2012西鎌尾根③

ブログサボってました[E:coldsweats01]  西鎌尾根の続きを綴りましたので興味のある方は御覧ください。

<前回までのあらすじ>
8月4日(土)早朝、夜行バスにて新穂高に降り立つ。左俣林道から小池新道を上がり鏡平小屋で休憩。その後、足がつるアクシデントがあったが、無事双六小屋に到着。

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8月5日(日)[E:sun]

Cimg14614:30の朝食後、身支度を整え5:10双六小屋(標高2550m)を発つ。

 

Cimg1463今日は念願の西鎌尾根を槍に向って歩く。まずは↑樅沢岳(モミサワダケ標高2755m)にアタック。樅沢岳に上がるのは昨年に続き2回目。のんびり歩き出す。

 

 

Cimg146515分ほど登った所から振り返って眼下の双六小屋を眺める。樅沢岳の影になって暗いが、小屋・テント場・双六池は箱庭のよう。対峙する山は双六岳。双六のピークはまだここからは見えない。

 

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進行方向の右手側(南)には焼岳と乗鞍岳。その奥に御嶽山も望めた。いずれも百名山。
手前(日付・時間表示の上)に赤い屋根の鏡平小屋が見える。  Cimg1473
乗鞍岳をアップで撮影すると奥に御嶽山があることがよく分かる。

 

 

Cimg1472樅沢岳から笠ヶ岳を見る。縦走路が手に取るように見え、何度見ても見飽きない景色だった。 

 

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左)イブキジャコウソウ  樅沢岳を過ぎると稜線に張り付くようにたくさん咲いていた。
右)ウスユキソウ(エーデルワイスと総称されるウスユキソウ属)
   
白い花びらのような部分は苞で、白い毛が密生してふかふかした感じ。

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左)イワオウギ(マメ科) 白馬岳で見たぐらいワッサワッサと咲く。西鎌尾根アナドルナカレ。
右)キンバイorキンポウゲ。太陽がさんさんと降りそそぐ。この景色のなかに居られるなら日焼けなんてナンノソノ。

 

Cimg1483行く手に登山者2名が歩いている。その先は墨絵のような山並み。こんな景色が私は大好き。思う存分この景色を眺めた。 個人山行ならではの至福のときである。

 

Cimg1492ハクサンイチゲと遠望の槍ヶ岳

Photo西鎌尾根を楽しんでいる私↑ イエ~イ!

 

Cimg1493槍ヶ岳が天をつくようにそびえている。この道はアソコに続く。

 

Cimg1497雪渓で遊んでいたイワヒバリが私の傍らにやってきて鳥語で何やら話してくれる。「よく来たね」と挨拶に来てくれたのだろうと勝手に解釈する。私はそんなふうにしてどんどん北アルプスに陶酔していった。

 

Cimg1501稜線に咲くウサギギク。太陽に向って精一杯の笑顔を振りまいている。まるで花壇のひまわりのよう。西鎌尾根と思えない整然とした咲き方がおかしかった。

Cimg1508一方、日当たりが悪い湿地で太陽に背を向け咲くクロユリ。西鎌尾根にもクロユリの群生地があることに驚く。来てみて初めてわかる。

Cimg1517チシマギキョウ。私はこの花のうぶ毛が大好き。
今年は雪解けが遅いので、想像以上にたくさんの花が見られた。
 

 

Cimg1518歩き始めて約2時間、来た道を振り返る。アップダウンをいくつもこなしてここまでやってきた。この先もアップダウンの繰り返し。人生といっしょ。

 

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左)シコタンソウ(ユキノシタ科) 白い五弁花の内側には黄と赤の斑点。花径は約1cmほどでとても小さい。画像をクリックして最大にして見てみるととてもキレイですよ。

右)カワラナデシコ

Cimg1525カワラナデシコが咲き乱れる登山道を降りてきた。こういう花道は嬉しい。

 

この先で何度目かの小休止する。

 

 

 

Cimg1527だんだん槍・穂高稜線・ジャンダルム・西穂が近づく。ブラボーと拍手喝采。
北アルプスの代表たる穂高稜線は本当に惚れ惚れする。

 

Cimg1528一見、怖そうな鎖場があった。我々は登るのだが、これを降るのは怖いなと思った。後続の若者に先に行ってもらいその後に続く。若者がいてくれたことは心強かった。 

しばらく若者たちと掛連れる。 

 

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10:28 千丈乗越に着。
双六小屋からの4時間15分(休憩含む)は想像以上に楽しかった。天気に恵まれ、ふたつとない山行だった。

 

 

Cimg1532千丈乗越で小休止。飛騨沢を飛ぶヘリコプターを眺めながら甘いものを口に入れる。

 

へそ曲がりの我々は、この先、槍に突き上げず、進路を南にとり奥丸山に向って中崎尾根へと降る。

因みにここから槍まで2時間の直登。皮肉にも雲が目標の槍の姿を隠してしまったので辛い登りになるだろう。掛け連れた若者は槍に向かう。こちらを振り向いたので「アリガト~、キヲツケテネ~」とエールを込めて手を振った。

 

千丈乗越からの急降下は相当ないやらしいものだった。このマイナーなルートが初めての山友はへっぴり腰。来たいと言ったのは誰?と毒づきながら降る。

 

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左)中崎尾根に乗るとニッコウキスゲが思いのほかたくさん咲いていた。
右)カラマツソウ

 

Cimg153712:30 千丈乗越から奥丸山分岐まで2時間とかからなかった。ちょっと飛ばしすぎた感あり。
ここにザックを置いて空身で奥丸山をピストン。往復35分。

 

奥丸山頂上からの展望はガスで360度ナシ。3回目登頂の私は写真を撮る気にもならない。初登頂の山友の証拠写真を撮って下山。

 

ザックを置いた分岐に戻ったら、山友が腕時計をなくしたというので、探しにもう一度奥丸山に登り返す。35分ロスしたが結局見つからなかった。これで私は4回も奥丸山に登頂したことになった。縁がある山のようだ。

 

 

Cimg1542ナンダカンダ言いながら、3:30槍平小屋のテント場に無事降りた。
以前テント張ったところは、どのあたりだっただろうか。ここには思い出が残っている。

 

 

槍平小屋は60歳以上は500円引きだそうで、山友は500円引いてもらっていた。
くっそー!私は8800円。

Cimg1543 夕飯はチキンだった。肉類全般ダメな山友はメインディッシュまるっと食べられない。500円引きはコレだなと私は意地悪くほくそ笑む。

 

明日は月曜日なので小屋は空いていた。6畳の個室を与えられたので山友と2人きりかと思ったら、5時ころ槍ヶ岳から一人で降りてきたという神戸の美人マダム(500円割引)が到着した。

このマダム問題ありだった。話しだしたら止まらないのだ。マシンガントークで山のこと旅行のこと、はたまた自分の人生を延々と話しだす。いい加減飽きてきたのでトイレに立つふりして逃げようと思ったその時、四国お遍路もしたというので食いついてしまった。しかし、ほとんどお接待の車で回ったと言う話は、私にはあまり面白いものではなかった。

 

8:00消灯になり、ようやくマダムから開放されヤレヤレ~と寝転がる。すると間髪を入れずマダムの鼻息荒い寝息が。そして[E:sleepy] [E:sleepy] が始まった。早っ!

イビキもマシンガンだったら部屋を出るぞ!と考えているうちに私も眠った。コノヤロウ!ウルサ~イ!コンチクショー!と私は寝言で毒舌を吐いていたかもしれない。

 

                                                                                つづく