2011北アルプス夏山縦走(タロウ~ゴロウ)③

平成23年7月16日(土)[E:sun] 2日目

5:00 朝食
6:00 [E:event]太郎平小屋(標高2330m)スタート。

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                       今日のコースは緑色

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太郎山2373、北ノ俣岳2661、赤木岳2622、黒部五郎岳2839を越え、カールに降り、黒部五郎小舎2350までのロングコース。アップダウンを5~6回ほど繰り返しながら南下する。 

 

あの遠くに見える↑黒部五郎岳までのコースタイムは5時間。さらに2時間降って黒部五郎小舎へ。あちこち眺めるから9時間前後で着けば上等かな?
のんびり行きましょ、レッツラゴー!(フルッ!)

 

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まずは小屋の裏の太郎山2373m↑へ。
小山だ!楽勝!・・・と侮ってはいけない。朝一番の登りはしんどいんです。
6:14[E:fuji]太郎山着

 
 

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太郎山からは一度降って次の目的地、北ノ俣岳2662mへ。チングルマやハクサンイチゲが咲き乱れるお花畑を行く。どんどん、この世の楽園へ分け入って行く。

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          ハクサンイチゲ                ミネズオウ(花は1㎝弱)

 

 

 

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8:40 [E:fuji]北ノ俣岳2662m着。道標の後の山は薬師岳。違った角度で見る薬師岳もまたいいものだ。

太郎平小屋2330~北ノ俣岳2662まで2時間20分(CT2時間)

 

 

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9:51 黒部五郎岳の直登↑に近い尾根道がはっきり見えるようになる。まだ登っている人は見えない。右奥に笠ヶ岳が見える。さらにその右奥は乗鞍かな?

 

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歩き始めて4時間。振り向けば↑、ここまでの縦走路が見渡せ、ずいぶん進んだことがわかる。

 

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9:54今日3つ目のピーク[E:fuji]赤木岳2622。この道標の後を少し登ったところがピーク。もちろん登った。
道標に「この付近に雷鳥多い」と書かれている。今日は[E:sun]。天敵に狙われやすいので雷鳥は姿を現さなかった。

 

北ノ俣岳2662~赤木岳2622まで1時間(CTは30分)このあたりはのんびりしすぎた? 

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                           チングルマ(バラ科)

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11:10 黒部五郎岳↑がずいぶん近くなる。中俣乗越で先頭が休憩している。アソコを目ざして降る。 

 

このあたりはテント装備のソロ女子と前後して歩いた。ソロで大丈夫かなと思うほどのか弱き女子だった。大きなお世話だが、特に降りが危なっかしくて見てられなかった。

 

 

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腹ごしらえをすませ、黒部五郎岳の登りにとりつく。
肩に着くと今まで見えなかった景色↑が見え、おぉ!思わず叫ぶ。カールを間近に見て感動を覚える。

 

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ザックを五郎の肩にデポして、今日最後の登り、頂上↑を目指す。

 

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13:00[E:fuji]黒部五郎岳着。
運よく登山客は私を含め3人。静かな五郎岳頂上だった。

北は立山まで遠望できた。
「薬師岳よ、私はとうとう五郎まで来ましたよ。」そうつぶやいた。(Twitterではありません)
劔岳からここまで、私は歩きつないだと思うと嬉しさがこみ上げてくる。

 

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東は↑穂高が一望。自分が歩いた稜線を目で追いながら北アルプスに酔いしれた。

 

ふと我に返ると、無性にせつなくなった。
・・・・・・私にはまだまだ行きたい所があるから、ここにはもう来られないだろうな、多分、ゼッタイ・・・・・そう思うと、ここを立ち去るのは残念で仕方がなかった。

赤木岳2622~黒部五郎岳2839まで3時間(CTは2時間30分)
太郎平小屋から黒部五郎岳までCT5時間だが7時間(休憩含む)もかかってしまった。

 

感動とせつなさを胸に、肩まで下山しザックをうんとこしょと拾い上げ、頂上から見たルートでカールに降りる。

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               シナノキンバイ              ハクサンイチゲ

Cimg0098                            ミヤマキンバイ

標高100mほど急降下する。険しい登山道だったがお花が咲き乱れている。
足元に気をつけながら花を愛で、五郎岳を見つめ空を見上げる。そんな繰り返しでカール底に降りていく。

 

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1万数千年前の氷河が谷を削り、五郎カールが出来上がったという。
途中で立ち止まり↑、はるか彼方に思いを馳せる。 

 

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15分ほどでカールに降り、しばらく行くと雪渓から水があふれ出す所に着いた。うわぁ~これだ!私が求めていた景色だ!

 

鷲羽岳からの最初の一滴が黒部川源泉という話は有名だが、この五郎カールの雪解け水もやがて五郎沢となって黒部川に流れこむ。念願の五郎カールの源泉に立つことができ、嬉しかった。

 

手をつけるとしびれるほど冷たかい。おいしくてごくごく飲んだ。これ以上のものはあるまい。水筒に詰めた水は小屋に着くまでになくなってしまうほど冷たくおいしいものだった。
しばらくまったりとした。 

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カール内の緩やかな流れに沿って軽快に降って行く。するとコレコレ!と呼び止められる(ような感じがした)。真っ二つに割れた巨岩↑だった。このありえない光景を目にし足がすくんだ。3・11を思い出すものがあった。畏敬の念を抱く。

 

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稜線から流れる雪渓を渡り樹林帯に入って行くとサンカヨウ↑・キヌガサソウ・ベニバナイチゴがたくさん咲いていた。

 

小屋はまだかまだかと樹林帯を1時間ほどゆるく降った。
いい加減いやになってきたころ・・・・

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赤い屋根の黒部五郎小舎が目に入りほっとする。頂上から見た小屋はそんなに遠く感じなかったが、ここまで歩いてきて、カール底がいかに広いかがよくわかった。登りの到着でないだけマシだが疲れた。

 
黒部五郎岳2839~黒部五郎小舎2350まで2時間10分(CT1時間50分)

 

他の登山客に混じって小屋前でくつろぐ。テント場が近いせいか山ボーイ山ガールが目立つ。私は山スカートなるものをジロジロ眺めては、自分がソレを履いた姿を想像したりして過した。

 

部屋は男女混合15人くらいだが、布団はひとり1枚なので快適な方。ただザックは部屋に持ち込み禁止なので廊下は混雑した。水は豊富なので小屋前は流しっぱなし。

 
 

夕食は2回目だった。しかし、たったの5人。
揚げたてのてんぷらが美味しかった。写真がないので何だったか忘れたが、アツアツだけはよく覚えている。そばもあったような記憶。

 

一緒に食べた5人の中に、今朝、折立から来たという超健脚夫婦がいた。それも御主人は夜行でマイカーを運転してきたとのこと。明日は高天原だと言っていた。私とそんなに年は変わらないと思うのだが、信じられない体力にたまげた。

 

夕食後部屋に戻ると驚く話はまだあった。隣の布団だった3人グループは、今朝、新穂高から来たという。

まったく我々はどんだけ~のろま! これでは山姥? Aは間違いなく山姥だが。

そんなこと考えながら、ウサギになった山ガールを夢見て眠るZ・Z・Z・Z・Z・・・・・ 

 

          出発地  : 太郎平小屋   2330m 6:00発 
          到着地  : 黒部五郎小舎 2350m 3:38着
          標高差  : A 832m    3時間23分
                  D 837m       2時間46分 
          行動時間: 9時間38分