2007高知(生見~24)

区切り3回目の2日目 晴れ

6:05、昨晩の夕食時に渡された朝食用のお弁当を持ってサウス・ショアーを出発。
宿の中庭をスイスイ飛び交うつばめに見送られる。

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ボードを抱えた若者は海に向かう。
杖を手にした遍路は室戸岬に向かう。

早立ちという共通点があって可笑しかった。

●東洋大師 (6:35~7:07)
相変わらず、飾りが多いお寺である。
通夜堂からまだ眠たそうな顔の外国人若者が出てきた。
参拝後、お接待用のお茶を頂きながら朝食を摂っていると滝修行とわかる身なりのご住職が出てこられた。
「滝修行ですか? 滝は遠いのですか?」
「すぐ裏」

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本堂に向かって右側にそれはあった。
滝というには、ちょっと違うかなと思ったが、それでも立派な修行である。
しばらく眺めていた。

野根まんじゅう屋を過ぎ、野根川を渡ると奇麗な浜に出た。
前町長苦肉の策の核産廃施設候補地の東洋町である。
新町長は候補地を撤回したが、結局のところ、こういう人口が少ない(美しい景色)所が候補地になるのだろう。
仕方がないと諦められない問題である。

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この写真はわかりにくいが、私が思うに定置網を補修しているのだと思う。
写真をクリックしてさらに右下をクリックして見て下さればわかると思うが、オートバイや人が写っている。
それを見れば、この網がいかに大きいものかわかってもらえるはず。
沖に目をやると定置網がたくさん仕掛けられていた。

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今日の海は穏やかである。
聞いたことがない奇麗な音がかすかに聞こえてくる。
「patapatapatapata・・・・」と。
耳を澄ましながら歩くとだんだんわかってくる。

ザブ~ンとひとつ波が寄せる。
次のザブ~ンまでの数秒間に聞こえる16分音譜の音だった。

ザブ~ン patapatapatapatapata
ザブ~ン patapatapatapatapata

引く波が丸い小石を転がす音だった。私にはパタパタパタと聞こる。
何でパタパタと聞こえるのか不思議だった。
幸い車の騒音もなく、自然が奏でる音を繰り返し聞きながら歩いた。
何度聞いてもパタパタパタパタ・・・・心地よい音だった。

●佛海庵 (9:55~10:17)
日が高くなるにつれ暑くなる。寄って休憩した。
風が通り涼しい庵である。
お昼寝しようかなと考えていたら逆打野宿の長崎の若者が来た。
今日が30日目で、風呂を目指して宍喰まで行くと言う。
歩いているときは幸せだ・・・という話をした。
二度と会うことのない若者と納め札の交換をして別れた。

とにかく暑い。
三津漁港手前の海岸をひたすら歩いていると、後ろから鼻息荒いモノが近づいてくる気配。
殺気を感じ振り返ると・・・・

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犬を連れた野宿遍路だった。
タッタカタッタカ・・・・あっという間に私を追い抜いていった。
連れの犬は途中で拾ったのか、はたまた1番からずっと一緒なのか。
この先、おりこうについてくるのだろうか・・・・・
退屈だったので勝手なことばかり考えた。
追いついて聞いてやろうと、こちらもタッタカタッタカ歩く。

「ずっと一緒なの~?」と後から声をかける。
「1番から一緒で~す」と歩きながら彼は答えた。

しばらくかけ連れたが、今晩の食料を仕入れると言うので別れた。

それから1時間後、今朝、東洋町で勧められた海洋深層水の足湯に。
足だけではもの足りず、全身湯に浸かりたい心境だった。
それほど、もうくたくたになっていた。

室戸岬遊歩道を歩き、やっと24番登り口に着いた。
すると・・・・

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洞窟から白猫がこちらに向かって出てきた。
「待っちょったよ・・・」と言わんばかりに近づいてきた。
この猫に招かれて私はここまで来れたのかもしれないな。

30分程フーフー言って登り、4:35ようやく山門をくぐった。

今宿は、24番最御崎寺の宿坊。
ご住職がお出かけとのことで、今晩も明朝も勤行はなし。
副住職とか小坊主さんではだめなのかしら。
せっかくの宿坊泊なのに、損した気分になる。

4階建て(エレベーター付き)で宿坊と思えない近代的な造りである。
部屋は3つのベッドが並ぶ大きな部屋。
夫とは中ひとつ挟んで休んだ。

 

       ・24番最御崎寺(5985円)
       ・歩き遍路は他に5人
       ・歩いた距離36km

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