北アルプステント泊②(北穂高岳)

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2008年10月11日(土)

「現在の気温11℃」のなかで目が覚めた。
昨晩は寒くもなく快適だった。

5:30[道の駅]から[沢渡茶嵐駐車場]へ移動する途中、予報どおり雨が降り始める。

駐車場は2泊3日で1500円。
(月曜日戻ってきたときに聞いた話だが、この土曜日は5~6箇所ある沢渡の駐車場はどこもいっぱいで、松本ICを降りたあたりから渋滞だったそうな。名古屋を朝に発っていたらとうてい駐車できなかった)

駐車場でタクシーを頼む。
近年、上高地まで4000円の定額制になったので4人集まればバスの片道と変わらない。
我々を乗せたタクシーは満員のバスを追い越し、釜トンネルをスイスイ走って20分ほどで上高地に入った。

           

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晴れていたならば満員のベンチも、この雨では誰一人寄り付く気配なし。

全国から集まったアルプス病患者の行列がここから始まる。
それにしても雨具はカラフルで綺麗だ。

6:50私は傘を差して歩きだす。(ほぼ平坦な横尾までは傘で体力温存)
この雨では、上高地を楽しむどころでない。
「横尾までには雨よ上がってくれ」と祈りながら歩いた。

8:00第一休憩所の[明神]に着く。
ものすごい登山客である。
我々は、ここで朝食。
わずかな軒で雨をよけながらおにぎりをほおばる。ちょっと寒い。

次の休憩地点の徳沢に向かうころ雨が小止みになってくる。
しかし止むでもない様子に「涸沢に着くまでには雨よ上がってくれ」と許容範囲を広げ祈る。

           

          Img_0755jpg90    

[徳沢]に着いた途端、雨が上がる。
私をはじめとする登山客の願いが通じたのだと思った。

[E:upwardright]暗かったテント場に光が差し一気に明るくなる。
やっぱり上高地はこうでなくっちゃ、と、小さくガッツポーズ。
「また来たよ。帰りも寄るからヨロシクネ」とハルニレの大木に挨拶する。

その後、どんどん青空が広がっていった。
本当に嬉しいな・・・と何度もつぶやく。

梓川を挟んだ前穂高を眺める[E:downwardright]
登山客の多くを立ち止まらせるこのスポット、何度見ても素晴らしい。
雨で洗われた山は色濃く、全容を見せずとも、どっしりとした風格があった。

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日が差し暖かくなってきた[横尾]は、登山客であふれかえっていた。
雨具を脱ぎたたむ者、パッキングしなおす者、食事をする者、どの顔も楽しそうだった。

ここから槍に上がるものと涸沢に上がるものが分かれる。
が、8:2で涸沢がほとんどでしょう。

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[E:upwardright]10:38横尾大橋を渡り涸沢に入っていく。
標高700mを3時間で上がれるかな?

          Img_0767  

紅葉の屏風岩はまた格別だった。
何度も見上げては綺麗だとつぶやく。[E:upwardleft]本谷橋に11:47着。

この先は、大行列で進むことになる。

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左)本谷橋から30分ほど(12:53)涸沢をどんどん詰めていくと右奥に涸沢カールが見えてくる。
右)さらに30分登ると遠くにヒュッテとテント場が見えてきた。
が、まだまだ1時間登らなければザックはおろせない。

このころから背中のザックが肩にずっしりきて、肩も足もきつかった。
(今回の夕食は小屋でとることにしたのでザックは14㎏ほどだが、それでも久々のテント泊の荷物は重くきつかった)

[E:upwardright]右のような写真が見えてきたころには、太ももがさらに重くなり思うように上がれない。
テント場までの最後の10分は、きついきついきつい・・・・自分の足でないようだった。

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満員のテント場で、よい物件を探す。
よし、ここ!とザックをおろしたのは14:18だった。

大行列だった割には、本谷橋からコースタイムで来れたようだ。
北アルプスの紅葉に包まれたら、きつかったことなんてすっかり忘れていた。

このテント村の住民票(テント申込)提出も長蛇の列だった。

今年のテント場は、史上最高の600張りだったそうです。
それにしてもすごいですね。

テント設営後、湯を沸かし一息つき、1時間ばかり横になった。
テントの良いところはこれですね。

日が沈むと気温が一気に下がった。
5:30から涸沢ヒュッテで夕食(2000円也)をとる。
(荷物軽量化のため今回はヒュッテで夕食を頼んだ)

このとき、先月北穂池のガイドに偶然出会う。
そりゃ出会っても不思議でもあるまい。
なにせ、この連休の涸沢人口は2300人ほどになるそうですから。

テントに戻り8時には寝た。
ちなみに、ヒュッテも小屋もどちらも1畳に3~4人の込み具合だそうな。
どうやって横になるのでしょうか?
喧嘩勃発が目に浮かぶ。
あ~コワイ。

それに比べテントは、煩わしい人間関係は皆無。
(夫とのいざこざはちょっとあっても、気遣い無用の相手だもの気が楽)

エアーマットを敷いても背中は多少痛いが、そんな不自由は承知のうえ。
どれだけ不自由で不便があっても、ゆったり横になれるこの個室空間は平和そのものだった。
カバーをつけた万全のシュラフにもぐりこみ、おきまりのせりふを。
あぁ~極楽・ごくらく・ゴクラク・・・・平和だねぇ・・・・。

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10月5日撮影の涸沢紅葉を10月24日(金)NHK午後7時半から金とくで放映されるそうです。(詳細はクリックして下さい)

こうまでしてアルプス病患者を魅了する紅葉はどんなものか、一度ご覧下さい。

つづく