昨日は一日中、台風18号のニュースに釘づけでした。
皆さんの地域は大丈夫でしたでしょうか?
京都の渡月橋の映像は凄まじく[E:shock] 自然の怖さを目の当たりにするものでしたね。
さてさて、のびのびになっている夏山の続きです[E:coldsweats01]
平成25年8月12日(月)[E:sun] 最終日
昨晩の星空は、北アルプス稜線でもなかなか見られないほどよかった。と朝食のとき小屋番が言った。そういえば私もトイレに起きたとき(ヒュッテ西岳は外トイレ)満天の星空と流れ星に、眠気眼ながら感激した。やっぱりそうだったのか。外トイレということが幸運だった。(雨のときは最悪ですが)

朝食待ちの薄暗い中、こんな張り紙が目に留まる。ベイハンテイキョウギョウシャトウロクヒョウ? 小屋営業に必要な許可証みたいなもの?昭和45年度とは、あまりの古さに笑った。
昨日歩いた横通岳あたりから刻々と昇る朝日を眺めながらの贅沢な朝食だった。お行儀が悪いけれど、箸を置いて1枚撮影。右下の赤い点は何でしょう?失敗?
槍方面(東鎌尾根)に向かう登山者を見送り、我々は昨日来た道を大天井ヒュッテまで戻る。5:40出発。


左)ミヤママンネングサ 日差しを遮るものがない1枚岩の割れ目で咲く。
右)タカネヤハズハハコ うぶ毛が愛らしい。説明は→ここ

赤岩岳道標より常念岳を見る。雲海に浮かぶ島のように見えるは、美ヶ原ではないだろうか?・・・位置的にはあっているけれど定かではない。
ヒュッテ西岳から2時間弱でビックリ平に着く。そして樹林帯に入っていく。

振り向くと、喜作新道の中で唯一高い赤岩岳(2769m)が聳えていた。
マルバタケブキの道を歩き、大天井ヒュッテに着いたのは8:15だった。
ブレンドコーヒーを注文。3日ぶりのコーヒーは美味しく20分ほど休んだ。
大天井ヒュッテからは、急登になり分岐から燕岳方面に進む。
この大天井岳の北側ルートは初めて歩く。大きく左を巻くトラバース道はスリルがあって楽しめた。ほどなく稜線歩きに合流する。

左)イワギキョウ 遠望は硫黄岳~鷲羽岳方面
右)砂礫に咲くコマクサ
稜線歩きは日差しを浴びても涼しく快適だったが、信州側の巻道に入ると、エアコンの部屋から出たようなドカッとした暑さを感じた。
その信州側巻き道で、なんだか気持ち悪いような植物が目に止まったので撮影。調べたら『ミネヤナギ』のよう。
綿毛でタネを遠くまで飛ばす高山植物は数々見てるけれど、これは初めて。スケルトンなのでカエルや両生類の卵ように見えなくはない。

来た道を振り向くと、遠くに槍ヶ岳、巻いてきた大天井岳からのルートが一望。遅れ気味の山姥を待ちながら景色を楽しんだ。
ここからは最高のロケーションなのに、中房温泉4時の最終バスが頭から離れず、景色を楽しむこともなくストイックに歩いた。実にもったいないことをしたものだと、この写真を見て今思う。
12:15 燕山荘着。行動食をお腹に放り込みながら、待つこと10分ほどで山姥到着。と同時に「最終バスに間に合わなかったら中房温泉で泊まる」と山姥。一方私は何が何でも今日帰りたいので、ここからは別行動とした。

40分ほどで合戦小屋に着く。名物スイカを食べるという心のゆとりはなかった。
ここから、またストイックに降る。足の早い登山者(ソロに限る)がいたので、一定距離を保って 可能な限りついて歩いた。登り優先ルールで離されたりもしたが、でもまたしばらくすると追いつくということを何十回と繰り返す。
今計算してみたら、標高差1200を2時間15分とは健脚の部類だ。見つけたペースメーカーがよかったかな?
ソロは孤独からどうしても惰性に任せ降ってしまう。今回は雨の笠新道をソロで降ったときに似ているものだった。翌日の筋肉痛を覚悟したけど、今回は筋肉痛にならずにすんだ。ともあれ来週の岳沢~西穂行きのトレーニンになってよかった。
中房温泉で3日分の汗を流し、4:00のバスで山姥を待ったが姿はなかった。
[E:bus] [E:bus] [E:bus]
4時発の最終バスは50分ほどで穂高駅に着いた。行きにも飲んだ駅前のスイカジュースのお店に直行。

5:05発松本行きの電車に間に合うか尋ねたら、ここの店長らしき男性は時計を見ながら
「駅の改札口で待ってて下さい。間違いなく届けます!」
と言うが早いかスイカジュースの仕込みを始めた。(ここのはその都度絞る)
お言葉に甘え代金を先払いし私は店を出た。
本当に間に合うだろうか?この500円ゲーム(ジュース代)の内容を改札口の駅員さんに話なながらスリルを味わった。
数分後、改札口から30mほど先にある店から男性が小走りでこちらに向かってきた。
私「アレだ!」
駅員「これなら間に合う!」
デリバリーされたスイカジュースを受取った私は、電車に向かって走りながら、ありったけのスマイルでひつじ屋さんにお礼を述べた。ギリギリセーフ乗車でゲームセットとなった。(これは実話ですが、特例です。)
穂高(安曇野)ならではの融通というか配慮に感動するものだった。行きより帰りのジュースのほうが美味しかったことは言うまでもないが、今これを書きながら、断ることをしなかった自分に気づきちょっと反省。やり過ぎた。
松本駅に出て、明日からお盆休暇になる息子の車に乗せてもらって我が家に帰った。(最終のバスで中房温泉を脱出したかったのは、この息子の車に便乗するため)
山姥のその後
3:40ごろ下山し、中房温泉で汗を流してからマイカー登山者に穂高駅まで便乗させてもらったと、途中から携帯に連絡が入った。どこで私とすれ違ったのかわからないけれど、山姥、下山で遭難しなくてよかった。
とにかく、楽しいことだらけの山行でした。これで西岳行きはおしまいです。
(予告:岳沢~西穂が始まります)








