
平成23年6月19日(日)[E:cloud]→下山時[E:sun]
5時少し前に起き支度にとりかかる。早立ちなので朝食は昨晩に作ってもらったおにぎり。
出発前に食べる者、途中で食べる者といろいろ。私はバナナを食べる。
外に出ると明神岳Ⅴ峰の頭が見えたり隠れたりしていた(↑写真)。
5時半出発予定が、昨晩の深酒でなかなか起きてこない男性1名のせいで6時出発となる。山の30分は貴重なので当然文句が出る。しかし仲良く?元気よく!出発。そこが山仲間のいいところ。
6時嘉門次小屋出発。 信州大学上高地ステーションを通過すると新しい橋が出来ていた。
なんと「ひょうたん池」という案内板まである。
↑以前は朽ちた橋だった。この先は一般登山道でないので熟練者と入らないと危険です。私は山の会の案内付きです。

ふたつ目の橋は古いまま。しかも昨日の雨で濡れている。コレハスベルゾ ! 格好悪いが安全第一で這いずって渡る。無事通過し笹薮を歩いていると後方で「落ちたぁ!」と声があがる。 アチャー。男性、腰までびしょ濡れ。雪解け水なので冷かろうに。引き返すかと思ったら着替えだすので待つこと15分足止め。みな内心穏やかでないが、気の毒な姿を見ると文句も言えない。足もとに咲くクルマバソウ↓が相手をしてくれたので気が紛れた。
下宮川谷を標高1700まで上がり、右の枝沢に入る。樹林帯の急登で暑い。
しばらくして、男性1名体調不良を訴える。結局リタイヤした。([E:beer]ノミスギチュウイ2ゴウ!)

おちょぼ口のヤマシャクヤク発見! 右写真は下山時。開花しても品よくここまで。
標高1900付近でカモシカ発見! 逃げることなくじっとしている。かわいいカモシカだった。

ハプニング続きだったので宮川のコル(1944)まで2時間半も要した。スットクを指す方にあるはずの明神岳はガスで見えない。ガレガレの中を落石に気をつけながら行く。
山を愛しちゃったんだね
ずいぶんでかいやつをすきになったな
山も君を愛してくれるかい
上宮川谷を渡ると、明神岳Ⅳ峰東稜末端に慰霊碑がふたつあった。そのひとつが上の写真。Ⅳ峰からこちらに滑落したのだろうかと見上げると、ムラサキヤシオとイワカガミが垂直の岩壁に張り付き、故人を偲ぶかのように垂れ下がって咲いていた。
もうひとつの方は、「昭和42年1月1日22歳、ここに眠る」と書かれていた。生きていれば67歳か。まだ十分山をやれる年齢だ。そう思うと胸が痛んだ。
弱々しい樹高1m程のミネザクラがぽつんと一本、花をつけていた。人間にない生き延びる力に胸を打たれる。

長七の頭下まで来ると雪渓が現れる。アイゼンを履き、長七沢を50mほどトラバースする。

雪渓での落石は音もなく突然やってくる。トラバース途中で明神岳を見上げる↑と、落石しそうな不気味さがあった。案の定、ラストが渡るとき落石があり大声で知らせた。見ていて怖かった。
全員無事に雪渓を渡り、雪解けの急斜面をアイゼンのままよじ登る。

オオバキスミレ↑・エンレイソウ・ミヤマキンバイ・サンカヨウ・ヒメイチゲ・・・・・そこは咲き始めたばかりのお花畑だった。踏みつけないように歩く。
笹を掴んで無理やり上がったところがひょうたん池↑だった。9:55標高2300。池は雪の下。姿を現すとひょうたんの形をしているそうな。 (ひょうたん池から北を見る)

長七の頭2320↑を目指す。そのピークは2~3人で満員。どんよりとした空で見通しがきかない。

長七の頭にも、ひ弱なミネザクラが花をつけていた。イワナシ↑も花を付けている。長い冬をじっと耐え開花した姿は実に愛おしい。
せっかくここまで来て明神岳の全容が見られないのは残念だったが、ひょうたん池に立ち、4池を踏破できたことが嬉しかった。あくまでも自己満足。
<私が勝手に決めた北アルプス4池の記録>

①奥又白池2003/6/24 ②北穂池2008/9/4


③天狗池2009/8/13 2010/10/10 ④今回のひょうたん池
<稜線から見える4池>
①の奥又白池は前穂高岳頂上から見える。ひょうたん池も位置的には見えそうな気がする。そう思うと前穂に確認しに行きたくなる。
②の北穂池は、北穂高岳(↑左写真)や南岳(↑右写真)から見える。
③の天狗池↑は南岳から槍方面の稜線から見える。
ひょうたん池で1時間近く過ごした。ガスの切れ間に見えた東稜からの明神岳。私が行ける領域でないことは見てわかった。
10:50来た道を戻る。ガレた降りは難儀した。浮石に注意しながら踏ん張って降りるのは実に辛いものだった。
左:ウメハタザオ
右:オオカメノキ(秋に赤い実をつける)

下山時に見たⅤ峰は立派だった。Ⅴ峰は岳沢から入り、Ⅴ~Ⅳ~Ⅲ~Ⅱ~本峰~前穂と行くらしい。あそこからはどんな景色が見えるのだろう?行けるものなら行ってみたい。誘われるものがあった。
帰りの橋では落ちる者はなく、13:30嘉門次小屋に無事戻る。
いろいろハプニングがあったが、山仲間のお陰で楽しい山行だった。おしまい。














