平成22年7月20日(火)前半 [E:sun]/[E:cloud]
早朝4時過ぎ。↑日の出ショーが始まろうとしていた。何といっても常念のシルエットは品格があって美しかった。八ヶ岳や富士山は雲海にぽっかり浮かんでいる。
槍ヶ岳の右肩から日が昇った。槍を見ながらの日の出は最高のものだった。
5時の朝食を終え、槍に登る。
槍の穂先は混んでいなかった。ルート確認しながら岩を掴んで登る。
一気に登ってしまうのが惜しく、何度も振り返っては眺めた。
笠ヶ岳の手前の抜戸岳だろうか、その足元に槍の影が落ちていた。考えてみれば早朝に登ったのは初めてのことで、新鮮な景色だった。
5:55槍ヶ岳(標高3180m)登頂。先客は2人のみで、静かな頂だった。
記録を見ると・・・
第1回目登頂:2001年8月25日PM3時頃(眺望0)
第2回目 〃 :2005年7月17日AM9:30頃(眺望0)
「3度目の正直」か、今回ようやく北アルプスを360度見渡すことが許された。
社に手をあわせてから、社うしろの北鎌尾根を覗く。今回はそれほど怖さを感じなかった。「ちょっと降りてみるかい?」という北鎌尾根の誘いに、私は何の躊躇もなく降りはじめた。
あの孤高の人・加藤文太郎は真冬にここを降り命を落としている。
独標が「なんだ、ここまで来ないのか?」と私を挑発するかのように鎮座していた。確かに魅了するルートだった。槍の頂上は通過地点なのだという考え方が理解できるものだった。
加藤文太郎はどこでビバークしたのだろう? どこから滑落し、どこをどうさまよい歩いたのだろう?・・・天井沢に目を落とし勝手な想像をした。
槍の頂上に戻ったら大勢の登山客が上がってきており、にぎやかな頂上になっていた。
槍頂上から西↑
槍頂上から南↑ 槍頂上から東↑
これだけの眺望はもう2度とあるまいと思うと下山するのが惜しかった。
「ありがとう・さようなら」6:20下山開始した。
下山途中、西鎌尾根が見える窓を見つけた。槍は最後まで私を楽しませてくれた。
ほどなく小屋に戻り、支度をして6:45西鎌尾根に向かった。