8月9日(土)
大方出発した後なのか、5:00の朝食は数人だった。
やはり10時すぎるとガス上がってくるから早立ちするのだろう。
5:35スゴ乗越小屋出発。
(70人宿泊可能と聞き、どこにそんなに泊まれるのと驚くほどの小さい小屋だった)
小屋前から樹林帯に入り、しばらくすると開けた。
右奥[E:upwardright] の間山を目指す。
(少し前を歩いているのが仲間。いつも私はこのぐらい後を歩いている)
[E:upwardright]テガタチドリ発見[E:eye]。草を掻き分け撮影。
登山道のはるか左下を流れる黒部川上ノ廊下[E:upwardright]を覗き込む。
こんなことやってるから仲間から遅れる。
間山(丸い雪渓が残る山)が見える開けたところに出た。
トウヤクリンドウ[E:upwardright]が咲く登山道をひたすら高度を稼ぐ。
雪渓手前のお花畑で小休止。
気合を入れて間山に向かう。
[E:upwardright]間山頂上(標高2585m)
小屋から休憩を入れて1時間20分。
コースタイムも同じなのでまずます。
[E:upwardright]ようやく北薬師の足元まで来た。
天気は申し分ない。
薬師岳の横顔が微笑んでいる。
右奥は2832峰。
ずっと見続けてきた山々がより近くなる。
左から水晶岳~鷲羽岳。その間に小さく槍ヶ岳が見える。
だらっとした台地は雲ノ平か?
雲ノ平は是非訪ねたいところ。ついでに高天原も。
ここから近くに見えても遠いところなのに、出直すことを考えると、あぁ・・・とため息が出る。
間山を過ぎたあたりで中学1年生男子の親子(テント泊)に追い抜かれた。
この親子は、五色が原~越中沢岳の間にも追い抜かれている。
「もう休む!」とか「お父さん早い!もう帰る!」とか数メートル後を常に大声を上げながらついていく子だったのでよく覚えている。
今回も同じ光景。
お父さんは無視を決め込み、前身あるのみ。
子どもをぐいぐい引っ張る。
始めは何だか厳しいお父さんだと思ったが、わけありのよう。
お父さんがんばれと心で応援した。
[E:upwardright]8:16間山からひたすら歩いて1時間、ようやく北薬師が現れた。
[E:upwardright]8:22 2832峰手前を西側に巻くと有峰湖が見えてきた。
うわぁ~始めてみる景色に感動[E:happy01]・・・したのも束の間
明日有峰湖に降りるので、薬師岳を踏む前に降りる先を見てしまったことにちょっとがっかり。
[E:upwardright]8:28有峰湖側をトラバース。
先の二人の間に見えるのが北薬師。
[E:upwardright]8:43北薬師岳までもう少し[E:coldsweats01]
[E:upwardright]8:58北薬師岳(標高2900)到着。
スゴの小屋から3時間20分。
コースタイムは3時間だからまずます。
今日はお湯沸かして休憩していないからここで大休憩とする。
私は室堂の雄山に向かって腰をおろした。
ずっとここまでの行程を見守ってくれた雄山を眺めながらの休憩[E:cafe]は最高だった。
40分の休憩後、本峰に向かう。
9:50水晶岳と鷲羽岳の間に見えていた槍ヶ岳は、ここにきて鷲羽の右に位置を変えていた。
[E:upwardright]水晶~鷲羽、雲ノ平も高天原も、槍~穂高もよくわかる。
[E:upwardright]この先はこの稜線を歩いて本峰へ。
わずかだが両側がスパッと切れた稜線歩きもあり、西穂独標から先を思い出す。
[E:upwardright]9:57有名な金作谷カール。
スプーンですくったようなこのカールは圧巻だった。
左:10:38薬師岳へ最後の登り。
右:振り向くとこんなところを歩いてきた。
最終章、山の醍醐味を味わう。
[E:upwardright]やったぁ~10:57薬師岳到着[E:scissors]
あとは太郎平小屋まで降るだけなんだからと、また大休憩。
登頂の喜びで標高600降ることはすっかり忘れてしまった。
[E:upwardright]到着したとき東の黒い雲が気になっていたのだが、西の空まで怪しくなってきた。
おんころころせんだりまとうぎそわか・・・・薬師如来のご真言を3回唱え下山する。
[E:upwardright]下山前に祠の裏にまわり黒部川上ノ廊下に落ち込む沢を覗き込む。
上ノ廊下はまず来れないので雰囲気だけでもと覗いた。
雲がかかっているがここまでの山々も見えて興味深い景色だった。
[E:upwardright]下山まもなく、名残惜しく薬師岳を振り返る。
本当に大きな山だということを実感する。
・・・・と、そのとき遠くでゴロゴロ言いだす。
やばい!一番近い小屋まで30分はかかりそう[E:bearing][E:downwardleft](ずっと先が薬師岳山荘)
不得意なザレ場を精一杯のスピードをあげて降った。
雨もぽつぽつ降り出す。
[E:thunder]・・・・[E:thunder]・・・・槍方面だと勝手に判断したがいつこちらに落ちるかわからない。
転がり落ちそうなくらいの感じで坂を降り、やっとの思いで薬師岳山荘に駆け込む。
雨に降られることなく、雷につかまることなく小屋に滑り込みセーフ。
雷をやり過ごすしかないので、しばらく停滞。
白玉あずき700円也で時間をつぶす。
すると大粒の雨になりゴロゴロ[E:thunder]ピカピカ[E:thunder]・・・・おまけにひょうまで降ってきた。
[E:upwardright]ひょうがトタン屋根にバチバチ音を立てる。
(写真を大きくしてみると小屋足元に氷の塊が見えます)
小屋の人は雨戸まで閉め始め、真っ暗で不気味だった。
ずぶぬれになって駆け込む人が後をたたない。
小さい小屋は満員になった。
急遽今晩予約する登山客も多かった。
[E:upwardright]50分ほどしたころ、雷は通り過ぎたようなので、雨具をつけて小屋を出る。
先ほどの雨が嘘のようにすぐ晴天になる。
今回一度も雨具のお世話にならなかったが、このぐらいですんでよかった。
暑くなってきたのでこの先で雨具を脱ぐ。
[E:upwardright]2:22沢沿いの樹林帯を降ると薬師峠キャンプ場に出た。
我々の小屋はまだあの山を越さねばならないので、くつろいでいるテント客をうらやましく眺めながら先を急ぐ。
テント場から20分ぐらい登ったところで小屋が見えた。
いったいこの小屋は収容人数何人なのだろう。
一応150人と聞いているが、私が寝た3階の屋根裏部屋には100人近く詰め込まれていたような。
この日は布団1枚でふたり。
今まで泊まった小屋では最大のものだった。
いいことといえば、水が豊富だった。
顔をじゃぶじゃぶ洗えるのは何とも気持ちがいい。
もちろん石鹸は使えません。
4回戦目でようやく夕食にありつけた。
食堂は1回で100名ほどの食事が並ぶ。
すると・・・・×4?・・・・×5?
定員150人をはるかにオーバーの小屋だった。
その晩の屋根裏の暑いこと暑いこと。
人の吐く息で不快指数が上昇している。
奥の奥だったので布団までほふく前進。
頭はぶつし、もうたいへん。
おまけにいびきの大合唱はホント凄かった。
でもね、これで寝られなければ北アルプスには来れないのです。
重いテントと食料を担いでこない限り、こういう小屋で寝るしかないのです。
はやくいびきの合唱に加わりたいと願いながら、あっち向いてこっち向いて、何度も寝返りをうちながら寝ていった。




































