平成21年6月21日(日)[E:rain]
朝起きたらやはり降っていた。聞けば、夜中から降ったり止んだりだったそうだ。
雨なので、無理をせず行けるところまでにして、アイゼンを小屋において出た。そのほうがあきらめがつくし、その分ザックが軽くなってよい。
8:00、嘉門次小屋↑を出発。ひょうたん池まで行かない(行けない)のだからこんな時間でも大丈夫。ちなみにこのルートは、一般登山道でないので経験者と入ります。
信州大学上高地ステーションの横を抜け、サルの親子に見送られながら明神岳に入る。
元養魚場の脇を通って、朽ちた橋を渉る。下宮川谷に入っていくにはここを行くしかないらしい。この雨で滑って橋から落ちても不思議でないほど怖いものだった。
樹林帯の中で、下山してきたひとりの若者に会った。話を聞けば、昨晩はひょうたん池でテント泊したそうな。マニアックだ。この雨の中、お互いの安全を祈って別れる。
20分ほどで樹林帯を抜けゴーロ谷に出る。雨のなか谷をつめる。マーク(このときはケルンあり)から右側の谷(樹林帯)に上がる。ここの目印はわかりにくい。経験者でなければ見落としてしまいそうだ。その後のヤブこぎは暑くってたまらなかった。
途中1回休憩して宮川のコルが見える広いところに出た。遮るものがないので雨が横から降ってくる。ガスっているので目標とする山が見えない。道は不明瞭。浮石多し。ザレ場では一歩進んでは半歩ずり落ちる。そんなふうで近くに見えたコルになかなか着けなかった。気づけば左側にずれて登っているし。ぽつんと一本だけ立っているカラマツに進路を向け(右側に)トラバースした。このカラマツはきっと嘉門次小屋から見えた木だと思った。
カラマツの大木に9:50着。標高2060m。嘉門次小屋から2時間ほどだった。本来なら明神岳が近くに聳えているのだろうけど、この雨で何も見えなかった。「そんな簡単には見せてやれないよ」と明神岳が言っているような気がした。
この先にある岩壁のレリーフまで行く予定だったが、下山の事を考えると、そこまでの往復30分がとれないと判断し、雨の中で小休止し下山した。
10:10下山開始。
一瞬、靄が切れ梓川が見えた。嘉門次小屋も明神館も見えた。
下宮川谷に降りたら(H1700)雨が上がり、徳本峠の方がよく見えた。
沢にかけられた怖い橋を渡り、元養魚場を通って信大上高地ステーションに12時無事降りた。下界はピーカン[E:sun] 日差しが強かった。
明神館に戻り、雨具を干してザックをひも解く。あそこまで行ったのだと明神岳を見上げながらおにぎりをほおばる。食後、抹茶を点て一服した。何ともいえない至福のときだった。
[E:note]また来るときには笑っておくれ・・・明神岳に見送られ、明神館を後にした。
しばらく歩くと、梓川を挟んで西穂高岳が見えてくる。素晴らしい景色にうっとりする。
難なくバスターミナルまで歩き、タクシーに乗る。釜トンネルに入る前に穂高に別れを告げた。
沢渡でマイカーに乗り換え、温泉に入って名古屋に帰った。
目的地「ひょうたん池」まで行けなかったが、入れないと思っていた明神岳に入る事ができ満足だった。またいつか明神岳が呼んでくれる日を待つ事にします。
お粗末な山行記でした。おしまい






