜戸岳に向かう途中で、黒部五郎小舎を見たことを思い出す。
それがこれ↘
2年前に見た景色↗の中にいる自分を想像して遊ぶ。改めて見るとなかなかいい写真。
朝からいきなり標高150mほどを直登。たまに巻き道があるのでそっちへ。
しばらくすると樹林の隙間から五郎が見えるようになる。
うんとこどっこいしょ。樹林帯を抜けると右手にどっしりとした山容の笠↑が現れ・・・
左手には五郎が両腕を広げている↑ 立ち止まらずにおられましょうか。
五郎よ。もう一度そのたくましい両腕に抱かれたい。あぁ、もう一度・・・・しばし自己陶酔。
(こんなたわごと目障りでしょうから、字を小さくしときました。)
雲ノ平は黒部川を挟んだ対岸なのだが、ひょいと行けてしまいそうなぐらい近く感じる。(直線距離で4㎞弱。)
昨年9月、天気が悪くて双六で引返したので雲ノ平は未踏の地。新穂高から2日、下山に2日。高天原経由を考えているので、最低でも4日を要する。出なおすとなるととても遠いところだ。そんなことを考えながら、ずっと北に目をやり裏剣のことも思う。
ミヤマダイコンソウ(バラ科)草丈10~30 タカネヤハズハハコ(キク科)草丈10~20
山友Aに、たわいもないことを話しかけたら、とても機嫌悪い返事。3日目ともなると疲れるし、関係もギクシャクしてくるのは確かなこと。触らぬ神に祟りなしで私はペースを上げAと間をあけた。
8:26 [E:fuji]三俣蓮華岳2841に着↑ 2004年以来の登頂。今回も360度の景色が素晴らしい。
[E:event]黒部五郎小舎2350から[E:fuji]三俣蓮華岳2841まで2時間50分(CT2時間20分)
三俣蓮華岳の北は富山県、東は長野県、南は岐阜県と3県をまたいで(三俣)いる。
東の長野県側には北アルプスのランドマーク槍↑がデンと構えている。穂高稜線の岩稜帯は要塞のようで圧巻。
右)鷲羽岳~野口五郎岳~白馬の稜線が長野と富山の県境。
ということは水晶岳~赤牛は富山県の山なんだ。(←よくわかる地図)
三俣山荘は箱庭のようだ。
西の遥か彼方に見えるのは日本海↑(富山湾)だと思う。写真には写っていないが五郎岳の左後に白山が小さく見えた。
北ノ俣岳~黒部五郎岳~ここ(三俣蓮華岳)までが富山と岐阜の県境。ちなみ太郎平~黒部五郎岳~三俣蓮華岳はダイヤモンドコースというそうだ。
景色を堪能していると息を切らしたAがやってきた。ずいぶん疲れている様子なので大休憩(45分間)する。少しお昼寝もした。
9:15 三俣蓮華岳から双六岳↑に向かう。ここからは長野と岐阜の県境歩きになる。
今日の目的地は双六小屋だが、昼に到着してしまうので樅沢岳(モミサワ)↑をピストンする。
穂高稜線、槍ヶ岳の西鎌尾根~北鎌尾根、大天井岳~常念岳を眺めながら南下していった。
蓮華谷を挟んで今朝登ったルートをじっと見つめていると、アル中([E:beer]ではありません)がふつふつしてきて気持が高揚する。限りなく続く稜線の点(ピーク)と点をつなぐ遊びはやめられない。
ハクサンチドリ(ラン科)草丈20前後 コバイケイソウ(ユリ科)草丈50~100
このあたりは、お花が豊富だった。クロユリもあった。
Aはしきりにカメラを向けている。付き合いきれないので私はAを置いてきぼりにして先を歩いた。
しばらく行くとライチョウの親子に出会う。3羽のヒナを連れていた。[E:chick]あっち[E:chick]こっち[E:chick]勝手に散らばるヒナを天敵から守ろうと親はテンテコマイしてた。
あとで知ったのだが、ちょうどこの頃ヒナが産まれ、勝手に動き回る子らの面倒をみる親は猛烈に忙しい時期だそうだ。小屋近くだと人間がいるのでまだいいが、小屋から遠い登山道では全滅することが多いらしい。可愛く見えるオコジョも天敵だ。
あとから来たAはライチョウを見なかったいう。ちょっと自慢気に話したら、Aは非常に残念がった。見た、見られなかったは日頃の行いのなせる技?
10:36[E:fuji]双六岳2860着。 眺望の良さは申し分ない。
左)頂上近くはだらっとした台地になっている。槍ヶ岳3180との標高差は320m
右)今度はアソコに行きたいなぁと目星をつける。
[E:fuji]三俣蓮華岳2841~[E:fuji]双六岳2860まで1時間20分(CT1時間)
双六は裏銀座コースも通るジャンクションなので、登山客がワンサカ。昨日まで静かな山奥にいたのでちょっとうるさくもある。
今日は時間がたっぷりあるので、山ガール山ボーイなど人間観察なんかして45分も頂上で過した。
11:25
双六岳下山開始。この先、槍まで行けたら最高なんだけど。
だらっとした台地が終わると進行方向を鷲羽に向ける。雪渓横は足場が悪かったので、後続のAを待って安全に降った。やがて中道や巻道が合流し樹林帯に入っていく。登ってくる人に道を譲りながら双六小屋に降りた。
12:15[E:event]双六小屋2600着。小屋前は多くの登山客で溢れていた。湯を沸かしカップラーメンを食べる。
12:50小屋前にザックを置いて、空身で樅沢岳(モミサワ)2755へ。少しでも穂高に近づこうというわけだ。
樅沢岳から見る笠ヶ岳は、すっかり姿を変えていた。 ハクサンイチゲと笠ヶ岳。
1:20[E:fuji]樅沢岳2755着。
穂高がさらに近くなり、そのまま西鎌尾根を行きたい心境になる。明日には帰らなければならず、なんとも残念無念。明日は鏡平小屋経由で下山。1時間近く樅沢岳で過した。
ちなみに樅沢岳は新穂高温泉を流れる蒲田川の左俣源流域になる。
3時ころ[E:event]双六小屋に着き、宿泊手続きをする。
入口に近い4人部屋だった。じきにワンサカ宿泊客が到着し、兵庫からの若い女子2人と同室となる。
夕食は昨日の黒部五郎小舎と同じく天ぷらだった。大勢の人と食べた。
名古屋弁丸出しでしゃべるAに隣のご夫婦から、「どちらから?」と声がかかる。Aが「名古屋からだがねぇ」と答えると「NHK大河ドラマ『江』の秀吉のお母さんと本当に同じしゃべり方ですね」と言われ大爆笑。先週の『江』の話題で盛り上がる。Aは『江』を見ていないので会話に入れず静かにしていたのでやれやれ。
部屋に戻ったら、兵庫の女子にも「どちらから?」と聞かれ、もちろん秀吉の母親の話になり江の話になった。この北アルプスで、Aの名古屋弁から『江』の話に花が咲くとは思わなかった。さすが全国区のNHK大河ドラマだけある。
TPOかまわず頑固にも名古屋弁を貫き通すA。名古屋市長の河村たかしもしかり。バイリンガルになれとはいわないが、標準語を使ってみやぁ~!モトイ。使いなさ~い!
そう思う晩だった。
出発地 : 黒部五郎小舎 2350m 5:30発
到着地 : 双六小屋 2600m 2:50着
標高差 : A 950m 2時間55分
D 687m 1時間46分
行動時間: 7時間30分