藤原岳は花の百名山である。
この時期、セツブンソウ・キクザキイチゲ・福寿草などを求めて観光バスが来るほどお花が多い。
雪解けのグチャグチャ登山道は大渋滞で、いささか嫌気がさしていたところ、静かでもっとお花が豊富な道を案内してもらえることになった。
丸山と多志田山を経て藤原岳に上がる道なき道の急登・アップダウンロングコースである。
6:50マイカーで自宅出発。
8:15伊勢治田駅で仲間を待っている間に、「ホーホケキョ」と今年初の鳴き声を聞く。
新町に置車し孫田尾根から藤原展望丘に上がり、復路は大貝戸道。
右手に採石場を見ながら丸山への急登をひたすら歩く頃になるとヒロハノアマナが現れる。
人があまりはいらないので咲き乱れている。
踏みつけないように注意深く歩いた。
今年もお花の時期が来たと思うと嬉しくワクワクした。
今日は風もなく晴天。
さらに汗だくになって登ると、今度はセツブンソウが現れ始める。
10cmにも満たない可憐な山野草で、精一杯に咲く様がかわいい。
雪解けの頃に芽を出し、旧暦の節分の頃に咲くのでこの名がある。
藤原岳の一般ルートでも何度か見たが、こんな広範囲に咲き乱れる光景は初めてだった。
時期が良かった。夢のようだった。身震いするほど嬉しかった。
左:スハマソウ(葉先が丸い)
右:ミスミソウ(葉先が三角)
写り最悪であしからず
多志田山を直登したのち、急降下して藤原展望丘への尾根に登り返す。
その頃になるとセツブンソウに混じって福寿草が現れた。
花に気を紛らわせながら最後の道なき道の急登をほうほうの体で尾根に上がった。
もうお腹がぺこぺこ、1時近くになって昼食とした。
昼食後、藤原岳展望丘(H1140)まで数分。
ここまで来てやっと大勢の登山客に出合った。
藤原山荘前の福寿草が初々しく咲く。
ここからは、藤原名物の雪解け泥んこグチャグチャ道をしばらく歩く。
絶対転びたくないので慎重に降る。
一般道(大貝戸道)のつづら折の道をひたすら降って午後4時無事下山した。
三岐鉄道に乗って西藤原駅から伊勢治田駅まで戻る電車の待ち時間に、仲間のひとりがものすごいものを案内してくれた。
それは・・・・・
セツブンソウの大群。
これは藤原岳麓に住むお宅の庭先なのだが、セツブンソウを大切に育ているのだ。
山中でこんなセツブンソウの群生に出会ったら、私は卒倒すると思うが、山中にもきっとこんなところがあるように思える。
そんな光景を夢見て、私はまた山に入るのである。